中華の菰田シェフが「本当にやりたかった」本格火鍋の味とは【ファイヤーホール陳】

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今回のリポート地はこちら、山手線の駅でもおなじみ五反田です!

火鍋の専門店が人気を博しているそうですよ。

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その名も「ファイヤーホール陳」。

陳という名前からピンと来る人も多いでしょうね。そう、赤坂「四川飯店」、渋谷「スーツァンレストラン 陳」の系列店なんです。となるとシェフは……

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テレビや雑誌でもおなじみ、菰田欣也(こもだ きんや)さん。

このお店は、菰田さんの「自分なりの火鍋をつくってみたい」という思いからオープンに至ったそう。構想から開店まで実に3年を要したと聞きます。

菰田さん、自分なりの火鍋を追求したいと思われたのは、またどうしてだったんですか?

菰田:私は研修も兼ねて毎年1~2回は中国の四川に行くんですが、現地の火鍋というのは牛脂のコクを活かした味つけなんですよ。濃厚で辛さも鮮烈。これはこれでおいしいけど、日本の方だと「脂っぽくて苦手」「辛すぎる」という人も少なくない。もし日本でやるならどういう味わいがいいか……と考えるうち、「自分なりの火鍋をつくり上げてみよう」と思ったんです。

菰田流火鍋の味わいとは

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菰田:まず辛みに関しては、本場のものよりぐっと穏やかにしました。辛いのが苦手な人も含めて、広く楽しんでほしいですからね。朝天辣椒(チョウテンラージャオ)という優しい辛さの唐辛子と細唐辛子の2種を使用し、山椒(サンショウ)の風味もきかせます。そして豆板醤(トウバンジャン)はすべて手作り。こうすることで塩分をカットできるんです。脂分も少なくして、飲みやすいスープにしたのが特製の麻辣豆板醤(マーラートウバンジャン)スープです。そう、この特製スープと一緒に食材を味わってもらうのが、僕のオリジナル火鍋です。具材を鍋にくぐらせて調味料つけて食べる、というスタイルじゃなくてね。

それでは実際の火鍋をご覧ください!

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こちらが火鍋ベーシックコースで、1人前 3,500円(上の写真は2人前)。

2種のスープに小鉢、豚の肩肉・外もも、ホルモン(レバー・ハツ・マメ)、季節野菜盛り合わせ、板春雨 、干し豆腐、湯葉盛り合わせ、水餃子、ごはんか麺、デザート付き。

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手前が麻辣豆板醤スープ。浮いている丸っこいのが、先のお話に出てきた朝天辣椒です。

麻辣スープに豚を泳がせて……

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使用している豚肉は、菰田さんがほれ込んだという群馬県産のブランド肉、加藤ポーク。群馬の太田市から毎日運ばれてくるそう。

菰田:全国の豚肉をいろいろ試しましたが、口の中でのとろけかたがすばらしい。肩ロースやバラ肉はもちろん、レバーやハツなどのホルモンまで臭みが全然ないんです。脂身はあっさり、肉質の食感もいい。すべて冷凍していない、フレッシュなものを使用しています。

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このスープに豚を泳がせて……

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いただきます!

お、確かにほどよい辛味で食べやすく、うま味と辛味、しびれる感じが同時に口の中で響き合います。スープをすすれば香辛料がフッと鼻に抜けて、心地いいなあ。かむうちに豚の甘味が広がってきて、スパイス感となんとも好相性。

そしてなんだか……体がじんわりと温まってくる……。

菰田:辛みは穏やかでも、この麻辣スープには唐辛子のエキスがたっぷり染み出ていますからね。体がポカポカしてくるでしょう。

ただ刺激的に辛いだけじゃない、うま味をしっかり伴った辛み。暑い時期、蒸す時期にもぴったりですね。スープに封じ込められたいろんな味わいを楽しむ火鍋、新鮮です!

味わい深い白湯スープ

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具材で特に印象的だったのがレバー。臭みがないのはもちろん、火通ししてもみずみずしくて食感がよく、良質なモツ特有のほのかな甘みが感じられて、それがまた辛いスープと合うんです。

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一方の白濁したスープは、こちらも菰田さん特製の白湯(パイタン)。中国漬物を使った穏やかな酸味があって、なんともホッとする味わい。

ちなみに白湯は3,500円のベーシックコースのみで、ほかのコースは肉骨茶(バクテー)スープとの組み合わせになります。マレーシアやシンガポールなどで食べられている、豚と生薬類を煮込んだあの滋味あふれるスープ。薬膳師の資格を持つ菰田さん特製のバクテー、ぜひ味わってみたいですね。

シメはラーメン or ごはんで

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野菜類も菰田さんが選び抜いた各地の農家さんから送られてくるもの。なので日によってその種類も違うのだとか。

肉と野菜の味わいがたっぷりスープに移ったところで……

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シメにいきますか! ラーメンかごはん、好きな方を選べます。

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2種のスープのどちらかに入れるもよし、両方のスープを少しずつ混ぜて自分なりの味わいを作るもよし。このスープミックスを作るのがね、また楽しいんです。

ランチタイムもおすすめ!

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ちなみに、昼の特製麺もうまいんですよー。

メニューはいろいろあれど私の好物がこちら、燃麺(900円)。

青ネギ、白ネギ、豚ひき肉、揚げ玉ネギ、ピーナッツ、中国漬物のヤーツァイ、唐辛子と7種の薬味に、熱した白絞油をかけて平打ちの麺とあえるもの。アツアツの油がかけられてジュワーっとなってるの、わかります?

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このピリ辛のあえそば、クセになる味わいなんですわ。ゴマペーストをきかせた濃厚タイプの重慶式と、あっさり風味の成都式の2タイプあり。昼からビールがほしくなっちゃうんだこれが。

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店内は広々とホールが40席、個室も完備。これからの季節夏バテ防止をかねて、火鍋で飲み会なんていかがでしょうか?

お店情報

ファイヤーホール陳

住所:東京都品川区東五反田1-25-19

電話番号:03-6450-3384

営業時間:ランチ11:30~15:00 (LO 14:30)、ディナー 17:30〜23:00 (LO 22:00)

定休日:月曜日

firehall.jp

※この記事は2017年5月の情報です。

※金額はすべて税込みです。

執筆・撮影:白央篤司

白央篤司

フードライター。食と健康、郷土料理をメインテーマに執筆をつづける。著書に「にっぽんのおにぎり」(理論社)「ジャパめし。」(集英社)などがある。この夏は家庭菜園に挑戦するもナスにアブラムシがたかって苦戦中。 facebook:atsushi.hakuo ブログ:独酌日記

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