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帝国データバンクの信用調査マンが明かす「倒産する会社」の兆候とは?

帝国データバンクの信用調査マンが明かす「倒産する会社」の兆候とは?

■「ヒト」「モノ」「カネ」で倒産の兆候は見えてくる

1年間で「8164件」。

これは2016年に倒産した企業の数だ。

じつは、リーマンショック後の2009年12月に中小企業金融円滑法が施行されてから、企業倒産は2010年以降、7年連続で減少している。

とはいえ、経済やビジネスの世界は、一寸先は闇なのが常だ。どんな企業や会社も、倒産のリスクと無縁ではない。

トップが戦略を一手間違えるだけで、堅調な業績が崩れていくこともある。経営者はそのことを肝に命じておかなければならないし、そこで働く社員も自分の生活を守るために、自分が働いている会社の動向には注意を払っておきたいものだ。

では、どうすれば「倒産の兆候」を見極めることができるのだろうか。

それを教えてくれる一冊が『あの会社はこうして潰れた』(藤森徹著、日本経済新聞出版社刊)だ。

著者の藤森氏は、帝国データバンクで倒産を扱う「情報部」で25年間企業取材を行い、大阪支社、福岡支社を経て、東京支社情報部長を務めた倒産情報のエキスパート。

著者曰く、信用調査マンは倒産の予兆をキャッチするのに「ヒト」「モノ」「カネ」の3つのポイントを見るという。

まずは「ヒト」

わかりやすいところでは、大量採用や大量離職が起きている会社は要注意。また、会社の管理職――特に営業部長、経理部長が辞めるタイミングは、一つの目安になるという。

さらに、経営トップの肩書きが多い場合も危ない。

業界団体の役職や政治団体の肩書きが増えると本業がおろそかになる。経営を部下に任せがちになるので、気づいたら火の車、ということが往々にしてあるようだ。

次に「モノ」

高価な商品を叩き売っているという情報は重要だ。在庫を一掃しようとしているか、高額商品を叩き売らないとキャッシュフローが追いつかないといった背景が見て取れる。

また、急激な製品発注や購買量の増加にも危険信号。経営が立ち行かなくなって、民事再生法などを申請した後に、継続して営業する狙いが隠れている場合があるからだ。

流通大手などからの大口の返品やトラブルの情報も重要なポイントだという。

最後は「カネ」。やはりこのポイントがもっとも倒産の予兆を感じさせるようだ。

月末に支払われるはずのお金が入ってこない、月末になると経理担当者や社長がつかまらない、といった場合はかなり危ういという。

また、信用調査マンが特に注目するのが、メガバンクや地方銀行、信用金庫から受けられる「手形割引」だ。資金繰りの厳しい会社は、この「手形割引」がもらえなくなるので、経営に異変があったと判断できるのだ。

■大ヒット商品を生み出しても倒産する会社

本書では、元々は、日経新聞の電子版で掲載されていた「企業信用調査マンの目」というコラムをまとめたもので、著者が見てきた数々の倒産事例を取り上げ、なぜその会社が倒産してしまったのか、何が転換点になったのかを解説している。

本書を読むと、意外な会社がすでに倒産していることがわかる。

例えば、「ひんやりジェルマット」が大ヒットした寝具、畳製品、衣料品を扱っていた中堅メーカーヒラカワコーポレーションは、2016年に自己破産を申請した。

東日本大震災をきっかけに節電意識が高まったことで「ひんやりジェルマット」の需要が拡大し、大きな収益を上げたが、その後の大幅な設備投資に見合う収益を上げることができず、倒産への道を辿った。

また、シュールな設定でブームを巻き起こした絵本「こびとづかん」を出版した長崎出版も、2014年に自己破産をしている。

大ヒットを生み出して一時は売上高16倍となった同社だが、トップが本業以外の投融資でことごとく失敗をしたことが没落の原因だったようだ。

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