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SNS投稿で「自滅してしまう人」の特徴

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「論理的に伝わる文章の書き方」や「好意と信頼を獲得するメールコミュニケーション」等の文章力・コミュニケーション力向上をテーマに執筆・講演活動を行う山口拓朗さん。そんな山口さんに「ビジネスパーソンのための文章術・コミュニケーション術」について伺うこのコーナー。今回は「SNSで意識したいこと・気を付けたいこと」についてです。f:id:k_kushida:20170522111842j:plain

SNSのメリットとは?

インターネットを利用している人であれば、何かしらのSNS(ソーシャル・ ネットワーキング・サービス)も利用しているのではないでしょうか。人気のSNS にはfacebook、twitter、インスタグラム、ブログ、LINE 、YouTubeなどがあります。スマホを片手に、小まめにSNSに投稿している人や、小まめに他人の投稿をチェックしている人も少なくありません。

すっかり私たちの生活に入り込んだSNS。多くの人が“便利で楽しいツール”という印象を持っていることでしょう。一方でSNSは、使い方を間違えると、とんでもないしっぺ返しを受けかねない“キケンなツール”でもあります。本記事では、その“キケンさ”の正体に迫ってみたいと思います。

その前に、改めてSNSの特性を見ていきましょう。まずはSNSの魅力から。SNSには、どのようなメリットがあるのでしょうか。思いつくままに挙げてみます。

【SNSのメリット】

◆誰もが自由にアカウントを持つことができる

◆双方向でやり取りができる

◆リアルタイム性に優れている

◆気軽にテキストや写真、動画をアップできる

◆初めての人とも、つながりを持ちやすい

◆友人や知人とつながれる(旧友を含む)

◆日本だけでなく、世界中の人とつながれる

◆同じ趣味・嗜好、価値観を持つ者同士でつながれる

◆パソコンだけでなく、スマートフォンでも利用できる

◆誰でも自由に情報発信ができる

◆自己表現ツールとして活用できる

◆情報収集ツールとして活用できる

◆口コミ・評判が広まりやすい

注:それぞれのSNSの機能や特性にもよります

SNSの落とし穴とは?

反面、SNSには、デメリットも少なくありません。

【SNSのデメリット】

◆不用意な投稿、失言・暴言などによって炎上することがある

◆発言を誤解されることがある

◆気遣いなど人間関係の負担が多くなる

◆個人情報の流出リスクがある

◆必要以上に時間を取られる

◆無自覚に人を傷つけてしまうことがある

◆つながりたくない人とつながってしまうことがある

◆アカウントを乗っ取られるリスクがある

◆中毒性がある(SNSにログインしていないと不安等)

◆人と自分を比べてしまう(他人の生活がよく見える等)

◆悪評や風評が広まりやすい

注:それぞれのSNSの機能や特性にもよります

このなかには、いわゆる「SNS疲れ」の引き金となる項目も散見されます。多くのツールがそうであるように、SNSも“諸刃の剣”です。正しい使い方をすれば、世のため人のためになりますが、使い方を間違えると、人を傷つけたり、人に傷つけられたり、あるいは、信頼や信用を損ねたりすることがあります。

インターネット上には、暴言や誹謗中傷で盛り上がる「匿名性の高い掲示板」が存在します(多くは、匿名型&クローズド型)。それらは「本音を言い合う場」として、あるいは、「感情のガス抜き」として有効な面もあるのでしょう。

しかし、SNS——よりオープンな場——に「匿名型&クローズド型の掲示板」の感覚を持ち込むと、取り返しのつかない問題に発展しかねません。とくにケアしたいのが、読んだ人から反感を買いかねない不用意な投稿です。

SNSは駅前広場である?

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SNSに投稿やコメントをするとき、忘れがちなことがあります。それは「大勢の人に見られている」という意識です。

駅前広場での街頭演説を思い浮かべてください。演説をする人の前を、さまざまな人が通り過ぎます。そこには知人や友人もいれば、見ず知らずの人もたくさんいます。演説する人の声は、マイクと拡声器を介して駅前広場全体に響いています。

仮にあなたがSNSに「うちの上司は、頭悪すぎ」と書き込んだとしたら、その瞬間に、あなたの声は駅前広場に響き渡ります。行き交う人のなかには会社の同僚もいるかもしれませんし、取り引き先やクライアントの人間もいるかもしれません。もしかすると、該当する上司がたまたま歩いている可能性もあります。あるいは、その上司の知人や身内が歩いていて(聞いていて)、その話を当の本人に伝えるかもしれません。そうなったら、あなたはどうなるでしょう?

