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「有言不実行」がイノベーションを生む インテルジャパン元社長が語るマネジメント論

「有言不実行」がイノベーションを生む インテルジャパン元社長が語るマネジメント論

働き方改革が叫ばれ、長時間労働への世間の目が厳しくなる中で、中間管理職たちは部下たちの仕事の成果と労働時間の兼ね合いを取るという、働き方の指導を求められています。

この状況に自分自身がストレスにさらされて潰れそうな人と颯爽と部下たちの信頼を勝ち得て成果を上げる人、両者の違いはどこにあるのか。

その秘密を探るべく、『一流マネジャーの仕事の哲学 突き抜ける結果を出すための53の具体策』(日経BP刊)の著者で、管理職に向けたビジネスアカデミー「西岡塾」を主宰する西岡郁夫さんにお話をうかがいました。

(新刊JP編集部)

――「働き方」という観点でも、中間管理職はカギになるポジションです。長時間労働が問題視される一方で仕事量は減らず、上司からは成果を求められるといった状況でどのようにマネジメントをしていくべきだとお考えですか?

西岡:我々は会社に対して仕事の成果を売っているのです。会社に拘束される時間数を売っているわけではありません。職務規定で1日の拘束時間が8時間と規定されている場合は原則8時間働かなければなりませんが、残業をすることは強要されないはずです。時代の流れで会社は残業を極力少なくしようとしています。これはチャンスです。全力で仕事をして十分な成果を出せば、誰が何と言おうと残業などしないで胸を張って帰れるはずです。時間内に生産性高く働いて成果を出して、「長時間労働をしていること=良く働いていること」という誤った考え方をみんなで払しょくして行こうではありませんか。

中間管理職になると残業という仕組みがなくなりますから余計に注意しなければなりませんね。成果を問われる矢面にいるわけですから職場の成果が上がっていないと自分はついつい帰りずらいことになります。上司がグズグズしていると日本人的感覚で部下も帰り難い。これでは元の木阿弥です。

――しかし、会社全体の文化として長時間労働が根付いていると、なかなか一人の上司が変えるのは難しい面もあります。

西岡:そんなことはありません。自分の部署、自分のチーム単位で時間内に徹底して集中して仕事をして成果を上げればいいのです。成果を上げているのに長時間労働をしていないからと非難する会社はもう存在し得ません。

長時間労働が良くないということは誰もがわかっていることですから中間管理職が「うちのチームは働き方を変えて、成果を出して早く帰るようにしよう。成果はこうやって出そう」と音頭を取ってあげれば、邪魔をする人間などいないでしょう。

――本の中で特に印象に残ったのが、中間管理職の心得として挙げている「有言不実行」の箇所です。できそうにないことでも、やるべきことは提案すべきという意味ですが、これは大切なことですね。

西岡:「有言不実行」を中間管理職の心得というのは少し違います。その企業にイノベーションが必要ないなら「有言実行」でもいいのです。私が言いたいのは「有言実行」ではイノベーションが起こせませんよということです。「やります」と言ってそれをすべて実行できるということは「とっても出来そうもないような難しいことを提言しているわけではない」ということです。現状の自分には難し過ぎることでも、現状の自分の部署には難し過ぎることでも、組織としてやるべきであること「やるべきだと提言する」ことが重要です。でないとイノベーションは起こせません。

「有言不実行」という言葉の順番からは、言ったことをやらない不誠実な人のようですが、そういう意味ではありません。

組織にいると、どうしても「今の自分にできること」をベースに物事を考えてしまいがちですが、それだとどうしても発想は限られてしまいます。会社には「有言実行」でコツコツやる人も必要ですが、事業を大きく発展させるには「有言不実行」の人が必要なのです。中間管理職の人は若者の「有言不実行」を邪魔しないようにしなければなりません。

――「一流マネジャーの仕事の哲学」の中では「自己変革」という言葉で、自分を変える勇気を持ち続けることの大切さを説いています。この「自己変革」で自分を良い方向に変えていくために、どんな取り組みをすればいいのでしょうか。

西岡:自分のことを100%問題なしだと思っている人はいません。誰でも自分の弱い部分や欠点を自覚していますし、会社で活躍したり、人生を充実したものにするためには、その部分を変えていかないといけないということもわかっています。

ただ、自分をよりよく変革していくためにも、まずは自分がどういう人間かを知らないといけません。自覚している欠点が本当に欠点なのか、長所が本当に長所なのか、自分のことを正確に把握している人は案外少ないんです。

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