門脇麦の食に対するあくなき欲求。実は「食べるために生きている」女優だった【女優メシ】

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どことなくつかみどころがなく、独特な雰囲気をまとった女優、門脇麦さん。映画『世界は今日から君のもの』では、引きこもりで引っ込み思案な女性、小沼真実を演じています。しかし、そのイメージは本人曰く、まったく別なのだとか。ちなみに門脇さん「食べるために生きている」と断言するほど、食へのあくなき欲求を持っているそう。映画のことから、ご自身のこと、そして食へのこだわりまで聞いてみました。

引きこもりだって幸せだったらそれでいい

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――門脇さん演じる真実は引きこもりで友達もほとんどおらず、アルバイト生活を転々としている女性ですね。

門脇 真実の特徴は「引きこもり=暗い」ではなくて、そもそも本人が外に出ていきたい欲求がないのではないかと思いました。家で自分が好きなことをしているだけで幸せなタイプ。自分の好きなものが明確にあるから、それをしながら日々を淡々と送っている。“淡々”と言うと「味気ない、つまらない」と思いがちですが、毎日を淡々と過ごせるのは、すごく幸せなことだと思うので。

――そうなんですよね。「引きこもりでかわいそう」と思うのは周りの考え方であって、本人がそれで幸せならいいですよね。ただ、門脇さんは真実とは真逆の性格だとか。

門脇 正反対ですね。家にこもるよりも外でアクティブに動きたいタイプです。

小学生までヒーローに変身して世界を守ると本気で思っていた

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――でも、尾崎監督は「風変りな女の子」を演じられる女優として、門脇さんをピンポイントで選んだそうですね。実際に自分で「風変りかも……」と思う部分はありますか?

門脇 私はまったく風変りじゃないですよ……と思っている人が一番、危ないんですよね(笑)。でも、子どもの頃からアクティブで学校の休み時間はドロケーばっかりしていました。ドロケーのために学校に行っているといっても過言じゃないぐらい。

そして、戦隊ヒーローものが大好きで小学生になっても、自分は戦隊ヒーローに変身できると思っていました。自ら名付けた変身ゴムを腕に巻いていて……、まぁ、ヘアゴムなんですけど、いつか悪者が来たときにはこのゴムで変身して、私が戦う! と考えていたんです。その“いつか”のためにひとりで側転とか練習していたし。……って、こんなこと言ったの初めてです(笑)。友達にも両親にも言ったことがないですから。

自分が動きたいまま流れていたら、女優という仕事に流れ着いた

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――初めての話を聞けてうれしいです(笑)。ヒーローへの変身願望が強い小学生の女の子は珍しいかもしれませんね。でも、そのヒーローになりたかった気持ちが転じて、女優への憧れになったのでしょうか。

門脇 いえ、それはないです。私、もともとバレリーナを目指していたので。ただ、その夢を諦めたときに、はやく何者かになりたいと思っていたんです。

――何者とは?

門脇 バレエを辞めたとき、挫折感がぬぐえなかったし、私だけ逃げたみたいでバレエ友達にも会えなくなってしまいました。だから、バレリーナ以外の“何か”になりたい気持ちがとても強くて。そんなときに映画が好きだったこともあって、勢いでこの仕事を始めたんです。ですから、子どもの頃から憧れていて……みたいなものはないんですよ。

どちらかというと、自分の動きたい方向に流れていたら、おのずとつながって流れ着くだろうと思うタイプなので。

門脇家は食を中心に生活が回っている家庭でした

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――作品の話に戻りますが、劇中、真実の料理シーンは悲惨で、食べるものも菓子パンかバターをぬっただけのトーストなど食にまったく興味がない女性ですよね。

門脇 私は食事をするために生きているようなところがあるので、その部分は本当に共感できなかったです(笑)。ただ、人それぞれ興味があることやこだわりは違うと思うので。反対に私は真実ちゃんが持っているような芸術性はありませんし。

――門脇さんの、その貪欲な食へのこだわりはいつぐらいから生まれたんですか?

門脇 幼い頃からです。母親が料理が好きで、素材の味をいかしたシンプルな調理方法が多かったんです。それに加えて父親がアウトドア好きで、釣りに行っては釣ったばかりの魚を食べたり、キャンプに行っては猟師からさばきたてのお肉を料理してもらって食べたりしていて。自宅の庭ではトマトやアスパラなど野菜を育てていて、採れたてのものを毎日食べていました。

家族全員が食べることが好きで、食事のためなら自分の時間も削るほど。睡眠時間が少なくても釣りに行ったり、野菜を育てたりと食を中心に家庭が回っていたんです。

ご褒美メシはひとりでフラリと焼鳥屋さんでビール!

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――家庭環境が食へのこだわりを生んだんですね。ちなみに、門脇さん自身も料理をするのが好きなんですよね。

門脇 大好きです。基本的には外食よりも自炊派。母親の影響を受けて、素材をいかしてシンプルに調理することが多いです。焼く、煮る、和える。この3つが基本。

――潔くていいですね。最近つくって好評だった料理は?

門脇 砂肝をハーブやクミンなどのスパイスと白ワインで漬け込んで、2時間ぐらいに煮詰めるんです。それにオレンジのソースをかけた料理は好評でした。父の日に家族に振る舞ったんですけど、あっという間になくなって。

料理はおいしいか、おいしくないかのどちらかじゃないですか。おいしければ食べてくれるし、おいしくなければ残る。その完結しているところが好きなんです。演技の仕事ははっきりとした答えがないので、料理は分かりやすくていいなって(笑)。

――外食はしますか?

門脇 仕事を頑張ったときはご褒美で、ひとりで焼鳥屋さんに行ったりします。

――ひとりで焼鳥屋さんに行くんですか!?

門脇 行きますね。疲れていて自炊が面倒だなと思ったらフラッと行きます。最近、お酒を飲むようになったので「今日は何のお酒が飲みたいかな」と考えて、日本酒が飲みたいなら和食。ワインが飲みたいならイタリアン……という感じでお店を選んでいます。

――ちなみに今夜は何を飲みたいですか?

門脇 今夜は赤ワインとラムチョップの気分ですね! おいしい夕食を食べるために、今日も仕事を頑張ったので(笑)。

プロフィール

門脇麦(かどわき・むぎ)

1992年8月10日生まれ、東京都出身。2011年ドラマでデビュー。映画『愛の渦』『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』『闇金ウシジマくんPart2』の演技にて第88回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞などを受賞。今後は、7月15日スタートの土曜時代ドラマ『悦ちゃん』(NHK)のほか、映画『ナミヤ雑貨店からの奇蹟』の公開が控えている。

映画情報

『世界は今日から君のもの』

7月15日(土)渋谷シネパレスほか全国順次公開

公式サイト:http://sekakimi.com/

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Ⓒクエールフィルム

引っ込み思案な性格で自分の世界に閉じこもってきた真実(門脇麦)は、父親・英輔(マキタスポーツ)のすすめで大手ゲーム会社MAGESでアルバイトをすることに。デバッガーの仕事を担当するなか、製作部ディレクターの矢部遼太郎(三浦貴大)と出会ったことで新規ゲームのデザイナーとしての仕事を任されることになるが……。

※この記事は2017年7月の情報です。

撮影:八木虎造

書いた人:中屋麻依子

中屋麻依子

21歳で物書き稼業に足をつっこみ、気が付けば10数年。漁師から起業家、ハリウッドスターまで述べ10000人以上にインタビュー。ウマいメシと至福の一杯のために物を書くをモットーに日々、文章と戯れ中。座右の銘は「酒の誘いは断るな」。

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