島の母たちが作る「よろずストアー」の弁当が安くてウマい【石垣島】

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早朝から夜までお客さんが途切れないお店

こんにちは、石垣島出身のメシ通レポーター・泡です。

旅先でその土地ならではのスーパーや市場に行くのが好きな方は多いと思います。

観光地にはない、リアルな暮らしに触れてみるのも旅の醍醐味(だいごみ)の1つですよね。

今回は、「弁当」を通してぜひそれを体験してみていただきたく。

近年、飲食店やコンビニが急増した石垣島ですが、よろず屋的なスーパーというか商店では昔からずっと島人の胃袋を支えてきた「弁当」が変わらず売られているのです。

これが島の家庭の味をそのまま詰め込んだようなもので、実に土地色が濃厚なんですよ。

中でも私がおすすめしたいのは、市街地近くにある「よろずストアー」の弁当。

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市街地の拠点となる離島ターミナルからバイパス道路を東へ向かい、左手に「アイン薬局」が見える交差点を左折してください。

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そして1筋目を右折。奥に見える白い建物は「八重山商工高等学校」、通称・商工。この学校のグラウンドの南側にお店があります。

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お店の横には駐車場も完備。バスでは不便な立地なので、レンタカーやタクシーでの訪問をおすすめしたいです。

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店内には食品や飲み物、生活雑貨などが並んでいますが、目を引くのはやはり弁当コーナー。3段の棚にみっちりと並んだ弁当たち。

何種類あるんだ、いったい……。

「種類がどれだけあるかはわからんよ~。メインのおかずが同じでも副菜を変えたりしてるから、数えきれんサー」とニコニコ答えてくれたのは、店主の金城さん。

29年前にこのお店を始め、今も早朝からスタッフとともに厨房に立って弁当を作り続けています。

「スタッフはみんな島のお母さんたち。うちのお店のレシピというのはなくて、それぞれに任せて作ってもらってるから1つの弁当にあちこちの家庭の味が詰まってるわけさ。同じゴーヤチャンプルーでもみんなちょっとずつ味が違うねぇ」

おお、なんともぜいたくな話ではありませんか。

郷土料理のお店へ行けばきれいに整った料理はそろっていますが、リアルな家庭の味というのはなかなかありつけないもの。それが気軽かつ手頃に楽しめるなんて、弁当侮るべからず、です。

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ベテランスタッフの康子さんと談笑しながら次々とおかずを仕上げていく金城さん(奥)。

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厨房は30年近く使い込まれているとは思えないほどぴっかぴかです。

奥に見えるのは、ガス火炊きの3升炊飯器。

「やっぱりガスで炊くのがおいしいよ。それにうちはお米にはこだわっていてコシヒカリを使っているからね。『ご飯がおいしい!』っていってリピーターになってくれる人も多いさぁ」

開店は朝の6時!

7時前後、出勤前に朝食を買いに来る人たちで第一弾の波がきます。次々と車がやってきて、手慣れた様子で“いつもの”を買って行く島人たち。男性が多いようですが、中には若い女性もちらほら。

いったん混雑がおさまると、ランチタイムに向けて弁当作りにスパートがかかります。

次々と並んで行く弁当。

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もっとも安い弁当は300円(手前)!

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ケースに入った分は、昼時になると店頭に持ち出してそこで対面販売に。

「お店の中には入れないほどいっぱいになるからヨー」とのこと。

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ご飯ナシのおかずパックは、主婦の方に人気だそう。

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1番豪華な弁当でも500円という価格設定が泣かせます。

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揚げ物大好きな沖縄人。弁当にプラスαしたり、おにぎりと組み合わせて買ったりします。

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おにぎりと揚げ物がセットになったものはより手軽で、こちらも人気。ビニール袋入りなので手を汚さずぱくっと食べられるのが便利なんですよね。

精鋭たちをじっくりとご紹介!

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▲300円弁当

彩りよく、いろんなおかずがひと口ずつ詰められた女性好みの弁当。

焼き魚の部分がエビフライになったり、ひじきが炒めものになったりとバリエーションがいろいろとそろうので、ぜひ1つずつ手にとって好みのものを探してみてください。

私はこの弁当をアテにビールを飲むのが好きです。

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▲ミニカツ丼 350円

沖縄のカツ丼は、玉ネギだけでなくいろいろな野菜を炒めたものをカツと一緒に卵とじにするのが特徴。ここでもニンジンが入っています。甘めの味付けがおうちの味っぽくてイイ!

