早朝6時30分からガツ盛りいきます! 大盛=2人前のカレースパゲティーがすごい「喫茶チロル」【京都】

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早朝のおなかすいた問題、解決です。京都の大盛担当・メシ通レポーターのナガオヨウコです。

深夜におなかがすいたときは、深夜営業のお店に駆け込むという手があります。が、問題は早朝です。目が覚めた瞬間「おなかすいた」とつぶやく、朝どうする問題です。

おなかがすいて起きる朝は、幸せです。自分が健康であるという証であります。そして「これからごはんを食べる至福の時間がやってきます。ひゃっほー、ウハハハハ! ガッツリしっかり食べたい、しかもちゃんとおいしいものを……!! ああ、何を食べようかな!」と軽くテンション上がったりもするわけですよ。

このシチュエーション、早朝でなくてもいいです。朝8時とか9時、まあ10時でもいいでしょう。

しかし、多くのガツうま店の開店は11時以降ではないか!!! Oh No!! きゃー、やめて!! ああ、この、飢餓感をどうしてくれよう……、タスケテ、タスケテ……(きゅーバタン←倒れる音)。

そうなのです。私は解決策がなく長年さまよっておりました。そんなときは「おいしい」を無視しそこらへんのお店に駆け込んでは「なんか違う」とつぶやきつつ、おなかを満たしていました。

しかし数年前、こちらの喫茶店に出合ってからその問題があっさり解決したのです。

朝6時30分に開店する昭和レトロ喫茶

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場所は、世界遺産・二条城の近く。城というネーミングがつけられておりますが、江戸時代に徳川家が京都に赴いた際に滞在した別荘的存在です。最後の将軍・徳川慶喜が大政奉還をおこなった場所でもあります。朝8時30分からもうにぎわっておりましたよ。

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お目当てのお店は「喫茶チロル」。二条城の南側の道(押小路通)から南へ徒歩1分。写真でいうと、左側(北方向)に向かうと、二条城の南側に着きますよ。

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「喫茶チロル」の創業は昭和44年。京都では昔ながらの純喫茶文化が残っていますが、こちらもそのうちの一軒。

お店のたたずまいも、内装も、メニューも、約50年前から変わっていません。

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営業は朝6時30分から。朝6時30分過ぎの時点で、お店はほぼ満席(驚き)。さらに驚くことに、昨年末までは朝5時30分から営業していて、その頃も開店と同時に満席だったのだそう。

さらにさらに驚くことに(驚きすぎや)、「まあ、明日の朝5時30分にお店を開けたら、近所の常連さんは来はると思いますけどね」とのこと。常連さん、早起きし過ぎ! そして、朝から優雅に過ごしすぎ!! うらやましすぎ!!!

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モーニングはコーヒー320円、バタートースト、ジャムトーストが各90円。ゆでたまごは50円です。

スパゲティではなくスパゲ(小文字のテ)イですよ。なんとなく巻き舌で発音してみてください。

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私がおうかがいしたのは朝9時。近所のおじさんたちが、コーヒー飲んだりトースト食べたりしながら新聞や週刊誌を読んでいました。

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やわらかくともる、昭和レトロな照明がいいですね〜。

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「喫茶チロル」の店主は、81歳のおばあちゃん! 秋岡登茂(とも)さんです。常連さんからは「おばちゃん」「おかあさん」と呼ばれています。創業時から約50年、カウンターに立ち続けていて、とってもお元気。

じつは昨年秋に腰のケガで自宅療養されていたのですが、無事復活!

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「お医者さんには、81歳にしては足腰が驚くほど強いって言われたのよ〜。早朝から夕方まで毎日、しかも40年以上働いてるからねえ。常連さんの中には、40年通ってくれてる人もいるの。お客さんの顔を見たいから、こうして毎日楽しく働けているんやろうねえ」と、登茂(とも)さん。

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メニューブックの表紙に、おばあちゃんの可愛いイラストが! イラストは、京都の劇団「ヨーロッパ企画」のイラストレーターさんによるもの。

数年前にNHKで放映されたミニドラマで、こちら「喫茶チロル」が登場し、おばあちゃんも人形で出演されたのだそう。

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メニューには、トースト、サンドイッチ、カレーのほか、焼きめしやスパゲティーといった喫茶店らしいものが並んでいます。大盛もありますよ。

じつはこちら、メニューのほとんどがボリュームありあり。その理由は、約10年前まではお客さんの半数がガッツリごはんを求める工事現場作業員だったため。最近は現場作業員の数は減っているそうですが、現在もボリューム感はそのままなのです。大盛を選ぶときは、本気でおなかがすいている時にしましょう。

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わたくしのおすすめはカレースパゲティー! カレーにスパゲティーって、ありそうでなかった組み合わせですよね? はい、もちろん大盛を選びます。

大盛=ほぼ2人前

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▲カレースパゲティー(大盛) 780円、目玉焼き乗せで+50円 ※並盛は680円

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深皿のため量がわかりにくいので、フォークでうんしょと持ち上げてみました。

でかっっ!!!

