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中村 中、“予想を越えたパフォーマンス”で10周年を締め括る

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中村 中、“予想を越えたパフォーマンス”で10周年を締め括る

 5月20日、中村 中が【10TH ANNIVERSARY SHOW 天晴れ!我は天の邪鬼なり】を、東京国際フォーラム・ホールCで開催。ライブレポートが到着した。

中村 中 ライブ写真(全3枚)

 ついに迎えた10周年の締め。果たしてどんなステージになるのかという客席の期待と緊張の中、真っ赤なドレスに身を包んで登場した中村 中は、頭に天の邪鬼にちなんだツノを生やし、エレアコを手にして、イントロなしで「不良少年」を歌い始めた。しっかりした音感の持ち主でなければできないドキッとする幕開けだ。

 観客に挑むのか、自分に挑むのか?
 
 張り詰めた歌声で緊張感を持続したままテンションが上がる、かと思うとドラムから始まった「チューインガム」は、一転して穏やかな表情で聴かせる。そして「世界が燃え尽きるまで」はハンドマイクで自ら手拍子を取り、終末感の立ち込める歌詞を躍動感豊かに披露する。

 大坂孝之介のジャジーなピアノが光る「鳥の群れ」で、地声とファルセットを巧みに使い分けて音域の広いメロディを歌いこなすところも圧巻だ。これに続くMCでは、途中から大坂のピアノをバックに、ラブ・ソングに向かう心境を告げて「ここにいるよ」「思い出とかでいいんだ」、そして真壁陽平がスライド・ギターで活躍する「裸電球」へと繋げる。

 ここまではバンド編成のアンサンブルで展開してきたが、続いてはピアノの弾き語りだ。なんと日本語詞によるサイモン&ガーファンクルの名曲「サウンド・オブ・サイレンス」、そしてハードなアレンジに馴染んでいた「戦争を知らない僕らの戦争」という意表をついた選曲で、ミサイルという言葉が、今のご時世ではひときわリアルに響く。しかしその後の趣向にはさらに驚かされた。
 
 「友達の詩」でピアノの弾き語りを終えると、打ち込みのオケで「闇のまん中」。白い衣装に変えて、彼女は突如幕が下がって出てきたドラムセットで、場内とのコール&レスポンスに興じ、平里修一とのツイン・ドラムで、デビュー曲の「汚れた下着」を。さらに彼女がベース、根岸がギターというイレギュラーな編成で「DONE! DONE!」、エレキ・ギターで「旅人だもの」と、次々と楽器を持ち替え、マルチ・プレイヤーぶりをライブの場で見せつけていく。

 そしてオープニングと同じくエレアコに持ち替えて10年前のデビュー・アルバム『天までとどけ』からの「さよなら十代」で、本編は終了となった。
 
 恒例の“残業”コールを受けたアンコールでもデビュー・アルバムからの「駆け足の生き様」「未練通り」と10周年モードは続く。とはいえ、もちろん振り返るだけでステージを終える彼女ではない。メンバー紹介を終えると、6月から予定している舞台『ベター・ハーフ』とそれに連動する同名ミニ・アルバムの告知をして、劇中でも使用されている「愛されたい」で締めくくり、相変わらず前のめりな姿勢を見せてくれた。

 この日のセットリストは、しっかり全てのオリジナル・アルバムからピックアップ。どんな時期からファンになった人でも、彼女は見逃しはしないのだ。
 
 ちなみに彼女がライブの場でドラムとベースを奏でたのは、これが初めて。どんな楽器を演奏しても、ボーカルがくっきりと聴こえてくるのは、凄いというのを通り越して不思議なほど。ファンの期待が大きければ大きいほど、予想を越えたパフォーマンスでそれに応えようとする中村 中。“愛されたい”がゆえに、彼女はもっとも大切な人たちをだしぬくのだ。

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