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「部下のやる気がない…」と嘆く上司に、決定的に“足りないこと”

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『プロフェッショナルサラリーマン(プレジデント社、小学館文庫)』『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」(日本経済新聞出版社)』等のベストセラー著者である俣野成敏さんに、「ビジネスパーソンの仕事への向き合い方」についてお話しいただくこのコーナー。第14回の今回は、「部下のマネジメント」についてです。

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こんにちは。俣野成敏です。

今回は、部下のマネジメントについてのお話をしたいと思います。

「どうすれば部下を動かせるのか?」というテーマは、上司にとっては永遠の課題のようです。仕事のポジションの中でも向き不向きが出やすい分野ですが、どんな仕事にだって基本原則というものは存在します。

難しいと思っている人は、部下に対してボス・マネジメントで圧をかけたり、逆に下手に出てなだめすかしたりしていることが多いのですが、このどちらもうまくいかないのはご承知の通りです。

部下に動いてもらうための目的を決める

まず、上司として「部下にどう動いてもらいたいのか?」というのが明確になっていないと、部下を思うようにマネジメントすることはできません。そのために、最初に考えるべきは下記の3つです。

これに自分なりの答えを出してみてください。

《「部下を動かす」目的を決めるための3つの質問》

何のために部下を動かしたいのか? 部下にどうしてもらいたいのか? それを通じて部下にはどのような姿になってもらいたいか?

1は自分の中で「部下に動いてもらう目的」を決めるということです。それはたとえば「チームの目標を達成したい」「自分の評価を上げたい」など、いろいろあるでしょう1は大目標とでもいうべきものです。

2は1に対して小目標と呼んでもいいかもしれません。こちらはより具体的に、「この研究を部下に担当させたい」とか「この顧客を部下に任せたい」といったことを考えます。

3は、たとえば「ゆくゆくは部下に商品化まで任せたい」とか「新規客を自分一人で獲得できるようになってもらいたい」といったことになります。

「部下を動かす方法」とは意外にシンプル

それでは次に、どうしたら「具体的に部下が動いてくれるのか?」についてお話しましょう。実は、部下を動かすのは思っているよりもずっと簡単です。それは、相手に「仕事をすることによって(その部下が)得られるメリットを伝える」ことです。

会社には、褒賞としての「昇給」「昇進」「臨時賞与」「景品」「表章」「チャンス」「より大きな仕事」などが用意されています。上司はこれらをうまく活用し、部下が動く意義を見出していきます。ここで大事なのは、「相手によって何がメリットになるのかを見極め、それを提示する」ということです。相手が何を求めているのかは、当然、その部下とのやり取りの中から見つけます。

上司によくあるのが、「上司という地位に就けば、部下が自分を上司として見てくれる」という思い込みです。部下は部下で、「上司なんだから、自分よりも仕事ができるだろう」という真逆の思いがあります。この両者の意識のズレがすれ違いを生んでしまい、険悪な間柄になることも少なくありません。

大切なのは、相手に「この仕事をすることは(自分の)メリットだ」と感じてもらえるにはどうすべきなのか、意識を研ぎ澄ませることです。「相手が『魅力的だ』と感じることは何なのか?」「相手に通じる言葉とは何なのか?」と考え、それを伝えることです。当然、言葉だけでは足りませんから、たとえばみんなの前で表彰式を行って刺激してみたり、チーム同士で競わせたり、といった方法を費用対効果の検証をしながら試してみるわけです。

部下をリーダーとして育てたい場合はどうすればいいか

あなたの部下の中には、「ぜひリーダーとして育てたい」という人材もいるのではないでしょうか。ところが、意外に部下自身はそうは思っておらず、「上司の片思い」ということが多々あります。そういう相手に、「君にリーダーになってもらいたい」と言ったところで、部下を困惑させるだけかもしれません。

こういう部下に対して、「上司になるとこんなに楽しい」とか「もっと仕事の幅が広がって、あなたにも良い未来が待っている」と言ったところで通じないでしょう。そういう場合はどうしたらいいのかというと、基本的には部下のほうから「あなたのようになりたい」と思ってもらうしかありません。つまり「自分が憧れの存在になる」ということです。