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▲タコライス風オリジナル丼 350円

ミニ丼やオムライスなどの350円シリーズは、予算に限りのある高校生のために展開しているのだそう。この丼も、ミンチ肉をカレー風味に味付けして半熟目玉焼きをオンするなど若者好みのレシピ。なれど、おばちゃんが食べてもおいしかったです。

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▲ポークたまご弁当 450円

ポーク(スパムなどの加工肉)は沖縄の家庭には欠かせない常備品。

卵焼きと合わせた「ポークたまご」は島人のソウルフードの1つといってもいいでしょう。それをメインに、ご飯の上にもひと口ずつおかずをのせているのがいかにもオカンの気遣いっぽくて、ありがたくうれしいことであります。

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▲おにぎりセット 230円、チキンドラム(大) 200円

おにぎり2個と揚げ物がセットになったものは小腹満たし(?)にちょうどいい。

写真は「ジューシー」という沖縄風の炊き込みご飯。豚のコクが加わった食べごたえのあるご飯です。よろずさんのは味付けが上品!

このタイプのチキンも沖縄人の大好物。スーパーのお総菜コーナーには必ずあるんじゃないかしら。ジャンキーなものを欲している日に、ぜひ。

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▲ゴーヤちゃんぷる弁当 450円

これまた家庭料理の王道。ほろ苦いゴーヤと島豆腐の組み合わせは、沖縄の暑い夏を乗り切るのに欠かせないエネルギー源です。優しい味の自家製マカロニサラダやミニ揚げ物がいい脇役。

「メインが野菜系の時は物足りなくないように揚げ物を添えて、メインが揚げ物なら副菜には野菜を合わせるようにしてるよ」と金城さん。ああ、これも母の愛。

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▲豚トロ弁当 500円

かむほどにじゅわっとうま味が出る豚トロの炒めものは、ご飯に限りなく合います。

最高級の500円弁当は、このほかにハンバーグ、エビフライ、チキン南蛮、トンカツなど。どれも十分なボリュームがあります。

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昼時の店内は高校生と社会人が入り乱れて満員電車のよう。

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店頭の即席販売コーナーもあっという間に人だかりが。

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「オムライスが好きです」という高校生。近くて気軽で種類豊富なのがうれしいとのこと。

「かき氷もおいしいんですよー」と聞き、それもチェックせねばと決意。

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正午を過ぎた頃には店内の棚はこの有様。

この後、昼時がずれた人のために再度弁当を補充すると夕方から夜まで途切れなくお客さんがやってくるのだそう。

さて、夕方。女子高生おすすめのかき氷を求めて再度立ち寄りました。

「よろずストアー」には金城さんの娘さんご夫妻が営む「よろずパーラー」が併設されています。かき氷、沖縄風ぜんざい、たいやきなどのおやつはこちらで。

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▲かきごおり 各150円

写真のメロン、マンゴー、ブルーハワイ、いちごのほか、シークヮーサーやエメラルドパインといったトロピカルなフレーバーも。練乳の無料サービスあり。

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▲沖縄ぜんざい 300円

沖縄でぜんざいといえば、甘く煮た豆にかき氷をのせたもの。

こちらでは黒糖を使って上品な味に仕上げた豆がたっぷりと入っています。これも練乳サービスあり。

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▲たいやき 1個 120円~

なんとパイ生地を使っているので食感サクサク!

つぶあん、チョコ、カスタード、ハムチーズ、ハムクリームチーズとそろっています。

ハイカラなたいやきがおやつになる現代の高校生がうらやましい。

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部活帰りにお店の前で並んで休憩している高校生たち。

まぶしい、まぶしいよその無邪気な姿が。

彼女たちもいつか島を離れる日が来ることでしょう。

1人暮らしを始めてコンビニやチェーン店の弁当を食べたらきっと思い出すはず。このハートフルな「よろずの弁当」の味を。

当たり前にあったものが当たり前じゃなかったと気づく時、人は少し大人になるのかもしれません。

……と、いい感じにまとめようとしたところでひとつお伝え忘れが。

離島ターミナルからお店に向かう時に薬局の角を左折しましたが、これを反対に右折すると海岸に出ます。

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実はここ、駐車場や休憩スペースのようなものが備え付けられた島人の憩いの場なんです。

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こんな風に、海を眺めながら弁当を味わうと最高ですよー!

ぜひ、お試しください。

お店情報

よろずストアー&よろずパーラー

住所:沖縄県石垣市真栄里204-29

電話番号:0980-83-0574

営業時間:6:00~20:30(パーラーは11:00~20:00)

定休日:日曜日

※本記事は2017年6月の情報です。

※金額はすべて消費税込です。

書いた人:泡☆盛子

泡☆盛子

ライター。沖縄出身、京都在住。京都の水というか食がカラダに合い、40kg肥えたのが自慢。立ち呑みと、おかずケース食堂での昼酒が好き。

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