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「3月11日:メルトダウンに至る可能性もあり」「3月12日:最悪の事態想定を」「3月16日:撤退なんてありえない」原子力災害対策本部会議メモの全容

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「3月11日:メルトダウンに至る可能性もあり」「3月12日:最悪の事態想定を」「3月16日:撤退なんてありえない」原子力災害対策本部会議メモの全容

3月9日に公開された原子力災害対策本部会議の議事概要と配布資料へのリンクをご紹介します。メディアでは一部だけ抜粋し紹介されていますが、リンク先のインデックスからすべての議事概要を閲覧できます。

原子力災害対策本部会議の議事概要、配布資料
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku/

2011年3月11日の大震災以降に開かれた「原子力災害対策本部会議」は議事録がとられていなかったといわれており、今回、当時のメモなどを寄せ集めるという形で「議事概要」が作成公開されました。断片的なメモを貼りあわせたような内容で、どのような過程で意思決定がなされていったかという詳細について、この内容だけでは知ることはできません。欠落した部分も多くありそうです。

この議事概要と、官房長官会見全文などを並べて、会議の内容と会見での説明を比較してみると、メルトダウンの可能性について3月11日、12日の会議で既に語られているにも関わらず、官房長官会見でそのことは触れられていない、ということが浮かび上がってきます。メルトダウンの可能性が会議で指摘されていたにも関わらず国民には何故知らされなかったのか。このままでは意図的な隠蔽がおこなわれたのではという疑問は到底解消できません。

[参考]東日本大震災 – 枝野官房長官の会見全文記事一覧 – (朝日新聞社)
http://www.asahi.com/special/10005/edano_list.html [リンク]

[参考]政府・東京電力統合対策室 (旧:福島原子力発電所事故対策統合本部)議事概要
http://www.nisa.meti.go.jp/gensai/index.html [リンク]

[参考]東北地方太平洋沖地震緊急災害対策本部 議事概要、配布資料
http://www.bousai.go.jp/1info/higashinihon_taisaku/index.html

議事概要を読んで、記者が印象に残った部分を抜粋しておきます。

3月11日

・炉を止めて冷却用の緊急ディーゼル発電機を動かす必要があるが、津波でこれが動かない。電池で動く冷却等だけ動いている。これで8時間はもつ。
・8時間を超え炉心の温度があがるようなことになると、メルトダウンに至る可能性もあり。陸路及び空路でディーゼル発電機の代わりになるものを輸送中。
・10km範囲の人をどこかの時点で避難させる必要があるかもしれない。その準備のために宣言を、と経産大臣から上申。日本で初めてのことで波紋も呼ぶ。
・8tくらいの電源車を輸送するためには大型ヘリが必要。米軍に頼む可能性も。

3月12日

「3月11日:メルトダウンに至る可能性もあり」「3月12日:最悪の事態想定を」「3月16日:撤退なんてありえない」原子力災害対策本部会議メモの全容

○菅直人内閣総理大臣より下記のとおり挨拶。
・今朝6時から自衛隊のヘリコプターで現地を視察した。まず福島第一原子力発電所を訪れ、既に10km圏の待避を行っているが、その対処方について現地の責任者・行政の皆さんと話をした。その後、仙台から石巻の方向まで上空からも視察した。2
・大変強く感じたのは、今回の地震は津波地震であるということ。多くの海岸沿いで住宅地であったところがほとんど流失している。さらには海岸沿いでまだ火災が続いている。そういう地域が沢山あり、その一方で、上空から見る限りは津波以外の家の倒壊はあまり目立たない。まず津波による被害を含めて、この一日、どこまで救出作業が進むか大変重要な一日であると感じている。

「3月11日:メルトダウンに至る可能性もあり」「3月12日:最悪の事態想定を」「3月16日:撤退なんてありえない」原子力災害対策本部会議メモの全容

○菅直人内閣総理大臣から「楽観はできない」との発言。
○玄葉光一郎国家戦略担当大臣から「メルトダウンの可能性がある。避難地域は10kmでいいのか。考え直す必要はないのか。」との発言。