もしかしたら、あなたは「上司になれば給料も上がるし、大きな仕事もできる。なぜ部下はそこを目指さないのだろう?」と思っているかもしれません。けれど部下によっては、現場の仕事を楽しいと感じていたり、他人を動かすことに魅力を感じない人もいます。特に、高い理想を持っている上司ほど、相手構わず自分の理想を語ってしまいがちです。「自分の理想と他人の理想は違う」という点に、注意すべきでしょう。

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やる気のない部下がいる時こそチャンス

現実には、「目的を決めるための3つの質問」を事前に考えていない上司がほとんどかもしれません。そういう人は、ただ「目の前に仕事があり、部下がいるから、単にそれを振っているだけ」というのが現状です。だから、たいていの部下にとって、仕事が「やらされ仕事」になってしまうのではないでしょうか。

もちろん、何も言わなくてもやってくれる部下もいるでしょうが、それは部下自身が高い志を持っているからです。残念ながら、そういう人は多くはありません。もし、「自分の部下が、みんな高い士気を持っていればいいのに」と願っているようでは、いつまで経っても自分の上司としてのマネジメント能力は向上しません。逆説的に言うなら、「やる気のない部下ほど、自分を成長させてくれる人はいない」のです。

もし今、あなたの部下の中に、やる気のない人がいるのであれば、それこそチャンスです。ぜひ、「どうしたらこの部下が動いてくれるのか?」と考えてみていただきたいと思います。

部下に仕事を渡す前に自問自答すべき3つの質問

では次に、いよいよ部下に仕事を渡すかどうかを決める前に考えていただきたい3つの質問です。

《仕事を渡す前に考えるべき3つの質問》

仕事を任せるとしたら、どこまでできそうか? 任せられない部分があるとしたら、その理由は何か? 任せられない部分はどうするか?(自分がやるか別の部下に任せるか?)

これは、私自身が仕事を渡す際に常に頭の中で考えていることでもありますが、社内のマネジメントのみならず、社外に仕事を渡す際にもとても有効なフレームワークですので、ぜひ参考にしてみてください。

仕事を渡してみた結果によって3通りの対応がある

では、最後に実際に、仕事を渡してみた結果をどう受け止めるかの話をして、今回のコラムを締めくくりたいと思います。

仕事の戻り状況を鑑みて、その後の取り組み方は必ず変えていかなければなりません。ここをいい加減にやってしまうと部下のマネジメントの軌道が逸れていき、確実に苦労のループに陥ることになるでしょう。

平凡なマネジャーで終わらないためにも、「これができそうだな」と思ったものを少しずつ渡していきながら、渡してみた結果で3通りの方法で次に繋げていただければと思います。

《仕事の結果を鑑みてとるべき3つの方向》

予想よりダメな結果だったら、再教育をする。 予想通りだったら、その仕事は安心して任せる。 予想以上だったら、もう少し負荷をかけてみる。

大原則は、煎じ詰めると得てしてシンプルなものです。ぜひ皆さんのマネジメント現場でも試してみてください。

今回の話をもう少し詳しくお知りになりたい方は、拙著「わりきりマネジメント」(扶桑社)をご一読ください。きっとあなたのお役に立てると思います。

俣野成敏(またの・なるとし)

大学卒業後、シチズン時計(株)入社。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。31歳でアウトレット流通を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)と『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に12万部を超えるベストセラーに。近著では『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』が11刷となっている。著作累計は34万部超。2012年に独立後は、ビジネスオーナーや投資家としての活動の傍ら、私塾『プロ研』を創設。マネースクール等を主宰する。メディア掲載実績多数。『ZUU online』『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも寄稿している。『まぐまぐ大賞2016』で1位(MONEY VOICE賞)を受賞。一般社団法人日本IFP協会金融教育顧問。

俣野成敏 公式サイト

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