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エンジニアの三大美徳「怠惰」「短気」「傲慢」 ─「怠惰」を極めて働くこととは?

エンジニアの美徳「怠惰」とは?

リクルートマーケティングパートナーズ(RMP)とQuipperが共同で主催するMeetupイベント「Food&Drink meetup include matz」。第5回目となる今回は、プログラマの三大美徳である「怠惰」をテーマに行われた。

イベントは大きく2部で構成。第一部はRMPの技術フェローであり、Ruby開発者であるまつもとゆきひろ氏が基調講演、そして第二部はRMPとQuipperのエンジニアによるLT「怠惰を支える技術」が行われた。

最初に登壇したのは、RMP技術フェローであり、楽天技術研究所フェロー、Rubyアソシエーション理事長などを務めるまつもとゆきひろ氏。

日本で一番有名なプログラマと言われているが、最近はプログラミングをしているよりも講演をしている方が多く、昨年度は47講演を行った。1年間52週しかないので、週に1回は講演しているような感じだという。

基調講演のタイトルは「怠惰のスゝメ」。今回のテーマ「怠惰」というとラリー・ウォールが頭に浮かぶ。ラリーはまつもと氏が尊敬しているプログラマ。

彼はPerlという言語を作った人として有名だが、彼が作ったプロダクトはPerlだけではない。「rn」というネットニュースリーダーの作者でもある。

このrnは非常に賢いソフトで、rnというコマンドを起動し、あとはスペースバーを押していると未読のファイルを読んでいけるというプログラムだ。

またそのほかにも、バリエーションの異なるUNIX向けプログラムがより簡単に作成できる「Metaconfig」というパッケージ、さらには、テキスト差分適用プログラム「patch」を作成した。

プロダクトだけではない。ラリーは本を書いても、講演をしても面白い話をするのだ。そんなラリーはプログラマの三大美徳として「怠惰」「短気」「傲慢」を挙げる。

一見、美徳に聞こえないかもしれないが、これらの3大美徳の意味はこういうことだ。

怠惰:全体の労力を減らすために手間を惜しまない気質。この気質のも主は、役立つプログラムを書いてみんなの苦労を減らしたり、同じ質問に何度も答えなくても言いように文書を書いたりする。

短気:コンピュータが怠惰なときに感じる怒り。この怒りの持ち主は、今ある問題に対応するプログラムにとどまらず、今後起こりうる問題を想定したプログラムを書く。少なくともそうしようとする。よって、プログラマの第二の美徳である。

傲慢:神罰が下るほどの過剰な自尊心。または人様に対して恥ずかしくないプログラムを書き、また保守しようとする気質。よって、プログラマの第三の美徳である。

これら3大美徳の反対の言葉は、「勤勉」「寛容」「謙遜」ということになるが、こちらの方が美徳に見える。

「ここで今回のテーマ「怠惰」の反対語とも言える「勤勉」について考えてみたい。勤勉な人は尊敬できるし、尊敬を集めるが、勤勉にも悪い側面がある」とまつもと氏。

「勤勉」の悪い側面

勤勉な人は一生懸命働く。だが一生懸命働く人の美徳とは、苦労していたり、苦痛に耐えている、我慢しているという側面がある。

「世間では『若者は泥のように働け』とか『若いうちの苦労は買ってでもしろ』という言葉が蔓延している。これらの言葉には、あなたの価値は『我慢』しているところにあるということが隠れている。

つまり『我慢』の価値である。日本人の多くが働くことは苦痛であり、その苦痛に耐え忍んだり、我慢することの対価として、お金をもらっているというイメージがある。無意識のうちに、我慢をすることや苦痛に耐え忍ぶことが素晴らしいことである価値構造になっているのである」

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