脊椎側湾症は子どもに多い?背中の歪みは猫背じゃなくて病気かも
背骨が大きく成長する10代で発見されることの多い「側湾症検査」は、学校の健康診断の項目に入っていた方も多いのではないでしょうか。
大人になってからの腰痛や背中の痛みにもつながりかねない、脊椎側湾症は子どもの頃に発見しておきたいものです。
今回は脊椎側湾症について、医師の松本先生に詳しく解説していただきました。
脊椎側湾症とは
背骨が横に曲がる病気です。
人の体は前から見ると背骨がまっすぐになっているはずですが、横にCの字やSの字に曲がってしまう病気です。痛いわけではないので軽いときにはなかなか見つかりません。
ある程度成長して気がつく場合が多いです。
脊椎側湾症の原因
原因は数多くあるとされ、生まれつきのもの、マルファン症候群やダウン症など他の病気に合併したものもありますが、大多数は特発性(原因が特定されていない)のものです。
高齢者では脊椎の圧迫骨折などで起きることがあります。
脊椎側湾症の症状
肩や腰の位置が左右で違うことなどで気がつくことがあります。
ひどくなると腰や背中が痛くなったり、肺や心臓などが圧迫されて問題を起こします。
脊椎側湾症の好発年齢と男女の発症率の違い
10代で発見されることが多く、圧倒的に女子のほうが発症しやすいです。また、低年齢で初潮前の場合、進行しやすいという特徴があります。
先天性にあっても、歪みが大きくなるまで気がつかない場合もあり、骨がぐっと成長する思春期に発症することがしばしばあります。
大人になって発見されたものも、思春期に気がつかなかったものがほとんどですが、それとは別に骨折などにより高齢になって発症することもあります。
脊椎側湾症の治療法

自然治癒
食事やストレッチなどで筋肉を調整することにより治療します。側湾と食事の関係は現段階でははっきりとはしていませんが、本当に人にとって適切な食事をすること、有効な体操をすることで、一定の効果を上げていると報告する先生もいます。
食事の適正化は背骨の成長にとても重要ですし、背骨を支える筋肉の強化にも大切です。また、適切な運動も同じく、背骨にも筋肉にも大切です。
しかし、「簡単に自然に治る」わけではなく、X線写真などで、改善しているかどうかの経過観察などが必要です。
装具治療
コルセットで14~15歳以下くらいの時期に開始します。
手術
10~12歳位で、骨の成長がまだまだある時期に曲がりの角度がきついと、90~100%の確率で進行します。ひどい側湾症になってしまうと、胸の内部が圧迫されて息切れが起きやすくなったり、腰や背中の痛みの原因になります。
その予防のために、手術した方が良い場合もあります。