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今後、不動産の9割は価値を下げる!? 最新の不動産市場の動向

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今後、不動産の9割は価値を下げる!? 最新の不動産市場の動向

■これからの不動産事情はどう変わる?

私たちの生活に欠かせない「衣食住」。そのなかで人生を大きく左右するのは「住」、つまり、不動産だ。

どんな家に住むか、どこに住むかはもちろんだが、資産としての価値も高いので、将来の経済的な面を考えれば、誰しもが一度は真剣に向き合う必要があるものだ。

しかし、関連した仕事をしていなければ、不動産にはわからないことが多い。

そこで読んでおきたいのが『不動産格差』(長嶋修著、日本経済新聞出版社刊)だ。

本書は、2014年に出版された『これから3年 不動産とどう付き合うか』(日本経済新聞出版社刊)に、最新市場動向を踏まえて大幅改定された一冊だ。

これからの不動産市場はどうなるのか?

著者によれば、「下がり続けていく」のだという。

不動産価格を決めるのは「需要」と「供給」だ。日本がこれから本格的な人口減少、少子高齢社会に突入することを考えれば、不動産価格が下がるのは必然だと言える。

そんな長期的な下落状況のなか、現在の不動産市場動向では「三極化」が進んでいる、と著者は述べる。

国内のほとんどの不動産価格は下がり続け、上昇するのはごく一部だというのだ。

三極化の内訳は、「価格維持、あるいは上昇する:10~15%」「徐々に価値を下げ続ける:70%」「無価値、あるいはマイナス価値に向かう:15~20%」だという。

このことは、どのタイミングでどんな場所に、どのような不動産を買うかで、天地ほどの格差が生まれることを意味する。

一見すると、「住宅が安くなるならありがたい」と思うかもしれないが、そう楽観的に構えてもいられない。

たとえば、本書では、「どこに住むか?」のひとつとして、「居住誘導地域」の話が挙げられている。

一時期、「消滅可能性都市」が話題になったが、本格化する人口・世帯減を見越して、各自治体は「人口密度を保つ地域/地価の維持・上昇を目指す地域」と「そうでない地域」とを線引きするようになる。

「居住誘導地域」は、「人口密度の維持を宣言する地域」を指す。

これは、自治体が居住者を誘導したい地域、と言い換えてもいいだろう。だが、自治体が本当に言いたいことは、その逆だ。

「この地域以外では、人口密度を維持できません」ということなのである。

自治体はこれから、当然のように人口密度の高い地域への開発や維持に注力していく。

すると、「居住誘導地域」から外れた地域のインフラ修繕などは後回しになる。

そうなれば、金融機関も積極的な融資をしてくれなくなるなど、居住者にとってデメリットが大きくなるのだ。

こういった事情を知らずに不動産を購入したり転居先を決めたりすると、目も当てられない事態に陥る。

不動産を、単純に「住むためのもの」と考えている人でも、どこに住むかで行政の支援は変わるし、住宅の種類によってライフスタイルや必要なお金は変わる。また、不動産を将来的に資産運用したいなら、さらに多くの知識や情報が必要になる。

本書は、どちらの人にとっても有益な情報ばかりだ。

■賢い住宅選びのコツとは?

本書では、不動産の資産としての側面の話がかなり踏み込んで語られているが、やはり多くの人にとって気になるのは、「住宅を選ぶときは、何に気をつければいいの?」ということだろう。

まずは、マンションの場合。

もっとも重要なのは「マンション全体の管理状態」だ。

専有部(居住部分)に限らず、外壁や屋上、玄関や廊下、階段やエレベーターなどの共用部を含めた全体といったハード面。そして、管理組合運営といったソフト面を意識することが大切だという。

