【Interview】100歳のお年寄りでも使えるIoTデバイス「MAGOボタン」を探る

access_time create folderデジタル・IT

magobottun_1内閣府の調査によれば、ひとり暮らしの高齢者の数は近年、男女ともに増加傾向にあるという。2020年には、その数は700万人近くになり、うちインターネットを使いこなせない割合が多い75歳以上に関しては、200万人前後まで増加すると予測されている。

外出の機会が格段に減るお年寄りたちにとって、デジタル時代への不適応は、社会からの孤立を意味する。今後はパソコンが苦手な高齢者でも、簡単にコミュニケーションが取れるツールの必要性が高まってくるだろう。

今回ご紹介する「MAGOボタン」は、そんなお年寄りたちのために生まれたIoTデバイス。使い方は、簡単。ACアダプターを、コンセントに挿すだけで済む。誰でも手軽に使える機器をめざした結果、徹底してシンプルなこのシステムにたどり着いた。

開発元は、2012年設立のMIKAWAYA21。経営企画部部長、神谷 智子(かみや ともこ)氏が、取材に応じてくれた。

・100歳のお年寄りでも使えるIoTデバイス

Q1:まずは、このような製品を開発するに至ったきっかけから、お聞かせください。

magobottun_2弊社は、全国の新聞販売店や地元企業さまに対して「まごころサポート」という、シニアの「ちょっと困った」を助けるサービスに取り組んでいただくためのコンサルタントをしております。

この「まごころサポート」の取り組みを通じて、多くのシニアの方が孤独を感じ、社会との接点が少なく、不安を感じていることを知りました。1人でも多くの方を孤独から解放してあげたい、家族とのつながりをもっと感じてもらいたい、と思ったのが開発のきっかけです。

Q2:「MAGOボタン」とは、どんな製品なのでしょうか。初めての人のために、詳細を教えてください。

magobottun_3「100歳のおばあちゃま、おじいちゃまでも使えるIoT」をコンセプトに、置くだけ、押すだけで、お住いの地域の天気・災害速報や、ゴミ出しの日など、便利な暮らしの情報を、音声で教えてくれるボタンです。

ご家族がアプリをダウンロードすれば、ご家族とのコミュニケーションも可能になります。また、2回ボタンを押すと、コールセンターにつながりますので、ちょっとしたことを相談できるコンシェルジュサービスとしても、ご利用いただけます。Wi-Fiなどの面倒な設定は不要、コンセントに挿すだけで使用できます。

・孤独を解消するさまざまな機能を実装

Q3:「MAGOボタン」を導入することで、高齢者の暮らしはどのように変わるのでしょうか。

magobottun_4朝7時から20時まで1時間ごとに、時刻や健康・暮らしの情報を提供する他、例えば、「今日はお天気がいいので、お散歩を楽しんでみませんか?」などの規則正しい生活を送るための声がけをしてくれます。​(こうしたことから)特にひとり暮らしの高齢者は、孤独を感じなくなります。

また、健康の源であるお食事や運動を促してくれるので、健康な生活を送ることができますし、外に出ることで新しい出会いや発見をし、社会とのつながりを感じることができるように​​なります。

Q4:機能の拡張など、今後の展開で決まっていることがありましたら教えてください。

今後は音声認識機能を搭載し、高齢者が話したことを「MAGOボタン」に認識させ、家族のように高齢者とお話をして、お家の中の良き相談相手になれるよう、開発をしたいと考えています。

また、高齢者だけでなく、子育て中のママや、いつも忙しいサラリーマンを対象とした開発も進めるつもりです。なかなか自分からは取りにいかない情報を、毎日発信してくれるパートナーボタンとして利用してもらいたい、と考えています。

IoTを活用してシニアを支える新しい社会システムを構築したい、と意気ごむ同社。現在、協力してくれる企業を募集中だ。1人でも多くのお年寄りを救うため、ぜひ奮闘してもらいたい。(取材・文 乾 雅美)

シニア向けIoTデバイス MAGOボタン

  1. HOME
  2. デジタル・IT
  3. 【Interview】100歳のお年寄りでも使えるIoTデバイス「MAGOボタン」を探る
access_time create folderデジタル・IT
local_offer
Techable

Techable

ウェブサイト: https://techable.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。