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あなたの会社は、5年後も大丈夫だといえますか?

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 度を過ぎた残業時間、パワーハラスメント、劣悪な労働環境。こうした「ブラック企業」に見られる特徴は、どうして起こるのでしょうか。
 その理由の一つは、経営者が会社を大きくすることに自分自身の価値を見出しているからです。売上が大きくなる、社員数が増えるといったことが“企業の成長”であり、成長のためなら「多少、社員に無理をさせてでも…」と思ってしまうのです。
 また、「お客様のため・・」といった大義も行き過ぎると、従業員の犠牲に上に立つ顧客満足になってしまいます。確かに成長がなければ会社は継続できません。だからといって、社員がメンタルヘルスケアを受けなくてはいけなくなるまで働かせ、無理やり会社を成長させたとしても、優秀な社員たちは離職し、長期的には成長を続けることはできないでしょう。
 30年近く数多くの企業や経営者と関わってきた藤井正隆さんは新刊『ぴょんぴょんウサギとのろのろカメの経営法則』(経済界/刊)の中で、「短い期間での急成長や、組織を大きくすることにはリスクが伴う」と指摘し、地道な経営を行いながら着実に成長している18社の企業を“カメ型経営”として取り上げています。
 “カメ型経営”は経営者自身が、社員たちを使い捨てのコマのように扱わず、長く働くことができる環境をどう創出するか鍵です。ここでは、その“カメ型経営”を実践している企業を、本書の中から3社ご紹介します。
■「ビニールハウス経営」EC Studio
 リンク&モチベーション社の診断で従業員満足度二年連続日本一となったEC Studio。中小企業のIT化支援業務を中心に行うこの会社の特徴は、その社内制度にあります。なんと10連休が年に4度、さらに社内には固定電話がありません。また、iPhoneが話題になりはじめた頃、さっそく全社員に支給しました。
 こうした制度の背景にあるのは、代表の山本敏行さんが経験した失敗です。かつて山本さんは、厳しく社員に接し、その度に次々と人がいなくなったそうです。どうすればいいのかと悩み、1000人もの経営者に話を聞きに行った結果、上手くいく企業に共通しているのが「社員のことを第一に考えている」ということに気づきました。
 経営者がいくら指示、命令をしても、社員はその通りに動きません。ビニールハウスのように温かい太陽の光を当て続け、社員のことを大切に思えば、やがて経営者が考えている以上に成果をあげることができるのです。
■「WILL経営」ディスコ
 大森にある株式会社ディスコの本社を訪問すると、スポーツジム、25メートルのプールをはじめ、マッサージ室や仮眠室、談話スペース、さらには託児所まで完備されています。仕事に疲れたらリフレッシュすることができますし、子どもがいる女性社員も安心して働くことができます。
 こうした設備の目的は、社員たちのやる気を奮い立たせ、社員を大人として扱い、能力を充分に発揮できる働きやすい環境が整った組織をつくることにあります。
 また、ディスコでは「WILL会計」と名づけられた独自の管理会計システムでやりとりするバーチャル費用があります。例えば250人規模の会議室の仮想料金は1時間18万円と設定されています。高額ですが、社歴の長さや役職の高さに関係なく、大きな会議室は重要な会議でのみでしか使われなくなり、無駄な会議をなくすことにつながります。経済合理性に基づいて各自のWILL(意志)を反映することができるのです。
 このように、社員たちの「意志」を最大限大切にし、社員それぞれがモチベーションを高め、自己統制によって運営できるようにしているのです。
 働く人々が「意志」を持ち、能力を発揮する。組織の永続的な発展は、いかに経営陣が働きやすい環境を用意するかが分かる好例といえるでしょう。
■「腹八分目経営」OKUTA
 「腹八分目経営」は株式会社OKUTAの奥田勇会長と山本拓己社長が二人三脚の中でたどり着いた経営法則といえます。
 企業が成長する上で必要不可欠なもの、それは社員の高いモチベーションですが、そのモチベーションは水物ともいえます。常に120%で全力疾走していれば、必ずどこかでその反動が生じます。いかに自分のペースをつかみ、余裕を持って走るか。マラソンも経営も同じです。奥田会長は100億円の売り上げで10年しか続かない企業よりも、10億円で100年続く企業のほうが、価値が高いと考えています。つまり、常に走り続けることができるようにするための「腹八分目経営」なのです。
 OKUTAでは、社員は田植え、稲刈り、ゴミ拾い、子どもの授業参観などの予定をスケジュールボードに堂々と書き、実際に仕事中に出かけます。そして私用で勤務時間に出かける社員を、他の社員がカバーする文化が醸成されています。
 高い売上目標、ノルマを掲げ、月次といった短期間でマネジメントをする企業はかつて数多くありましたし、高度経済成長期はそうした企業が急成長を遂げたのも事実です。しかし、そうした企業は離職率が高く、報酬は高くても多くの人が脱落してしまいます。OKUTAにもかつてそのような時期がありましたが、経営を方向転換し、2011年には最高売上を超えたそうです。
 『ぴょんぴょんウサギとのろのろカメの経営法則』には“カメ型経営”の好例が掲載されていますが、こうした“カメ型経営”の企業の多くは、かつての経営者自身の失敗をきっかけに方向転換し、軌道に乗りました。企業は経営者だけでつくられるものではありません。何より大事な存在である社員たちのやる気、モチベーションが企業の成長を左右するといえるでしょう。
 毎日の業務に疲れ果て、家は眠るだけの場所。厳しいノルマを突きつけられ達成できずに叱られる…そんな会社に長く勤めたいとは誰も思いませんよね。
 最後に、問います。あなたの会社は5年後も大丈夫だといえますか? そして、今日が「最後の1日」だとしたら、あなたは今の会社で良かったと思えますか?
(新刊JP編集部/金井元貴)


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