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「失敗」を引きずることほど、ムダなことはない――マンガ『インベスターZ』に学ぶビジネス

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「失敗」を引きずることほど、ムダなことはない――マンガ『インベスターZ』に学ぶビジネス

『プロフェッショナルサラリーマン(プレジデント社、小学館文庫)』『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」(日本経済新聞出版社)』等のベストセラー著者である俣野成敏さんに、ビジネスの視点で名作マンガを解説いただくコーナー。今回は、三田紀房先生の『インベスターZ』の第3回目です。

『インベスターZ』から学ぶ!【本日の一言】

こんにちは。俣野成敏です。

名作マンガは、読むリラックスタイムですら学びの時間に変えることができます。私が強くお勧めする選りすぐりのマンガの名シーンの1コマを解説することで、より多くの方に名作の良さを知っていただけたら幸いです。

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©三田紀房/コルク

【本日の一言】

「過去は忘れる!これが投資家であるための絶対条件だ」

(『インベスターZ』第2巻credit.10より)

大人気マンガの『インベスターZ』より。創立130年の超進学校・道塾学園にトップで入学した主人公・財前孝史は、各学年の成績トップで構成される秘密の部活「投資部」に入部します。そこでは学校の資産3000億円を6名で運用し、年8%以上の利回りを上げることによって学費を無料にする、という極秘の任務が課されているのでした。

投資家としての資質を見極めるゲームとは

初めての投資で利益を出した財前は、ご褒美に先輩たちからラーメンをおごってもらえることになりました。ところがその前に、先輩が指定した映画を一人で見るよう指示されます。わけもわからないまま代金を支払い、映画館に入る財前。しかしその映画は、まったく面白くないものでした。

仕方なく映画を観ていた財前ですが、ついに「時間のムダだ」と判断し、席を立ちます。外には先輩が待ち構えていて、時計を確認したところ、21分が経っていました。

実は、これは「新人がつまらない映画から何分で出てこられるか?」を先輩たちが当てるという、投資部恒例のゲームでした。「これによって投資家としての資質がわかる」とキャプテンの神代が財前に告げているのが上の場面です。

大事なのは「元を取ることじゃない」

他愛のない話のようでいて、実はここにはビジネスにも共通する重要な考え方が隠されています。それが投資で言うところの「損切り」です。

一般に、人は「お金を出した以上は元を取らないといけない」とか「ここまで時間とお金を使ったのにもったいない」と考え、ムダとわかっている作業も惰性で続けてしまうことがあります。しかし、総体的に見た場合、それまで支払ったコストよりも、その作業を途中で打ち切った方が、結局は安く済む場合があります。少し専門的な言葉では、これをサンクコスト(埋没費用)と言います。

たとえば本を隅から隅まで読む、といった行為がそれに当たります。本を読めば当然、自分の時間を使うことになります。本を全部読むという行為に価値があるのではなく、それで得られる価値に焦点をあてるのです。巷に出回る速読も、要はそこを研ぎ澄ます技術です。

ビジネスパーソンの発する「忙しい」という言葉自体には価値がないのと同じことですね。

「どんな行動からも学びを得る」

私の経験則から言っても、15分間観ても面白くない映画が、その後、急展開して面白くなることはほぼありません。

私も映画が好きで月に10本くらいは観ます(最近はネットの見放題サービスが大半です)が、最初の15分間で面白くないと感じたものをそのまま観続けることはありません。たとえ途中で出ることになっても、少なくとも映画館に入ることによって「この映画は面白くない」ということがわかったわけですから、払ったお金もまったくムダになったとは言えないのではないでしょうか。

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©三田紀房/コルク

失敗よりも怖いのは「チャンスを失うこと」

どんな人でも失敗するのは怖いものです。けれど本当に怖いのは、行動しないことによるチャンスロスの方です。もちろん、行動する際は、ある程度の勝算をもって行動すべきなのは言うまでもありませんが。

「これだ」と思った時は失敗を怖れず行動し、失敗した場合は早めに受け入れ、軌道修正をすること。それが投資の「損切り」に当たります。

大事なことは「今、目の前にあることに集中する」ことです。脳が一度に考えられることには限度があり、過去のことにいつまでもとらわれていては、その分、自分の本領が発揮できなくなります。実はそれこそがもっとも怖れるべきことであり、キャプテンの言う「過去は忘れろ」という言葉の意味なのです。

俣野成敏(またの・なるとし)

大学卒業後、シチズン時計(株)入社。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。31歳でアウトレット流通を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)と『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に12万部を超えるベストセラーに。近著では『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』が11刷となっている。著作累計は34万部超。2012年に独立後は、ビジネスオーナーや投資家としての活動の傍ら、私塾『プロ研』を創設。マネースクール等を主宰する。メディア掲載実績多数。『ZUU online』『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも寄稿している。『まぐまぐ大賞2016』で1位(MONEY VOICE賞)を受賞。一般社団法人日本IFP協会金融教育顧問。

俣野成敏 公式サイト

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