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アマゾンのライブビジネス「Prime Live Events」は音楽業界にどう影響を与えるか

アマゾンのライブビジネス「Prime Live Events」は音楽業界にどう影響を与えるか

アマゾンがコンサートビジネスをイギリスで開始しました。「Prime Live Events」という名称のイベントで、プライム会員向けの小規模なイベントをアマゾンが手掛けます。アマゾンのライブ事業への本格参入は、今回が初めて。アマゾンは「メジャーなアーティストのライブを、有名かつ親密感ある会場、間近でパーソナルに体験できる」と説明しています。

5月23日には、ニューヨーク出身のニューウェーブ・バンド「ブロンディ」(Blondie)が、6月12日には元ヤズーのイギリス人シンガーソングライター、アリソン・モエット(Alison Moyet)のライブと、ファンとのQ&Aセッションが予定されています。ブロンディのサイトでも、ライブの告知は行われていますので、オフィシャルイベントとしての扱いであると言えます(プライベートイベントやファンクラブイベントではない)。会場は、ロンドンのハックニーにあるRound Chapel。キャパシティは約750人と、アマゾンが目指す「親密感」の規模が想像できます(都内なら、渋谷のQUATTROが同じ規模)。

Introducing Prime Live Events. Major artists, intimate venues, exclusive to Prime: https://t.co/uBqZgNyB88 pic.twitter.com/WICHFuf6oC— Prime Live Events (@PrimeLiveEvents) 2017年5月9日

チケットはアマゾンのサイトのみでの販売で、払い戻しや転売は行えない仕組み。紙チケットの発券もありません。その代わり、購入者のID(名前)が会場のゲストリストに登録され、当日は写真付きIDを持ってくるだけで入場ができる、アマゾンらしい便利な仕組みになっています。

チケット購入の手順は、アマゾンのサイト内で人数を選ぶだけ。IDやパスワードのサインインもなく、簡単なプロセスで買えます。ブロンディのチケットは一律150ポンド(約2万円)で発売されています。アマゾンはチケット価格を75〜150ポンド(約1〜2万円)と表示していますが、今後変わっていくかもしれません。

アマゾンは、コンサートの模様をプライム会員向けにPrime Videoで公開していく予定。

2016年には、イギリスでライブをテストしており、すでにロビー・ウィリアムスとジョン・レジェンドというアリーナ/スタジアムクラスの大物2人がそれぞれSt. John’s HackneyとRound Chapelという小規模ベニューでライブを行いました。

業界と一線を画す、アマゾンの音楽戦略

このように書くと、アマゾンが「ライブビジネス市場に本格参入」と思う人が多いかと思います。しかし、アマゾンがイギリスで始めたチケット販売サービス「Amazon Tickets」とPrime Live Eventsは、アマゾンにとっては、プライム会員を拡大するためのサービスであり、音楽業界で勢いがあるライブ市場から収益を取ろうとは考えていないはずです。

関連記事 Amazonが狙う3兆円産業、プライム会員限定の「ライブ事業」に参入 (BUSINESS INSIDER JAPAN)

もしアマゾンが今後の世界のライブ市場に打って出て、ライブ・ネイションやAEGといった大手プロモーター、または日本のクリエイティブマンやキョードー東京といったローカル市場に圧倒的な強みを持つプロモーターと競合するというなら、あまりにも音楽業界やアーティスト、マネジメントとの関係性やイベントのノウハウといった面で不利な立場にあり、それらを補うために長期の戦略が必要でしょう。音楽プロモーターとは、全く異なるビジネスモデルで、ライブビジネスを見ているのがアマゾンです。

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