マンション管理は管理会社がやってくれるもの、と思い込んでいる人が多いが、主体はあくまで所有者で構成する管理組合だ。

したがって、管理組合の議事録などを見せてもらい、組合がしっかりしているかを見極めることが必要だ。組合が機能していないと老朽化に気づかないままになり、いざ住んでみたら次々と不具合が発生する、などということにもなりかねない。

一戸建てで、まず気をつけたいのは「壁裏や天井裏」だという。

配管の不具合、断熱材の有無などの施工不良やミスがないかをしっかりと確認しておきたい。

さらに、「デザイナーズ住宅」も気をつけたい物件だ。

おしゃれな外観を追求した結果、機能性が損なわれ、「雨漏りしやすくなる」「省エネ性が悪い」「間取りが特殊で使いづらかったり、将来的に売りにくかったりする」などのデメリットが隠れていることがあるので注意したい。

近年、各地で地震が頻発しているので、耐震性が気になる人も多いだろう。

意外に思うかもしれないが、「木造住宅だから地震に弱い」というのは誤解なのだという。

耐震性を気にかけるなら、建物を構成する材料が「木」か「鉄」かではなく、「数値」を見るべきだと著者は述べる。

全国共通で建物の性能を表す「住宅性能表示」という物差しのような制度があり、耐震性はいくつかの等級で示される。

耐震性の基準で最高等級の「3」をとるには、建築基準法が定める1.5倍の耐力を有する必要があり、たとえ木造でもこの数値に問題がなければ、十分な耐震性を備えていると判断できるのだという。

ここで取り上げたポイントはごく一部だが、どんな住宅でも大切なのは、見た目や印象ではなく中身を把握するということだろう。

■他人事ではない「空き家問題」にどう対処する?

昨今、不動産でよく話題に出るのが「空き家問題」だ。

2013年時点では「820万戸」だった空き家が、次回調査の2018年には「1079万戸」、2023年には「1404万戸」に増加するという予測もあるほど。

そんな状況のなか、「空き家を抱えているが、どう処分したらいいのか」「実家が将来空き家になったらどうしよう」と考えている人も多いだろう。

本書によれば、「空き家があるなら、今すぐに売る」のがもっとも賢い選択だという。

とはいえ、空き家を相続した場合にはいくつか選択肢はある。

一番は、やはり「売却する」だ。

2016年4月1日から2019年12月31日までの間に、家屋や取り壊し後の土地を譲渡した場合、譲渡金から3000万円を控除できる「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が創設されているので、この期間に売却することが望ましい。

但し、この特例には、いくつかの要件があるので財務省のHPで確認するといいだろう。

売却は、複数の不動産仲介業者に査定をしてもらい、「査定価格の根拠を明示している」「購入者のターゲット、販売戦略が示されている」といったポイントを押さえている業者に依頼すると良いようだ。

「貸す」と言う選択をする場合は、修繕・リフォームが必要になるので、リフォーム費用と、コストの回収期間を計算することが大切だ。

また、国土交通省は、空き家に入居する高齢者、低額所得者、子育て世帯などに、最大で月4万円の家賃補助。受け入れる民間住宅には、年間5万戸程度だが、改修費として最大で100万円を配布する方針もあるというので、利用することを検討してもいいかもしれない。

将来的に自分が済む可能性を残すために「空き家のまま管理する」という選択肢もある。

空き家は、人の出入りがないとみるみる老朽化が進む。

そのため、「空き家管理サービス」などを利用して、定期的なメンテナンスをしておくといいだろう。このサービスは、月に五千円から1万円程度が相場だ。

最後の選択肢は、「自分で住む」だ。

リフォームが必要になる場合がほとんどなので、安心して依頼できるリフォーム会社を探すことがポイントだ。また、補助金や助成金を出している自治体もあるので、確認するといいだろう。

ほとんどの人にとって、自分が住む家ををめるというのは、人生の一大イベントだ。

本書を読んで、変わりつつある不動産情勢をしっかりと把握し、安心して、長く住める家を探したいものである。

(ライター/大村佑介)

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