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ジャズやクラシックをベースにしたピアノトリオm.s.t.、JZ Bratでリリースライブを開催

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ジャズやクラシックをベースにしたピアノトリオm.s.t.、JZ Bratでリリースライブを開催

ピアノの持山翔子とベースの小山尚希のユニットm.s.t.(Make the Scenery Tune〜景色に音を)。4月26日にリリースされたミニ・アルバム「Pianium(ピアニウム)」のレコ発ライヴが、6月7日に渋谷のJz Bratで行われた。

ドラムの山内陽一朗、アコーディオンの佐藤芳明、そして、ヴァイオリンの銘苅麻野と雨宮麻未子、ヴィオラの河村泉、チェロの林田順平と、同アルバムに参加したメンバーが勢揃いしただけに、持山と小山は弥が上にも気合いが入る。

ステージはその「Pianium」では唯一のカヴァーとなったビル・エヴァンスの名曲「Waltz for Debby」でスタート。4拍子にアレンジした珠玉のピアノ・トリオ・サウンドで観客を引き込むと、その後は、曲ごとに変幻自在に編成を変えながら、「Pianium」から一気呵成に畳み込む持山のオリジナル曲「Alive」、それに「Premiere」をテンポよく披露していく。

1部の中盤には、アルバムには未収録ながらも小山渾身の力作「羅針儀」や、m.s.t.が2013年にリリースしたアルバム「Predawn〜景色と連なり〜」から持山作の「Predawn」などが演奏され、続いては、今年はジャズが初めて録音されてから100年目に当たるということで、ディキシーランド・ジャズの名曲「聖者の行進」〜「ケンタッキーの我が家」〜「リパブリック讃歌」をメドレーで展開。どれもお馴染みの曲だが、アコーディオンや弦楽四重奏といった豪華な編成によるm.s.t.ならではのアレンジは特筆ものであった。

さらに面白かったのが、1部の最後では「Predawn〜景色と連なり〜」から持山のオリジナル「Orange」をユニットの片翼である小山が抜けた編成で、対して、休憩を挟んでの2部のアタマは、今度は持山が抜けて、山内のドラム、佐藤のアコーディオンとのトリオ編成で小山のオリジナル「渦」と、おそらくm.s.t.にとっては初となる趣向は、実に新味であった。

さらにステージは、ここでもアレンジが光ったドビュッシーの「Passpied」、再び「Pianium」から軽快なグルーヴが心地よかった小山作の「朝靄」と熱演は続く。

そして、個人的に興味深かったのが、次のアルバムの候補曲にも挙げられているスローの「願い」だ。美しい旋律に折り重なるように奏でられるストリングスが秀逸極まりなく、そこから「Pianium」に収録されていた中でも、クラシカル調の中にタンゴなどの要素が入り交じった独創的な持山の「夢」へと流れ入るくだりは、m.s.t.ならではの強みが凝縮されていたように思う。

そして、2部ラストは映画“ラ・ラ・ランド”から「Another Day of Sun」という意表を突いた選曲が絶妙のアクセントとなり、それが引き金となって、万雷の拍手が沸き起こる中アンコールへ突入。

「Pianium」の同アルバム・タイトル曲が満を持して繰り出されると、ステージはハイライトを迎えて幕を閉じた。

ストリングス・セクションの洒脱なアンサンブル、1音で独自の世界へと持って行く吸引力を持ち合わせた佐藤のアコーディオン、終止安定したリズムで支えた山内のドラム、それらを追い風に、m.s.t.が信条としてきたヴィジュアル的かつ色彩感あふれるサウンドが見事に花開いていた……と同時に、今後も大いなる可能性を感じさせるリリース記念ライヴであった。

音楽アナリスト&ライター:石沢功治(Koji Ishizawa)
Photo by 常盤武彦

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m.s.t.アーティストページ:http://wmg.jp/artist/mst/

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