『宇宙兄弟』の編集から生まれた“ALS”研究支援

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『宇宙兄弟』の編集から生まれた“ALS”研究支援
J-WAVEで放送中の「〜JK RADIO〜TOKYO UNITED」(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」。6月23日(金)のオンエアでは、小山宙哉さんのマンガ「宇宙兄弟」から生まれた、ALSの治療を進めるための研究費を集めるプロジェクト「せりか基金」をご紹介しました。

ALSは、意識や五感、知能の働きはそのままの状態で筋力の低下を引き起こす疾患で、有効な治療法が確立されておらず、難病に指定されています。その治療法を見つけるための研究開発費を集めるのが「せりか基金」です。プロジェクトのメンバー、黒川久里子さんと小西康高さんにお話を伺いました。

「『宇宙兄弟』の、割と最初の方からALSは出てきます。その頃から、“『宇宙兄弟』がALSのためにできることはないか”というのは、みんなの心の中にありました。2年前に小山宙哉のファンクラブができて、ファンの方が見えるようになると、非常に熱い思いを持っていることとか、夢とか勇気を持って何かに取り組んでいこうとされているのが見えてきて、“もしかしたらファンの方と一緒にプロジェクトをやったらうまくいくところまできているんじゃないか”というのがアイデアの元になっています」(黒川さん、以下同)

「宇宙兄弟」のストーリーの中で、主人公であるムッタとヒビトの兄弟を幼い頃から見守る女性、シャロンはALSを患っています。また、今回の基金の名前になっているせりかは、父親をALSで亡くしています。

マンガを描いた小山宙哉さんのマネージメント、そして編集を手がけてきた株式会社コルクのスタッフ8人はプロジェクトチームを組みました。ALSの患者や家族、ヘルパーなどにとっては「どうやって生きていくのか」「介護はどうするのか」など、目の前の課題解決に追われ、「治療薬ができることが一番の希望だけど、そこまで手が回らない」という声があります。そこで第三者だからこそできることとして、治療研究費を集める活動に注力したのだそうです。

「(ALSについて)アイス・バケツ・チャレンジなどを通して『なんとなく知っているけど、結局、何なんだろう?』という人が多いと思うんです。どういう支援を受けているのか、研究はどこまで進んでいるのか、研究にどのくらいのお金がかかるのか、患者さんが何に困っているのかということを、ほとんどの人は知りません。私たちはメディアとしての発信力も持っているので、取材して宇宙兄弟のサイトで更新していきたいなと思っています」

「宇宙兄弟」のオフィシャルサイトには「せりか基金通信」という連載があります。そこにはALS患者の酒井ひとみさんへのインタビューなどが掲載されています。今後も、さまざまな形で取材を続けていくそう。研究者にとっても、「誰かが待っていてくれる」と勇気がもらえるプロジェクトという反応も多いのだそうです。

小西さんによると、京都大学の研究者は「10年前に比べると、ALSの研究は格段に進んでいる」と話しているとのこと。黒川さんは、「10年後くらいに一緒にお酒を飲みながら、こんな大変な時期もあったよねと言えたらいいな」と酒井さんと話し、治療薬ができ、完治することを夢見ていると言います。マンガ「宇宙兄弟」が思い描いた夢を実現すべく、「せりか基金」の挑戦は始まっています。

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「〜JK RADIO〜TOKYO UNITED」
放送日時:毎週金曜 6時−11時30分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/

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