壁ですよ、壁。

通常の量ではゆでた状態の麺のみで約260グラム、大盛では約360グラム。

なお、大盛は麺とカレールーを合わせた総重量が約700グラムです。一般的な牛丼は並盛がだいたい400グラムなので、牛丼換算で約2人前です。

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カレーは、淡路産の玉ネギ(※高価です)をた〜〜っぷりと使用。具材は牛のコマ切れ&切り落とし、マッシュルーム、ピーマンです。ダシのうま味として豚肉とベーコンがごく少量入っているそうですが、お皿の上では確認できませんでした。たぶん溶けてしまっているんだと思います。

なお、お店では1週間に2回ほどカレーを仕込んでいます。1回に仕込む量は200人前。ということは、3〜4日で200人分完売していることになります。うわ、カレー人気すごいやん!

はああ、うまいなあ。わたくし、スパイスごりごりカレーもおしゃれなこだわりパスタも好きなのですが、朝から食べたいのはこういう気負わない系。あっ、こちらのカレースパゲティーは朝も昼も夕方もいただけますよ!

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スパゲティは、ゆでた後に冷蔵庫で寝かせたふにゃふにゃ麺。

世の中は「麺の芯が髪の毛一本ほど残っている、ゆでたてアルデンテが最高に決まってる」という空気に包まれております。しかし、こちらは昭和のままの喫茶店。当時のレシピのまま、ふにゃふにゃ麺をふるまい続けています。

「喫茶チロル」はすみずみまで、あくまで昭和の創業当時のまま。ですが、決して「コンセプトは昭和レトロ。伝統を守ることが使命です」ではありません。

「他の作り方を知らないからね……お恥ずかしいけれど(照)」と、なんだか謙虚なんですよ。ね、なんかいいと思いませんか。好きになっちゃいそう。もうすでに、大好きなんですけどね。

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半分ほど食べたところで、目玉焼き崩しターーイム!

私は玉子を混ぜ込まず、ちょい形が崩れる「とろりん」くらいでとどめておくのが好き。この方が玉子感を強く感じられるから。

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完食までもうちょいというとこ。カレーのじゅぶじゅぶルーに合うのは、やっぱりふにゃふにゃ麺。アルデンテではこうはいかないでしょう。ずるるるると飲むように食べます。食べ尽くします。

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はあああ〜〜、かなーりおなかいっぱい。背骨にくるボリューム感です。

おなかがはちきれそうになったら、おなかより背骨にきます。

満腹の目安は背骨。覚えておいてください。

玉子サンドもでかい

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▲玉子サンド(650円)、ブレンドコーヒー(350円) ※フードとドリンクのセットで100円引き

食後に玉子サンドとコーヒーをオーダーしました。ええ、おなかはいっぱいですよ。でも注文せずにはいられないおいしさなんですよこれ!

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関西の玉子サンドは厚焼き玉子が主流。

1人前につき、サンドイッチ用のパン4枚、玉子は3個使用。厚さは約3センチ、けっこうなボリュームです。

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厚焼き玉子の味付けは塩こしょうのみ。関西には、和ダシを入れた卵焼きをはさむお店もありますが、こちらでは玉子そのまま勝負なのです。

こちらの玉子サンドイッチも「普通のパンに、普通の玉子焼き、それとキュウリ、辛子マヨネーズをはさんだだけ。申し訳ないくらい普通なんですよ。お母さんが作りがちな感じでしょ(照)」とのこと。

いやいやいや!! 本気でおいしいですから!!! 程よくふんわり、あっさりしてるからぱくぱくいけちゃう、でももうひとつ……と手が伸びちゃう、やみつきになる味。

普遍的なうまさ。って表現するとおおげさかも。でもって、また店長さんを照れさせてしまうかも。なので、シンプルにいきます。

うまい! もう一個!!!

あっ、ブレンドコーヒーについても触れねば。もちろんコーヒーも、創業当時から続く昭和テイスト。英語が書いてあるようなおしゃれなタンブラーは似合わない。しっかり濃くて、程よく酸味があります。コーヒーもやはり、新聞を読みながらちびちび飲みたい、正しい喫茶店の味なのです。

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この時点で朝11時。冒頭で紹介した写真のおじさんメンバーと入れ替わり、違うおじさんたちがやはり新聞や週刊誌を読んでくつろいでいました。

あっ、おじさん度が濃いめに見えるかもしれませんが、ちょこちょこ観光客の姿も見えます。一日を通してみれば、近所の常連さんと観光客の割合は半々。ですので、初めての方も気負わずに訪れてみてくださいね。

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カウンター脇でみつけたハンコ。レトロな字体やイラストがかわええー。自由に押してOKですよ。訪問の際は、手帳または旅のしおりを忘れずに!

お店情報

喫茶チロル

住所:京都府京都市中京区御池通大宮西入ル門前町539-3

電話番号:075-821-3031

営業時間:6:30〜17:00

定休日:日曜・祝日

ウェブサイト:http://tyrol.favy.jp/

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年5月の情報です。

※金額はすべて消費税込みです。

書いた人:ナガオヨウコ

ナガオヨウコ

ライター歴22年、京都在住のフリーライター。食、手芸、子育て、京都関連の雑誌や書籍、webに執筆中。10年間続けている自然農業の畑では、20~30種の野菜やハーブ、花を栽培。 ブログ:しましま畑でつかまえて

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