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仕事=生きがい“じゃない”人生だってアリ─バンドで自己実現するエンジニア人生

仕事とバンド活動の両立で自己実現

現在、河内氏はフリーランスエンジニアとして週5日で働きながら、バンドを両立させる生活を行っている。

フリーランスになったのは、昨年の2016年5月。働き方は、基本平日朝10時から19時までクライアントの開発現場で働き、合間の時間でバンドの練習を行うというもの。

河内氏にとってのバンドは、“自己実現の場”であり、人が言う「趣味」の域を超えた意味がある。昨年フリーランスになるまで、河内さんは3社の会社で正社員として就業していた。

10年の会社員人生は楽しいこと、苦しいこと、どちらもあったが、自分が納得できる働き方はコレではないと気付くことができた。特に、実感したのは3社目の大手ポータルサイト会社での経験だった。

河内真吾氏
大阪のソフトウェア開発会社のシステムエンジニアとしてキャリアをスタート。その後スキルチェンジを求めて東京へ転居・転職。文化の違う企業をいくつか経験し、会社を通してではなく自分の好きなことで自己実現をしようと想い、2015年フリーランスになる。現在は開発業務と趣味のバンド活動を両立し、ワークライフバランスを重視した働き方を実践。

認められていながら、自分の意思と会社の意向は食い違う

この企業ではソーシャルアプリの立ち上げを行い、プログラミングだけでなく事業へどう貢献すべきか、など新しい視点が必要になった。

その過程で事業目線を持つビジネスの楽しさを学べ、同時に社内での評価もついてくる。したがって、昇格もでき、裁量権も増えていった。

しかし、河内氏はある違和感を拭えずにいた。立場や年収が上がるたび個人としての発言が許されなくなるような窮屈さを、徐々に感じるようになっていった。

「ある程度の経験や年収がある社員には、個人としての意思より会社の意向を大切にすべきだと求める会社の空気を感じました。これまで頑張ってきたのだからと主張をすると『与えてもらったその立場で、その発言なのか?』と返されてしまうこともあり、そのときはショックでしたね」

もともと、河内氏は組織の中でやりがいを感じられないタイプだったわけでなく、極めてポジティブに仕事に取り組むタイプだった。

「1日で大半の時間は仕事をして過ごしますよね。それなら、自分でも良いと思える時間、楽しい時間にしたいと思いました。自分が楽しいと思えるのは、会社に貢献することで会社から評価される、大切にされることだと思ったので、いかに貢献できるか、評価されるかというポイントに対して、とてもがむしゃらに頑張っていました」

その結果としての評価が、昇格や裁量権だったわけだが、それが河内氏を苦しめてしまう結果になった。

その背景には、仕事の時間を楽しくしようとしたがゆえに、“会社での評価”=“自己実現”だと無理にリンクさせてしまったことがあった。

この違和感を解消しようと、比較的昇格や裁量権の枠組みに捕らわれないベンチャー企業に転職したが、今度は社風があわなかった。これが、いよいよ自分の価値観を見つめなおす機会になった。

どんなワークスタイル、どんなライフスタイルが自分の最も納得できる道なのか。

その結果、選択した方法が“フリーランスとして働き、仕事はあくまで生活手段として。自由になる時間を自分が一番楽しいと思えるバンドに費やそう”というものだった。

思いっきり自己を開放・表現することが何より楽しい

河内氏は昔から歌うことが好きで、J-POPアーティスト曲をよく聴いていた。特にMr.Childrenのファンだった。

「高校生の頃に、スーパーカー、ナンバーガール、くるり、中村一義など、97年世代の音楽にハマって、自分でもバンドをやりたいとギターを初めて買いました。当時はライブにもよく行ってましたね。職で上京後アマチュアバンド結成をして活動しているんですが、今も97年世代のアーティストの影響を強く受けているんです」

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