ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう
「ジャスティス・リーグ」特集サイト

LAMP IN TERREN、Vo.松本が葛藤を抜けた先に見えた光を体現したツアー「in"fantasia"」フィナーレ

DATE:
  • ガジェット通信 GetNewsを≫
LAMP IN TERREN、Vo.松本が葛藤を抜けた先に見えた光を体現したツアー「in"fantasia"」フィナーレ

LAMP IN TERRENが、全国ツアー「in”fantasia”」のファイナル公演を6月30日、東京・リキッドルームで開催した。

<ライブレポート>
LAMP IN TERRENの全国ツアー「in”fantasia”」9夜目、ファイナル公演となる6月30日東京・リキッドルームは最高のムードで幕を開けた。「fantasiaへようこそ!」松本 大がそう言ってオーディエンスを歓待すると、それに対してフロアから大きな声が返る。バンドは好調そうだ。

しかしその高揚したムードはライヴが進むにつれて少しずつ変容していく。テレンの「fantasia」は松本が大きな葛藤を抱え込み、自らの内面に向かいながら、バンドとともに闘い抜いた作品だった。だから「at (liberty)」、あるいは「innocence」……アルバムからの楽曲が重なるごとに演奏はハードネスを増し、会場の空気はシリアスさを高めていく。もっともそれは4人が同じ方向を向いている証でもあった。一昨年からギターの大屋真太郎が加わって以降のテレンは時を経るごとにパフォーマンス力を上げていて、歌と音とがいっそうの化学反応を見せるようになっている。

そしてこのツアーでのテレンの演奏は苦みをかみしめるような感覚が強く、それは松本が心に負ったキズの深さを感じさせた。アルバムのリリース時、彼は自身のそうした葛藤について語ることが多かったものだ。曲作りの際に幾度も直面した自信のなさ、あるいは自分という人間の弱さ。僕のインタビューに対しても彼は「どうせ不安になるんだったら……死にたくなるぐらい考えてみようと思って。音楽自体を辞めようと思った時期もあるし」と語ってくれている(『音楽と人』2017年5月号掲載)。

思えばテレンは、周囲となじむことができなかった10代の頃の松本が、外の世界とつながるための起死回生の一手として始めたバンドだった。それは故郷の長崎から東京に舞台を移し、メンバーや仲間を得ながら、10年という時間をかけて現在に至っているのだが……それによって彼個人の内側にある孤独や不安が解消されたわけではなかった、ということではないだろうか。むしろ、ずっと見ないようにしてきたその空虚さや重たさに向かうしかなかったのが「fantasia」が生まれるまでに要した1年9ヵ月だったはずだ。

そんな松本はライヴ中、目の前の観客に向けて、感謝の思いを口にした。何度も、何度も。「<こんな自分が音楽やってていいわけない>と思う時もありました。でも、俺が唄う意味はきっとあると信じてやろうと思います。何で音楽続けようと思ったかというと、ほかでもない、みなさんが音楽を聴いてくれて、必要としてくれてるからです」

かつてのテレンはライヴで客を煽るようなことはまったくしなかった。それが今夜の松本は、たとえば「オフコース」では足踏みと手拍子を求め、「不死身と七不思議」ではハンドウェーヴを促すなど、自分のほうから一体感を作ろうとしていた。それはナチュラルな変化というより、切実さの表れのように見えた。

アルバム「fantasia」は、日常や現実から逃れ、音楽で救われることがテーマになっている。そしてそれによって救済されるのはリスナーのみならず、むしろ松本自身でもあったのではないかと思う。弱い自分を必要としてくれる誰かの存在。そこで鳴る音楽の尊い響き。<この世の微かな光>と言うバンド名は自分たちがそういう存在になれればという思いに端を発しているが、そんな彼自身に光を見せようとしているのがまた音楽ではないだろうか。

そしてこうした葛藤から生まれたのは、間違いなくこの4人でしか鳴らせない音だった。とくに今宵の「緑閃光」は、まさにひと筋の光のような輝きを見せてくれた。クライマックスに近づくにつれてパフォーマンスの開放感を高めていく彼らを見ながら、見ているこちらもさまざまな感慨を抱いてしまう。ステージには、現実と闘いながら強くなろうとしている彼らがいたのだ。

「このライヴでやりたいこと、唄いたいことが、たくさん見つかりました」ダブルアンコールでの松本による弾き語りの「L-R」まで、終わってみれば2時間半近くというランニングタイムは、おそらくこのバンドにとって最長だったはず。今の……いや、今までのテレンを出しきった、そんな印象のライヴだった。まったく松本は不安屋で気弱で、面倒くさい奴だ。でも、どうにかこうにかしながらも誰かとつながって生きて、そこで光を見せていきたい。不器用なくせに!そんな彼とバンドの根っこがむき出しになったツアーになってのではないかと思う。

9月から11月にかけては「FOR TRUTH」と名づけられた対バンツアーが全国13ヵ所で行われることが発表された。果たして「fantasia」とそのツアーをくぐり抜けたテレンは次にどんな姿を見せてくれるのか?彼らのキャラバンの次なる旅を楽しみにしている。

Photo by 浜野カズシ

6月30日 LAMP IN TERREN ONE MAN TOUR 「in “fantasia”」セットリスト
1.涙星群の夜
2.ランデヴー
3.Sleep Heroism
4.at (liberty)
5.innocence
6.雨中のきらめき
7.とある木洩れ陽より
8.オフコース
9.不死身と七不思議
10.pellucid
11.heaertbeat
12.緑閃光
13.キャラバン
14.林檎の理
15.ワンダーランド
16.地球儀
en1.multiverse
en2.eve
w en L-R(弾き語り)

関連リンク

LAMP IN TERREN オフィシャルサイトhttp://www.lampinterren.com/

カテゴリー : エンタメ タグ :
Musicman-NETの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。