そう、多くのSNSは、個人の日記帳でも、外部から遮断された空間でもなく、不特定多数が行き交う「公の場」なのです。

SNSは拡散性に優れたメディアです。他人の悪口を書けば、尾ひれが付いて、またたく間にウワサが広まる恐れもあります。ウワサの範囲は、駅前広場から街中へ、街中から日本中、さらには世界中へ広まるかもしれません。

ふだん前向きで仕事ができるあなたが、マイクを通して職場の愚痴をこぼせば、「えっ、私が知っている○○さんとは別人みたい…」と思われて、あなたの好感度や信頼が急下降する恐れもあります。

「そんなつもりじゃなかったのに…」と悔やんでも“覆水盆に返らず”です。文章だけに限りません。昨今では、写真や動画を用いた不用意な投稿で信頼を失う人も少なくありません。

なぜ、このような悲劇が起きるかというと、「SNS=駅前広場=公の場」という意識が欠けているからです。自分の投稿が「駅前広場での演説と同じである」という認識が抜け落ちているのです。

「誹謗・中傷」と「批判」の違いって何?

そもそも、怒りの感情を持つことと、SNSを使って、その感情を外部へ解き放つことは、似て非なるものです。怒りの感情を解き放った先には、必ず他人がいます。

【原文】

まったく◯◯大臣は何してやがるんだ! 泥棒猫のような△△のヤツらにいい顔しやがって。お前なんて、今すぐ辞職して、さっさと□□のど田舎に帰って畑でも耕してろ!

上記は、湧き上がるままに怒りをぶつけた投稿です。読んでいて、不快な気分になる人もいるでしょう。公の場に怒りの感情を書くときは、言葉の選び方や言い回しには十分に気をつけなければいけません。

上記の文章で気になるのは次の2点です。

◆差別的な発言:「泥棒猫のような△△のヤツら」「□□のど田舎」「畑でも耕していろ!」など

◆感情的・暴力的な言い回し:「何してやがるんだ!」「〜しやがって」「耕していろ!」など

【改善文例】

個人的には、◯◯大臣のやり方に反対です。そもそも△△への対応が自己保身そのもの。まずは☓☓するなどして、◇◇の問題を解決していくべきではないでしょうか。

原文を誹謗・中傷とするなら、こちらの文章は批判の部類に属する文章です。発言する場が「SNS(公の場)である」という配慮のもと、言葉を選んでいます。

◆誹謗中傷:悪口を言って、他人をそしること、おとしめること。

◆批判:誤りや欠点を指摘し、正すべきであるとして論じること。

「誹謗中傷」と「批判」の最大の違いは、誹謗には「他人を傷つけようという悪意がある」という点です。攻撃が目的ですので、根拠も言葉も乱暴になりがちです。怒りの感情は、往々にして誹謗中傷に向かいやすいので注意が必要です。

◆アイドルの◯◯は、バカでブス。生きる価値もない。【誹謗中傷】

◆食べ物を粗末にする◯◯のCMは教育上よくない。【批判】

もちろん、批判とて簡単なものではありません。批判をするにためには、根拠や意見を明確にするほか、その批判に対する反論や反感を受け入れるなど、相応の準備と覚悟が必要となります。「駅前広場(公の場)」で発言をするということは、それに伴うあらゆるリスクを受け入れることです。

政治・宗教・人種、特定の団体や人を攻撃しない

この記事を読んでいる大半の人が、友人・知人らと楽しく円滑にコミュニケーションを図ることを目的にSNSを使っているのではないでしょうか。もしそうであるなら、発言NGなガイドラインを明確にしておくといいでしょう。

今度の衆議院選挙で○○党に入れないヤツらは、売国奴と呼ばしてもらうよ。

どの政治団体・政治家を支持しようと個人の自由です。したがって、SNS上で自分の意見や価値観を人に押しつけるのは問題です。

しかも、この投稿の場合、「売国奴」という言葉が表すように、自分の支持政党に投票しない人たちへの威嚇・恫喝ともいえる内容の発言です。炎上する危険性を大いに秘めています。

○○人なんて、しょせん金魚のフンみたいなもの。ホント、日本から出ていってほしいわ。

特定の人種や国に対する差別的な発言です。本人に悪気はなくても、この投稿を見て傷ついたり、怒りを感じたりする人がいるはずです。知人や仕事関係者の目に触れれば、信用を失うかもしれません。あらゆるリスクを受け入れる覚悟がないのであれば、SNS上で、宗教や人種、イデオロギーなどが絡む話題に触れないのが得策です。

○○のファンって、ちょっとオツムが足りないよね。キモオタが多いし。

特定の人や団体のファンをなじるような発言です。特定の人や団体や人を好きになるのは個人の自由です。しかし、明確な根拠もなく、自分が毛嫌いする団体やチームや人、あるいは、それらのファンをなじるのは、モラルを欠いていると言わざるを得ません。「幼稚な人」と思われても仕方ありません。

俳優の◯◯って、顔もぶさいくだけど、アタマも悪すぎ。見ているだけで胸くそ悪いわ。

この種の発言も同様です。この手の発言をする人たちがよく持ち出すのが「有名税」という言葉です。有名税とは、芸能人や政治家、スポーツ選手などが、有名であるがゆえに被りやすい問題や代償のこと。「有名人が悪く言われるのは、有名税だから仕方がない」というのが彼らの言い分です。

