ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう

糖尿病患者の苦労を解放!スマホアプリから指令を送り、人工細胞がインスリンを生成する革新的技術

DATE:
  • ガジェット通信 GetNewsを≫

diabeticmouselight日本でも問題になっている糖尿病。世界では4億1500万人もの成人患者がいるといわれている。糖尿病は血液サンプルをチェックして、必要なときにインスリン注射をしなくてはならないが、血糖値はさまざまな理由で変化するため気が抜けない。

・スマホアプリから指令を送り、人工細胞がインスリンを生成

そんな悩める患者たちをサポートしようと、中国の華東師範大学のHaifeng Ye氏らのチームがある研究に取り組んでいる。スマートフォンアプリを通じて人工細胞に指令を送り、インスリンを生成させるというものだ。

チームではスマートホームシステムや遠距離通信技術のほか、細胞療法、オプトジェネティクス(光遺伝学)の技術を組み合わせることを考案。このオプトジェネティクスとは、細胞活動の統制に光を用いる手法で、心臓鼓動や失明の回復、ネズミの捕食本能の刺激など、さまざまな実験研究に使われている。

・特殊なLEDライトを照射

今回の研究でもオプトジェネティクスは重要な役割を担う。電気的信号によって光が生成されるだけでなく、“遺伝子発現”の生物学的プロセスのトリガーの役割も果たす。

チームでカスタマイズした“光感知たんぱく質を含む細胞”は、ワイヤレスで動作する“遠赤LED(FRLs)”を照射されると、インスリンを生成する。

ライトと細胞は、やわらかくて生体適合性がある特殊な“さや”に収められており、糖尿病のネズミの皮膚の下に埋め込まれる。

・血糖値測定メーターが定期的に測定

システムは他にも3つの要素で構成されている。光をリモートコントロールするAndroidベースのスマートフォンアプリ、光を発動するための“電磁回路コントロールボックス”、血糖値を測定してアプリへ送信する“Bluetooth血糖値メーター”だ。

メーターは一定期間が経つと、オートで血中テストが実施されるようにプログラムされていて、送信されたデータを元にアプリが解析をおこない、どれくらいのインスリンが必要なのか判断。その後コントロールボックスがLEDライト照射を実行し、人工細胞がインスリンの生成を開始する……という流れ。

実験では、1日4時間ライト照射を受けたネズミは、15日間生命維持に必要なインスリン生成に成功した。2時間以内の照射であれば、低血糖の副作用を引き起こすこともなかったという。

・現在は実験段階

この技術は現在実験段階であり、電磁波が体に与える影響なども含め、まだまだ解決すべき問題が多くあり、臨床実験に到達するまでには時間がかかりそうだ。とはいえ実用化されれば、毎度苦痛を伴うインスリン注射や、常時血糖値を手動でモニターしなくてはならない労苦から糖尿病患者が解放されることになる。期待して待ちたい。

Science Translational Medicine

カテゴリー : デジタル・IT タグ :
Techableの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。