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デキるデキないの差は「編集力」にあった

「論理的に伝わる文章の書き方」や「好意と信頼を獲得するメールコミュニケーション」等の文章力・コミュニケーション力向上をテーマに執筆・講演活動を行う山口拓朗さん。そんな山口さんに、今回は「ビジネスに必要なスキルである“編集力”」について、その必要性と習得の仕方について解説していただきます。f:id:fujimine:20170623132815j:plain

「編集力」はすべての仕事で求められる必須能力である

「編集力」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか? 書籍や雑誌の編集、あるいは映像や音声の編集などを思い浮かべる人が多いかもしれません。たしかに、編集力はメディアの世界で重要な役割を果たしています。編集力次第で「商品(テレビ番組、映画、新聞、雑誌、書籍、インターネットサイトなど)」の価値が決まるからです。彼らが編集力に磨きをかけるのは当然といえるでしょう。

しかし、編集力は、決してメディア業界に限定して使われる能力ではありません。業種業態を問わず、営業、企画、宣伝、事務、接客、マーケティング、プロモーション、セールス——等々、あらゆる職種で求められるスキルです。

たとえば、会議での発言がうまい人とヘタな人。両者の差は編集力の差ともいえます。発言がうまい人は、把握している情報量が豊富なうえに、目的に応じて情報を適切に取捨選択し、なおかつ、選択した情報をわかりやすく再構成して伝えることを得意としています。この一連のプロセスこそが「情報の編集」にほかなりません。

一方、会議での発言がヘタな人には、「情報の収集量が少ない」「目的に応じた“情報の取捨選択”ができない」「情報をわかりやすく再構成することができない」などの傾向があります。本人は単に「自分は人前で話すのが苦手」と思っているだけかもしれませんが、実はその根っこには“編集力のなさ・低さ”が隠れているかもしれないのです。

情報の編集は「収集→取捨選択→再構成」の3ステップで行われる

ちなみに、編集力は以下の3ステップに分けることができます。

1.情報の収集

2.情報の取捨選択

3.情報の再構成

具体例を紹介しましょう。映像の仕事であれば、以下のようなプロセスで編集が進められていきます。

1.情報の収集:撮影

2.情報の取捨選択:撮影した映像の要不要の見極め(カット作業)

3.情報の再構成:映像の並び替え/映像の加工/BGMやテロップ、ナレーション入れなど

医師であれば、以下のようなプロセスで編集が進められていきます。

1.情報の収集:診察/治療アプローチの勉強

2.情報の取捨選択:診断および治療法の決定

3.情報の再構成:最適な治療を最適な順番で行う(例:手術→投薬→リハビリ)

営業職であれば、以下のようなプロセスで編集が進められていきます。

1.情報の収集:販売する商品の情報を収集/営業先の情報を収集

2.情報の取捨選択:営業先の利益になる商品の選定など

3.情報の再構成:営業先が理解・納得しやすい流れで商品を提案する

一日の仕事のスケジュールをどう組み立てるか。そんなケースでも、その人の編集力が問われます。仮に、今日は13時にA社、17時にB社を訪問しなくてはいけない、とします。編集力が乏しければ、何も考えずに「A社→帰社→B社」という行動を取るでしょう。

一方、編集力がある人は、「帰社する時間がもったいないから、A社とB社の中間地点にあるC社に連絡を入れて、15時にアポをもらおう」と考えたり、「B社の近くのカフェに入って、パソコンで企画書の続きを書こう」「乗り換え駅にある書店で仕事の資料を見つけよう」と考えたりします。彼らは「時間」「場所」「空間」「労力」などを編集しながら仕事をしているのです。

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