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やってはいけない「励まし方」、効果的な「励まし方」

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コミュニケーション総合研究所代表理事の松橋良紀さん。そんな松橋さんに「コミュニケーションの極意」についてお話しいただくこのコーナー。第17回目は「やってはいけない励まし方・人を育てる効果的な励まし方」についてです。f:id:k_kushida:20170515180739j:plain

▲「先輩、実は相談が…」どうやら仕事で大きなミスをしてしまったらしい…あなたならどうやって励ましますか?

「私ったらいつもよく考えずに行動して失敗ばかりで…本当にダメだわ…」

「また部長に怒られてしまいました。この仕事に向いていないみたいです…」

このように同僚や後輩が落ち込んでいたら、あなたはどんな風に励ましていますか?

1.「この場合は、こう考えればいいんだよ」とアドバイスをする。

2.「がんばれよ!」「お前なら大丈夫だよ!」と明るい声で励ます。

3.「いやいや、俺なんてもっともっとひどかった」と自分の話をして励ます。

4.「よし、ストレス発散にカラオケでも行こう!」と気を紛らわす。

5.「この前、すごくいい仕事をしたじゃないか!あれはすごかった」と明るい話題で励ます。

励まし方は、この5つのうちいずれかでしょう。

このような励まし方をしている方は多いのではないでしょうか?

しかし、これらの励まし方は、相手にとってあまり意味がありません。実はやってはいけない励まし方なのです。

このような励まし方をしてしまうのは、特に男性に多いようです。

なぜ悪いのかを、説明しましょう。

1.アドバイスしてしまう

特に男性は、悩み事や愚痴を言われると、「解決してあげなくちゃ」と思います。

しかし、相手はアドバイスや励ましの言葉がほしくて、あなたに悩みや愚痴を言っているとは限りません。

相手が女性ならなおさらです。ただただ、自分の気持ちや境遇に共感してほしいだけのときのほうが、圧倒的に多いのです。

あなたがよかれと思って言ったアドバイスは、実は相手にとっては「内容も把握していない、ピンとのずれた余計なお世話」になっている可能性が高いです。

2.「がんばれ」と励ます

本人は本人なりにベストを尽くした結果、うまくいかないから落ち込みます。「がんばれ」という言葉は、「お前はがんばってない。やることをやってないぞ」という意味を感じさせてしまう危険をはらんでいるものです。

3.自分の話を例にして励ますパターン

一見すると相手を思いやった励ましをしているようですが、話ドロボウをした挙句、結果的に自分の自慢ストーリーになってしまうことがほとんどです。

4.気を紛らわすパターン

飲みに行っても、カラオケに行っても、悩みの根本解決にはならないことは明白です。

5.明るい話題で励ますパターン

「この前、すごくいい仕事をしたじゃないか!あれはすごかった」と、成功体験を引き出す励まし方は、この5つの中ではもっともいいです。ですが、あることをしないでいきなりこれをやると、心のバランスが保てません。

このように、ほとんどの人は、5つのどれかで励まします。

では、落ち込んでいる同僚や後輩を前にしたときに、どんな対応をするのがベストなのでしょうか?

まずは心のバケツの泥水を吐き出させてあげよう

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相手が落ち込んでいるときに大切なのは、その心にたまった泥水を捨ててもらうことです。

相手が悩み事や愚痴を他人に打ち明けるときというのは、心のバケツに泥水がたまって溢れている状態です。

心のバケツがいっぱいの状態では、きれいな水を受け入れる余裕がないということです。

どんなアドバイスも励ましも、受け取れる状態ではないのです。

まずは心の中の泥水を、すべて吐き出させてあげることが大切なのです。

そのために必要なのが傾聴です。

「なにがあったの?」「どうしたの?」「どうしてそう思うの?」と、話を促しながら、とにかく聴くことです。

あなたのアドバイスや励ましは、その時点では不要です。

誰かに聴いてもらうことでしか、心のバケツにたまった泥水を吐き出す方法はないのです。

「あなたの話を聴いていますよ」ということを示すのに有効なのが、オウム返しです。

たとえば、後輩が

「また部長に怒られてしまいました。この仕事に向いていないみたいです・・・」

と言ったら、「そうなんだ、部長に怒られたんだ…」とだけ返します。

そしてそれからは、相手の言葉を沈黙して待ちます。

そうすると相手は、こちらが話を促さなくても、いろいろ話し出してくるでしょう。

その話を、相槌を打ちながら、とにかく聴きます。

途中でアドバイスや口出しをしたくなっても、ぐっとガマンです。

話を聴くというのは、それだけで相手の心を癒す行為です。

心の悩みを解決する仕事といえば、カウンセラーでしょう。

カウンセラー養成講座で最初に教わるのが、聴き方の技術です。

カウンセラーの仕事は、9割が聴く仕事と言ってもいいでしょう。

それぐらい、人の話を聴くことは大切なのです。

しばらく話を聞いていると、そのうち相手が「なんか悩んでいるのがバカらしくなってきたなあ」「なんだかスッキリしてきました」と言ってきたら、あなたは相当の聴き上手です。

相手の心は、どんな偉い人の励ましを受けたときよりも、晴れやかになっていることでしょう。そこを目指しましょう。

相手を成長させる魔法とは?

人が育たない。

このように嘆く管理職は多いです。

それは、ある失敗をしているからです。

部下や後輩から仕事についての質問があると思います。

そんなとき、すぐアドバイスをするのはNGです。

その時の対応は、先程の悩み相談と同じく、聴くことを中心にすることで、人を育てることができます。

こう言うのです。

「そうだなあ…君は、どうすればいいと思うの?」

このように問えば、相手はまた自分の考えを語りだすでしょう。

もし間違っていても、いったんは、それに「とってもいい考えだね」「なるほどね」と賛同してください。

次に、「自分だったら、こうするかなあ。どう思う?」と尋ねます。

このような伝え方なら、押し付けがましさがありません。

部下のやる気に火をつけて、自発的な部下に成長させていきます。

簡単にアドバイスをすることは、人の成長を妨げます。

人の自発的な行動を引き出して、成長させるためにも、聞き方と質問を駆使していきましょう。

松橋良紀(まつはし・よしのり)

コミュニケーション総合研究所代表理事/一般社団法人日本聴き方協会代表理事/対人関係が激変するコミュニケーション改善の専門家/コミュニケーション本を約20冊の執筆家

1964年生青森市出身、青森東高校卒。ギタリストを目指して高校卒業後に上京して営業職に就くが、3年以上も売れずに借金まみれになりクビ寸前になる。30才で心理学を学ぶと、たった1ヶ月で全国430人中1位の成績に。営業16年間で、約1万件を超える対面営業と多くの社員研修を経験する。2007年にコミュニケーション総合研究所を設立。参加者が、すぐに成果が出るという口コミが広がり出版の機会を得る。NHKで特集されたり、雑誌の取材なども多く、マスコミでも多数紹介される。

約20冊で累計30万部を超えるベストセラー作家としても活躍。「コミュニケーションで悩む人をゼロにする!」を合言葉に奮闘中。

著書

「あたりまえだけどなかなかできない聞き方のルール」(明日香出版社)

「相手がべらべらしゃべりだす!『聞き方会話術』」(ダイヤモンド社)

「人見知りのための沈黙営業術」(KADOKAWA)

「何を話したらいいのかわからない人のための雑談のルール」(KAODOKAWA)

「話し方で成功する人と失敗する人の習慣」(明日香出版社)

公式サイト http://nlp-oneness.com

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