体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

GASTUNKの『DEAD SONG』に宿る先見の明

7月2日、東京・新木場STUDIO COASTでライヴイベント『FUUDOBRAIN MUST DIE』が開催される。これは高円寺にあるショップ“FUUDOBRAIN”のオープン20周年を記念して行なわれるもので、氣志團、OLEDICKFOGGYら同ショップと縁のあるアーティストが参加するが、何と彼らと並んでアナーキーとGASTUNKが復活し、それぞれイベントの大トリ、トリを飾る。ともに日本ロック史にその名を残す伝説的バンド。アナーキーはそのデビュー作を数年前に取り上げているので、今回はGASTUNKの名盤を紹介する。そこには現在のビジュアル系やラウド系にも通じる彼らの先見性があった。
『DEAD SONG』(’85)/GASTUNK (okmusic UP's)
インディーズシーンを創成したバンドのひとつ

GASTUNK、復活。しかも、一夜限りの再結成とかではなく、BAKI(Vo)、TATSU(Gu)、BABY(Ba)、PAZZ(Dr)という黄金のメンバーで今後も活動をしていくということで、先日、往年のファンたちはスワッと色めき立った。そのニュースはSNSでどんどん拡散されていったが、いいね!やリツイートした人の中には同業者=アーティスト、ミュージシャンも多く見受けられて、GASTUNKがその後の邦楽ロックシーンに与えた影響が決して小さくなかったことを実感させられたと同時に、“みんな、GASTUNKが好きなんだなぁ”と思う。1988年の解散後、1999年にGASTUNK のことが好きだったという故・HIDE(X JAPAN)追悼のため、2006年の新宿LOFT30周年記念イベントに参加、さらには2010年にも、何度か再結成しているものの、10~20代のリスナーにとってはおそらく馴染みの薄いバンド名ではなかろうか。だが、X JAPAN、L’Arc〜en〜Ciel、黒夢といった所謂ビジュアル系バンド、さらにはそのビジュアル系の元祖とも言えるDEAD ENDまでもがその影響を公言して憚らない、レジェンドにとってのレジェンドと言っていいバンドである。
GASTUNKの結成は1983年。ザ・スターリンのエキセントリックなライヴパフォーマンスが巷で話題になったのが1981~82年頃なので、アンダーグラウンドで活躍するパンク、ハードコアバンドがそれほど珍しくなくなりつつあった時期にバンドは立ち上がった。首謀者はBABY。ハードコアパンクバンドだったTHE EXECUTEを脱退しての新バンド結成だったが、後に同じくTHE EXECUTEを脱退したBAKIが参加。また、それと同じ年の1984年にTASTUも加わり、流動的だったメンバーが固定したことでその活動を本格化させていった。その翌年1985年、GASTUNKにとって…と言うよりも、日本のロックバンドにとっての一大転機が訪れる。NHKで『インディーズの襲来』と題されたドキュメンタリー番組が放送され、雑誌『宝島』主催によるイベント『キャプテン・レーベル発足記念ギグ 好きよ!!キャプテン』、通称“アルタ前ギグ”が行なわれたのがこの年だ。それぞれについて語ると長くなるので、YouTubeとかにその映像があるので恐縮ながらそこで調べていただきたいが、簡単に言うと、それまで“アンダーグラウンド”と呼ばれていた音楽シーンが“インディーズ”と名称を変えたのがこの年である。もっと言うと、今は普通になっている“メジャーではない音楽が存在すること”を、一部好事家以外の一般の音楽ファンも知ることになったのが1985年からだ。
このインディーズブームにおいてはLAUGHIN’ NOSE、THE WILLARD、有頂天の所謂“インディーズ御三家”が有名になったが、GASTUNKも件の番組、イベントに出演しており、その名を全国へと広める大きなきっかけになった。この年に1stシングル「GASTUNK」、そして1stアルバム『DEAD SONG』も発表しており、露出するにこの上ないタイミングでもあっただろう。本コラムではGASTUNKのデビュー作と言える、この『DEAD SONG』を解説しようと思う。初期はハードコアパンクと言われ、メジャーデビューしてからはヘヴィメタルと言われていた彼らのサウンドだが、今回『DEAD SONG』を聴き直してみて、そのどちらとも言えない、意欲的なサウンドアプローチをしていたバンドであることが改めて分かった。後にフォロワーを生んだことも十分にうなずけるだけのオリジナリティーがちゃんとそこにあったのである。以下、その特徴を、楽曲を示しながら紐解いていこう。
メロディーとバンドアンサンブルの妙味との調和

1 2 3次のページ
エンタメ
OKMusicの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。
GetNews girl / GetNews boy

オスカー2018年晴れ着撮影会