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エッジの立った社員を生かして「働きがいナンバーワン」――アスペルガー傾向と向き合うIT企業の仕組みとは

f:id:k_kushida:20170509181333j:plain 「GPTW(Great Place To Work)インスティテュート」の働きがいのある会社ランキング、従業員100人未満の部門で“2年連続日本一”に輝いた横浜市のIT企業、アクロクエストテクノロジー株式会社。同社は、ユニークな社内制度を数多く整備していることで広く知られています。その中でも、とりわけ異彩を放っているのが、コミュニケーションでつまずきやすいアスペルガー症候群(自閉スペクトラム、AS)の傾向がある人も技術者に迎え、適性を業務に生かしている点です。そのベースとなる同社の社風や、間もなく8年目となるASへの具体的な取り組みについて、共同創業者で人事担当の新免玲子副社長に伺いました。f:id:k_kushida:20170509180841j:plain

▲アクロクエストテクノロジー株式会社 取締役副社長 新免玲子氏

先端を追求するオープンな会社

―2015年、16年と連続で“働きがいのある会社日本一”。17年のランキングでも2位でしたが、まず会社の概要から教えてください。

ITエンジニアの夫が1991年に興した、企業向けのソフトウエア開発やITコンサルタントを柱とする会社です。今はおよそ80人の従業員と、業務委託のエンジニアが働いています。

「アクロクエスト」という社名は、直訳すると「先端の追求」。事業内容の一つのJava障害解決では、突然のシステム障害などでよくトラブルシューティングを依頼されますが、ここまで解決率は「100%」。開発の領域は時代に合わせて変化を続けていて、現在はビッグデータをリアルタイムで処理・分析できるシステムなどを提供しています。

そもそも夫と私が起業した理由のひとつに、「会社組織の中で現場の声を上げてもマネジメントに届きづらい」と感じていたことがあり、それだけにずっと「建設的な意見が通るオープンな職場にしたい」と考えてきました。また、IT企業にとってエンジニアは全財産と言ってよいほど大切な存在。いつも最先端を手がけるとんがった社風で、優秀な人を呼び込みたいという思いもありました。

―従業員の報酬を年1回、全員参加の場で話し合って決めるなどユニークな社内制度が多くありますね。

そうですね。全員参加による給与・賞与の査定は20年以上続けています。始めた当初はなかなか思うようにいきませんでしたが、試行錯誤を経て定着した今では、日取りの設定や議事の進行など、人事ではない担当社員で構成された査定コミティチームがすべてを仕切っています。

各自の自己査定と、上司を含めた360度による評価が適切かどうか話し合うので、よく社外の方からは「ギスギスした雰囲気にならないか」と聞かれますが、ならないんです。誰しも失敗するし、成果の出ない時期もあるとみんな理解していますし、あとは最後の1人が納得するまで徹底的に話し合っているからだと思います。「1人についての議論だけで3時間」という年もありますよ。

他にもユニークな制度として、例えば「花一輪」というものがあります。社員の誕生日に他の社員が1輪ずつ花を贈って祝うという習慣です。色や品種など、その日の主役に合うイメージのものを考えて選ぶのがポイント。持ち寄られた花、花と一緒に交わす言葉から、お互いへの理解が形になって見えるという人気の制度です。

社員の健康のため、ちゅうちょせず自宅を訪問

―若手の独身社員が住む部屋を、上司がチェックしに行くことがあると聞きました。

はい。しかも、室内の乱雑さが、あまりにも改善されない場合は住宅補助をカットする決まりなので、自室に入られる部下だけでなく、部下を指導する立場の上司にもプレッシャーがかかります。もし同じことをしようとしたら、多くの会社では「プライバシーの侵害だ」と大騒ぎになるでしょうね。どうして当社でそんな制度が成り立つ事になったのかは、健康管理、特にうつの早期発見に必要だと社員が理解しているからです。

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