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日本企業で成果主義が根付かない本当の理由

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日本企業で成果主義が根付かない本当の理由

自分が会社から正当に評価されているのか、というのは労働者にとって最も気になる問題だ。

もし、貢献度や成し遂げたことの割に給料が低いと感じたら、当然働くモチベーションは下がり、自分をもっと高く評価してくれる会社に転職してしまうだろう。

この種の人材流出は会社にとって脅威だ。言いかえれば、成果を残した人材が納得する評価を受けられる人事評価制度は会社の業績を左右するといえる。

『人事評価制度だけで利益が3割上がる!』(きこ書房刊)は労使ともに納得感を持ち、従業員の生産性を高め、業績の向上に結びつける人事評価制度が解説されている。

この評価制度はどのようなもので、どのように運用されてゆくべきものか。著者の高橋恭介さんにお話を聞いた。

■日本企業で成果主義が根付かない本当の理由

――『人事評価制度だけで利益が3割上がる!』についてお話を伺えればと思います。高橋さんは、本書の中で独自に構築した企業向けの人事評価制度を提唱しています。この評価制度は、基本的には成果主義に基づいていると考えていいのでしょうか。

高橋:成果をもとに評価するという意味では確かに成果主義に基づいていますが、一般的なイメージとしての成果主義とはまったく違うものです。

世の中で言われている成果主義の場合、たとえば売上であったり利益であったりと、最終的な業績に連動する成果軸のみで評価する、いってみれば「結果主義」ともいえるものです。

私が提唱している評価制度は、結果に至るまでのプロセスも重視して評価をするので、そこの部分に大きな違いがあります。

――いわゆる「成果主義」が日本の企業でいまひとつ定着しないのも、そのあたりに理由がありそうです。

高橋:やはり、短期的な数値目標とそれを達成したかどうかという視点だけで、プロセスも評価するという考え方がなかったことが理由だと思いますね。

日本の成果主義は欧米から入ってきたものですが、じゃあ欧米の企業はどうかというと、結果だけで評価するようなことはありません。プロセスまで追って評価するという緻密なシステムを持っている会社が多いんです。

――日本はまちがったマネの仕方をしてしまった。

高橋:まちがったかどうかはともかく、表面的なのは確かです。従業員個々人に対して適切な目標設定をしたり、それをいかにジャッジするかを決めるという労力のかかるところを避けて、「結果を出せば昇給、出なければ給料は上がらない」というところだけを採り入れてしまった。

欧米型の成果主義にしても、目標の設定から賃金の支給まで、一人ひとりが納得するように個別管理を徹底してはじめて機能するものです。その部分を置き去りにして表層だけをマネしてしまったことが、成果主義が根付かない原因としてあるのではないかと思います。

――高橋さんの評価制度は、欧米型の成果主義に基づく評価制度とはまた別のものなのでしょうか。

高橋:そうですね。「人材育成」という要素を多分にはらんでいるので、そこは欧米にはあまりないものだと思っています。

――高橋さんの提唱するものに限らず、公正な評価制度はどんな会社にもあってしかるべきものです。評価制度として機能する評価の仕組みをもっている会社というのは現在どの程度あるのでしょうか。

高橋:私が考える評価制度の最低限の運用ルールは、評価点の算出が従業員の個人としての業務上の目標に関与していて、自分が何点だったかが1点単位でわかること。その点数が自分の基本給とダイレクトに連動していることです。

これが実現できている会社というと、少なくとも経団連クラスの大企業には1社もないのではないかと思います。

――今おっしゃったような評価制度を採用することによって、長時間労働や低生産性など、企業が抱えるさまざまな問題の解決に繋がるとされています。たとえば、長時間労働については、「上司の評価に、部下の残業時間を入れる」という策を示していますが、長時間労働の場合、仕事量が人員に見合っていないことも一因であり、評価制度だけで解決できる問題ではないのではないかという疑問を感じました。

高橋:もちろん、それもあると思います。そのことも含めて、長時間労働の問題は経営側の取り組みになります。

今の人員に対して仕事量が過剰ならば、仕事の仕方自体を変える必要があると思いますし、利益計画を修正してでも人員を確保するという方向に向かわなければいけません。

それと同時に仕事の質の向上ですよね。無制限に働ける時の仕事の質と、働ける時間が限られた中での仕事の質では、まちがいなく後者の方が、質が高くなります。

評価制度を設けることで、各人が自分に求められているものと、何が評価されるのかという評価点がクリアになるため、限られた時間の中で質の高い仕事をするという方向に働く人の意識は向かうはずで、そこを追求して生産性向上と業務効率を改善しつつ、それでも溢れてしまった仕事については利益を諦める潔さも、経営者には必要だと思っています。

(後編につづく)

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