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デザインとアートの狭間で。名モデルたちのユニークすぎる開発の舞台裏

「au Design project」(以下aDp)が誕生して、15年という歳月が流れた。機能一辺倒だった日本のケータイ市場に、デザインという新たな価値を与えるエポックメイキングな試みは、「デザインケータイ」という言葉を生んだ。

「表層的な商品企画でなく、感性価値に主軸を置いた携帯電話を世の中に広めることで、日本のデザイン文化を高めることにも貢献したいと考えたんです」

振り返るのは、当時からプロジェクトに関わるKDDI商品企画本部の砂原哲だ。aDpというと、深澤直人氏が手がけた「INFOBAR」シリーズがよく知られているが、長い歴史では数々のユニークなモデルが誕生した。aDpのそれらの魅力と裏話を振り返ってみたい。

au Design project 15周年特設WEBサイトはこちら

【talby】今や世界的デザイナーが手がけたモデルは、樹脂で金属を再現!

2003年。aDpの第一弾として発売された「INFOBAR」は、必要な機能を備えたカラフル&ポップなストレート型で、デザイン感度の高い層を中心に注目を集め、大ヒットを記録した。その発売と前後して、コンセプトモデルとして発表されたのが「talby」だ。


「ビジネスショウ2003 TOKYO」で初披露。展示ブースもデザインコンセプトに合わせ、マーク・ニューソンが手がけた

今や世界的スターデザイナーのマーク・ニューソン氏が手がけたこのケータイは、砂原が直接ヨーロッパまで出向いて直談判し、開発がスタートしたという。

「コンセプトモデルはアルミの切削加工で作られていました。しかし、商品化にあたっては、当時、切削加工はコスト的にも時間的にも困難でした。アルミのプレス加工も考えましたが、それだとつなぎ目の無い金属の塊のようなボディが実現できません。最終的にはアルミ板から削り出されたようなボディを樹脂と塗装で表現しました」

かくして未来的でありながら、有機的でポップなストレート型モデルは04年に発売され、大きな話題を呼んだのだ。


「talby」(デザイン:マーク・ニューソン)

【MEDIA SKIN】触感までもデザイン。ソフトタッチのコンパクトケータイ

aDpでは、時代をときめくプロダクトデザイナーとのコラボレーションが相次ぐ。“マテリアルの魔術師”と呼ばれ、質感で語りかける数々のアート作品で世界を驚かせてきた吉岡徳仁氏も、ケータイのデザインを手がけている。

「00年の三宅一生展でのインスタレーションや、02年にミラノで吉岡さんが発表した椅子Tokyo-Popのインスタレーションがとても印象深くて。ミラノの方は、未来の日本庭園をテーマに、床に枯山水の砂利の代わりに白いプラスチックの玉が敷き詰められていて、そこをザクザク歩きながら鑑賞するんです。いつか一緒にお仕事できればと考えていて、05年にようやく声をかけさせていただく機会を得ました」

モデルの名前は「MEDIA SKIN」。第2の皮膚を標榜し、触感をデザインするという未知のアプローチを目指した。


「MEDIA SKIN」のコンセプトアート

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