しかし、著名人自身が「有名人だから仕方がない」というならまだしも、悪口を言う側が「有名税」を持ち出すのは明らかに傲慢です。この手の発言は、悪く言われた本人はもとより、その有名人のファンからも怒りを買う恐れがあります。

「特定の何か」をけなさない

自分の好きなことを語るのはいいとしても、自分の嫌いなものを語るときには注意が必要です。なぜなら、嫌いなものを語るときは、得てして、対象をけなしてしまいがちだからです。

アパレルブランドの××が嫌いだ。あの派手な色づかいもそうだし、あのブランドを身につけている人の自意識の高さも(笑)。

ディズニランドやUSJで楽しそうに1時間以上も並べる人って異常としか思えない。絶対彼女にしたくないタイプ。

子どもの写真ばかり投稿しているウルトラ親ばか連中は、ホント死んでもらいたいわ。こっちは、あんたの子どもに興味ないっつーの。

××氏のセミナー参加者って洗脳されているよね? まじで近寄りたくないんですけど。

「けなす=悪口」です。SNS上のモラルに明確な基準はありません。どこまでが正当な指摘で、どこからが悪口にあたるかは、ケース・バイ・ケース。人によって捉え方も感じ方もまちまちです。

それだけに、嫌いなものに触れるときは、細心の注意を払わなければいけません。場合によっては、けなされたと感じた人たちから反発を受けたり、遠巻きに眺めている人たちからも「軽率な発言をする人だ」と思われたりする恐れがあります。何より怖いのは、投稿者の知らないところで信用を落としているケースです。

書き方うんぬんという側面もありますが、それ以前に「書くか、書かないか」その判断も重要です。思ったことは何でも書けばいい、というものではありません。あなたが「毒舌キャラ」として売り出そうとしているのでなければ。

鬼の首を取ったように正論・正義を振りかざさない

ニュースをネタに、鬼の首を取ったように正論や正義を語りがちな人も注意が必要です。なぜなら、ニュースをネタにして語るのは一種の便乗。誰にでもできる分、底が浅く感じられます。

窃盗をした××選手、ホントにばか! 人間として欠落している。ダメ人間にもほどがある。あんなやつ、二度と復帰させるな。

教師のハレンチ事件に辟易。教師たるもの、子供たちに正しい道を説く立場だろうに。教師の道徳観、倫理観も地に落ちたものだ。

人気俳優Kと女優Nが3ヶ月のスピード離婚。呆れるわ。価値観の相違うんぬんぬかすなら、最初から結婚なんかするなよ。

××の日本代表が予選で惨敗。どうして××監督は、あんな平凡な選手ばかり集めるのか? 考えが小学生クラスすぎる。××選手を選出しておけば、ここまでひどい結果にはならかなったはず。

「ほーら見たことか」「やっぱりねー」「そんな予感がしてたよ」「言わんこっちゃない」「目に見えていたよ」——このような発言をしがちな人は、便乗クセのある方です。勝ち馬に乗ろうとする姿は、いささか滑稽で、遅かれ早かれ周囲にも見透かされます。

事件の加害者を叩く、ミスした人を責める、勝負事の敗者を叩く……等々の行為は簡単です。ただし、簡単なゆえに、その発言次第では自分自身を陥れる恐れがあることは自覚しておきましょう。

「表現の自由=すべて自由」ではない

もっとも、日本国憲法では「表現の自由」が定められています。一個人が言いたいことを言えなくなる不自由な環境は誰も望んでいないでしょう。

しかし一方で、他人の生命や健康を害したり、公序良俗に反したり、プライバシーを侵害したり、人間としての尊厳を傷付けたり、名誉を毀損したりしたりした場合は、それなりのペナルティを受けることになるでしょう。発言には常に責任が伴います。「表現の自由=すべて自由」ではありません。

くり返しになりますが、多くのSNSは完全に閉ざされた空間ではなく、リアルな社会と何ら変わらない「公の場」です。ふだん公の場でしないことは、SNS上でもしない——念頭に置かなければいけないのは、この意識ではないでしょうか。

著者:山口拓朗

『伝わるメールが「正しく」「速く」書ける92の法則』著者。

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伝える力【話す・書く】研究所所長。「論理的に伝わる文章の書き方」や「好意と信頼を獲得するメールコミュニケーション」「売れるキャッチコピー作成」等の文章力向上をテーマに執筆・講演活動を行う。メールでのミスやトラブルを減らす方法を網羅した『伝わるメールが「正しく」「速く」書ける92の法則』(明日香出版社)をはじめ、『問題を解くだけですらすら文章が書けるようになる本』(総合法令出版)、『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(日本実業出版社)、『書かずに文章がうまくなるトレーニング』(サンマーク出版)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)他がある。

山口拓朗公式サイト

http://yamaguchi-takuro.com/

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