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SFスリラー映画『ライフ』真田広之インタビュー「この恐怖は“人間のエゴ”に対する警告」

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――『ライフ』というタイトルで、宇宙をテーマにしている作品で、事前に内容を知らないと「こんなに怖い映画だったなんて!」って驚く人が多そうで楽しみです(笑)。真田さんがオファーを受けた時点でこういったスリラー作品だという事は分かっていたのでしょうか?

真田:最初に脚本が送られてきたので、分かっていました。非常にシンプルで、でもまあ考えさせられるっていう。これを映像化するんだと思うと、直球勝負だな、清々しいなと思いました。実は最初に僕がオファーされた役柄は実際のものと全然違っていて。若くて6人の中で一番経験の浅い宇宙飛行士役だったんですね。それには僕は歳をとりすぎているので一度断って、そうしたら「一番ベテランの宇宙飛行士役に設定を変えるのでお願いしたい」とまた連絡が来て。

――一番若手から一番ベテランに、ガラリと変わったわけですね。

真田:どんなに脚本が面白くても、自分がやるべきじゃない役だったら断る。どんなに“おいしい”ものでもね、お金で割り切れればいいのでしょうけど、そういうタイプではないので。監督とやり取りをして納得できればもちろんやらせてもらいます、お願いします、と。特に、国際宇宙ステーションの物語ってリアリティをもって日本人が参加できる作品じゃないですか。妙に文化を背負わなくっていいから、余計な気を使わない、役に専念してればいい。状況としてありがたいんですよね。

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――本作は基本的に「国際宇宙ステーション(ISS)」の中だけで物語が進行しますが、作り込みがすごかったですね。

真田:ロンドンに、大きなスタジオを2つ3つ使ってISSの全パートを作っちゃったんですね。生活空間からコンピューターから何から何まで。全部実寸大で作られているので、SF作品なのにグリーンスクリーンで撮って合成というのが一切無いんです。今回は360度上から下まで全部作りこんでの撮影なので、監督もすべてにおいてリアリティを求めていました。僕の演じているキャラクターはベテランエンジニア役なので機械の操縦の仕方も全部覚えてやっていました。覚えることがたくさんあって苦労はしましたが、そこまでリアルに作ってくれたセットで演技ができる役者としての喜び、醍醐味も感じました。

――監督の「とにかくリアルに」というこだわりは俳優陣にも求められましたか?

真田:はい。監督は俳優に対しても一貫してそれをしていましたね。「大作ではありますけどハリウッドのエンターテイメントにはしたくない」と言っていました。こういう題材ですから(観客に)信じてもらえなければ何の恐怖も生まれない、とにかくリアルさを追求するというのが監督の意向だったので、演技に関しても「余計なことをするな、演技をとにかくするな、セリフを言うな」というのがお題でした。でも、俳優の性でどうしてもやりたくなっちゃうんですよね。妙なサービス精神で誇張してみたりとか。そのテクニックとか、芝居が見えたとたんに監督に「NO! とにかくその役になって生活しててくれればこっちが勝手に切り取るから」と言われました。

俳優だけではなくスタッフにも同じことを言っていて、俳優を宙に浮かせるワイヤーを操るスタッフ達もスタントマン達も一生懸命タイミングを合わせて、一瞬でも重力を感じたら「NO!」、何十テイクかかっても納得がいくまでやり続ける。それもまた嬉しかったです。これだけCGが発達した時代に演技やアクションのタイミングをとにかく合わせて苦労しながら撮影する。そのおかげで、早い段階でチームワークが出来てきて、連帯感といいますか、苦楽を共にしている感じがそのままISSで過ごしている6人の空気感につながったんじゃないかなと思います。

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記者:

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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