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「自分の中に法則を持て!」――マンガ『インベスターZ』に学ぶビジネス

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「自分の中に法則を持て!」――マンガ『インベスターZ』に学ぶビジネス

『プロフェッショナルサラリーマン(プレジデント社、小学館文庫)』『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」(日本経済新聞出版社)』等のベストセラー著者である俣野成敏さんに、ビジネスの視点で名作マンガを解説いただくコーナー。今回は、三田紀房先生の『インベスターZ』の第2回目です。

『インベスターZ』から学ぶ!【本日の一言】

こんにちは。俣野成敏です。

名作マンガは、読むリラックスタイムですら学びの時間に変えることができます。私が強くお勧めする選りすぐりのマンガの名シーンの1コマを解説することで、より多くの方に名作の良さを知っていただけたら幸いです。

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©三田紀房/コルク

【本日の一言】

「自分の上に法則を置け。法則こそが神!」

(『インベスターZ』第2巻credit.8より)

大人気マンガの『インベスターZ』より。創立130年の超進学校・道塾学園にトップで入学した主人公・財前孝史は、各学年の成績トップで構成される秘密の部活「投資部」に入部します。そこでは学校の資産3000億円を6名で運用し、年8%以上の利回りを上げることによって学費を無料にする、という極秘の任務が課されているのでした。

上がっても下がっても売ることができない

投資部に入部することになった財前は、いきなり同部キャプテンの神代(かみしろ)から「100億円を運用しろ」と言われます。神代に「投資に必要なのはカンと度胸だ」と告げられ、財前は30億円をゲームメーカーのゲーキチに投じることを決定。素人とは思えない大胆な行動が、先輩たちを驚かせます。

財前の読みが当たり、ゲーキチの株価は上昇。キャプテンより「株価が10%以上上がったら売るよう」指示されますが、ゲーキチに個人的な思い入れのあった財前は売るのを渋ります。その時、神代が財前に言った言葉が上記マンガの場面です。

その後、株価はさらに上がり、利益は約4億円に膨れ上がります。ところが「もっと上がるかも」と欲が出た財前が売らないでいるうちに、株価は一転して下落。「もとに戻らないか」という祈りも虚しく、とうとう株価は買った値段を割ってしまいました。

このように、株価が購入時の値段を割ってしまい、売るに売れなくなることを俗に「塩漬け」と言います。ゲーキチ株が塩漬けになったと思い、慰める先輩たちを前に、なんと財前は損失が出る前にゲーキチ株を売り払ったことを報告。株価が下がり続ける中で決断し、約8000万円の時点で利益確定をしていたのでした。

人は感情的になると判断を間違えやすい

この場面は、投資家が陥りがちな心理を巧みに描いています。投資家は、値上がりすればさらに値上がりを期待して売るタイミングを逃し、下がれば損をした気持ちになって、やはり売れなくなります。これが投資でよくある失敗パターンです。

こうならないためには、あらかじめ自分の中で法則を決めておくことが大切です。投資部のキャプテンが言っている「感情を捨てろ」「法則に従え」という言葉がまさにそれです。人は判断する際に、感情が入ってしまうとミスジャッジをしやすくなります。

知っておきたい事業化の基本3条件

実はこれは、投資に限らずビジネスにも当てはまります。たとえば、多くの人は独立起業をする際に、「ラーメンが好きだからラーメン屋をやろう」といった、思いつきで自社の取扱商品を選びがちです。しかし、これは事業が上手くいくかどうかの根拠にはなりません。たいてい、自分の好きなことの中に自分の強みはないことも多く、むしろ好きなものが嫌いになってしまうリスクすらあるのです。

だから、私は自分のクライアントには「自分が好きかどうか?」は二の次三の次にしておくように繰り返し提言しています。

参考までに、私が新規事業を検討する際の法則について書いておきます。

<事業化の基本3条件>

市場性がある 強みが生きる 競合に勝てる

非常にシンプルですが、これらを無視して事業展開をすることはできません。この3つのどれかではなく、この3条件すべてに根拠が必要です。

自分の中に法則を持て!

「法則に従え」というのは、前提条件として「あらかじめ法則をつくっておく必要がある」ことを意味します。法則がなければ、そもそも従うことができません。ぶれない人はその場の感情では動かずに、経験則に基づくルールに従っています。そのルールの有効性は常に意識して改善はするにせよ、そのルールを無視することはありません。そのために必要となるのが、勉強や経験です。このようにして、考えるべき範囲が狭まることで、その都度あれこれ考えなくてはいけない人と圧倒的な差をつけることができるのです。

たとえば、ビジネスでの交渉だとしたら、「取引先以外にも代替えがあるなら相見積もりをする」とか、「費用対効果がこの条件を満たすまで契約しない」というようなルールです。相手の人柄を見てしまうと、つい価格交渉などはしづらくなりますが、自社の資金を有効活用しない限り、事業を続けることができないですし、ビジネスは最初の取り決めが後々まで尾を引きます。

あなたもぜひ、「自分の中の法則とは何か?」と考え、それを少しずつ増やしていってください。それでは、今回はこの辺で。

マンガ「インベスターZ」の続きも、ぜひお読みになってみてくださいね!

俣野成敏(またの・なるとし)

大学卒業後、シチズン時計(株)入社。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。31歳でアウトレット流通を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)と『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に12万部を超えるベストセラーに。近著では『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』が11刷となっている。著作累計は34万部超。2012年に独立後は、ビジネスオーナーや投資家としての活動の傍ら、私塾『プロ研』を創設。マネースクール等を主宰する。メディア掲載実績多数。『ZUU online』『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも寄稿している。『まぐまぐ大賞2016』で1位(MONEY VOICE賞)を受賞。一般社団法人日本IFP協会金融教育顧問。

俣野成敏 公式サイト

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