アニサキスは噛めば大丈夫?欧米も寿司ブームで寄生虫が流行中
アニサキスが寄生している魚介類を私たちが食べると、急な腹痛を起こし食中毒になることがあります。
欧米でも近年、アニサキス症の症例が増加していることが報告されています。(参考)
今回は、アニサキスについて医師に詳しく解説していただきました。
アニサキスとは
白い糸のような2、3cmの寄生虫です。
サバ、サケ、アジ、いか、タラなどの魚介類に寄生し、 それを食べると、胃壁に噛みつき、 しばしば猛烈な痛みを起こしますが、時に無症状の場合もあります。
内臓だけでなく他のところにも住んでいるので、 お刺身やシメサバなどには潜んでいることがしばしばあります。
海外と日本でアニサキス症が増加した背景
海外では生魚を食べる習慣があまり無かったところに、 寿司ブームでアニサキス症が増えてきているようです。
日本では昔からアニサキスは多く、報告件数はこの数年は120〜130件とされています。
実際にはあまりにありふれており、内視鏡医にとっては当たり前すぎて1999年に食中毒として保健所に報告が必要になった後も、 いちいち報告していないのが現状と思われます。
(参照:厚労省)
アニサキスが多い魚
・サバ
・サケ
・ニシン
・スルメイカ
・イワシ
・サンマ
・ホッケ
・タラ
・マス
効果が期待できないアニサキス対策
良く噛む
細く、頑丈なのでかみ切れません。薄く切っても直径1mm程度なので発見しにくいです。
お酢でしめる
しめる程度の酢の濃度ではアニサキスは死にません。 しめ鯖からのアニサキス症はとても多いです。
生のイカを塩辛にする
塩そのものに埋めてもすぐに死なないぐらい頑丈で、 塩辛程度ではとても死なないと思われます。
ショウガ・わさび・ニンニク・酢じめ・塩しめなどでは死にません。
アニサキス症の症状

腹痛、嘔吐
魚の生食後3〜8時間程度で、アニサキスが胃の粘膜や腸の粘膜に噛みつくので、急激にお腹が痛くなったり、吐いたりするのが典型的な症状です。下痢はありません。