○海江田万里経済産業大臣
・引き続き、厳しい状況が続いているが、福島第一原子力発電所1号機の冷却を確保するため、原子炉圧力容器への海水注入といった手段の活用も含め、原子力関連施設の安全確保のためにできうる手段を、最大限取り組んでいく。
○玄葉光一郎国家戦略担当大臣から「最悪の事態想定を。」との発言。
○海江田万里経済産業大臣から、「福島第一2号機・3号機、福島第二1号機・2号機・4号機でベントを準備している。」との報告。
○菅直人内閣総理大臣から「チェルノブイリ型はありえるのか。スリーマイルの様なメルトダウンがありえるのか。」との発言。

3月13日

○海江田万里経済産業大臣から原子力発電所の現状について下記のとおり報告。
・昨日午後、1号機の建屋で爆発が生じるなど厳しい状況が続いているが、原子炉は頑丈な鋼鉄製の格納容器の中に納められており、深刻な破損はない旨報告を受けている。

3月14日

「3月11日:メルトダウンに至る可能性もあり」「3月12日:最悪の事態想定を」「3月16日:撤退なんてありえない」原子力災害対策本部会議メモの全容

○玄葉光一郎国家戦略担当大臣から「悪い情報も含めて情報を100%福島県知事と共有するることが大事。知事と話したが、現地の保安院の課長を通じて県に情報提供すべき。知事と大臣レベルで話をするべきではないか。次の段階に進むときも、知事と一緒に決めるべき。」との発言。
○海江田万里経済産業大臣から「今朝時点で、20km圏内の避難がほぼ終了した。」との発言。
○菅直人内閣総理大臣から「基本的には20km、10km圏から確実に避難いただければ、一番厳しい状況を想定しても大丈夫。20kmを超えて設定することは最悪の事態であって、20kmで十分というのが専門家の一致した見方。」との発言。
○玄葉光一郎国家戦略担当大臣から「違う専門家の意見もある。」との発言。

3月15日

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○菅直人内閣総理大臣から「東電との統合本部を設置した。福島第一で20kmの避難がほぼ完了、20~30kmは自宅避難を指示。福島第二の10kmも済み。水道、食料、農産物への影響について。濃度のモニタリングをしっかり行ってもらいたい。これを踏まえてどう対応するか、至急各省で検討して欲しい。」との発言。
○片山善博総務大臣から「実務オペレーションのリーダーは誰か。東電の要望への対応や、各省への協力要請に関連して、私のところにも様々な要請や依頼が入るが、趣旨のわからないものが多すぎる。それは何のためかと聞いても「わからない」という回答がある。消防活動への要請も断片的かつ子供っぽい印象だ。実務的オペレーションの統率がとれていない。誰が中心になっているのか。中心は地下のセンターでいいのか。」との発言。
○菅直人内閣総理大臣から「総理室隣の部屋でやっている。生データの90%は東電。今、経産大臣と細野補佐官を張り付けている。しかし、やりとりの歯車がまだうまく回っていない。」との発言。
○北澤俊美防衛大臣から「自衛隊でもモニタリングを行う。モニタリングのポイントを調整しよう。」との発言。
○中野寬成国家公安委員長から「警察も動いている。」との発言。
○髙木義明文部科学大臣から「モニタリングは一緒になって行い、そして公表すること。」との発言。
○枝野幸男内閣官房長官から「単位揃えてモニタリング数値を。」との発言。

3月16日

「3月11日:メルトダウンに至る可能性もあり」「3月12日:最悪の事態想定を」「3月16日:撤退なんてありえない」原子力災害対策本部会議メモの全容

○菅直人内閣総理大臣から「福島第一原子力発電所の状況はすべての原子炉に使用済み燃料を保管しているプールがある。原子炉は止まっているが、すべての使用済み燃料も冷やし続ける必要がある。4号機のプールは温度が上昇し、懸念される状況にある。5号機、6号機、福島第二原子力発電所も含めて同じことが懸念される。撤退なんてありえない。量からいうとチェルノブイリよりも多い物質がさらされることになる。何としても1~4号機を冷却しなければならない。これがうまくいってもまだまだ続く。」との発言。

3月17日

○玄葉国家戦略担当大臣から「これは戦争だ。勝つか負けるかだ。既に局地戦では負けているが、これから先、いかに負けを少なくするかだ。3つの『スリーマイル事故』が重なって起きているようなもの。最悪の事態を想定して住民を避難させるべきである。自分は専門家を交えてそのための住民避難の案を作ってある。」との発言。

以上です。時間があれば実際の議事概要をご自分で読んでみることをおすすめします。

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