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認知症について相談できる逃げ場はありますか?

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認知症のことを相談できる人や逃げ場はありますか?

こんにちは。「認知症介護よりそいケアアドバイザー」石川深雪です。現在、わたしは介護の仕事をしている人や、家族の介護をしている人の相談に乗らせていただいています。介護現場で、家庭で、認知症の人をとりまく環境がどのようになっているのか。ほんの一例ではありますが、お話させていただきます。

認知症の人をとりまく環境がよくわかる事例

次の3つは、認知症の介護に関わる方たちから私のもとに寄せられた相談です。これら3つにはある共通項があります。

母の介護認定の有効期限が切れそう(60代・女性Aさん)

Aさんは、同居の母親の介護認定の有効期限が切れそうだが、どうしたらいいかと悩んでおられました。お母様は介護サービスを使うことを拒否されており、ケアマネジャーもついていませんでした。Aさんは、「自分の仕事と母親の介護でとても疲れている。だけど頼れる親戚も近くにおらず、どこに相談をしたらいいかわからない。」と、ネット上で見つけたわたしに連絡をくださいました。

ヘルパーが勝手に帰ってしまった(60代・男性Bさん)

Bさんは奥様が若年性認知症と診断され、10年ほどたちます。ヘルパーと小規模デイサービスを利用していました。そのヘルパーが、訪問時間が終わっていないのに帰宅してしまった、というのです。奥様にケガや変わったことはなかったが、「こういうときはどうしたらいいのか?」とのご相談でした。Bさんはそのことについて、ヘルパーの事業所にも、ケアマネジャーにも話していませんでした。

倒れているお年寄りを発見したが…(40代・男性Cさん)

Cさんは訪問介護の仕事をされています。先日、あるおばあちゃんのお宅へ訪問した際に、その方が部屋で倒れているのを発見しました。認知症のある方で、頭を打ったかどうかなどの記憶もあいまい。上司に連絡をすると、「1時間くらいしたら行くから、次の訪問先へ行くように」との指示が出たそうです。Cさんは、「その1時間の間になにかあったらどうするんだ!なぜもっと早く対応できる方法を考えてくれないんだ」というやり場のない思いを抱えてみえました。

この3つの事例から見えること

読んでみて、お気づきでしょうか?みなさん、身近に相談できる人がいないんです。正確に言えば「相談できる人がいるのに、見つけられていないんです。

「役所はあてにならない」と思い込んでいませんか?

Aさんは、「役所はあてにならない」との思いから、相談に行くことをためらっていました。そうは言っても、わたしが遠方まで飛んで手続きを手伝うこともできませんので、まずは「認定がきれてしまう」という電話だけでもしてほしいとお話しました。その後は役所から訪問があり、お母さんとも上手に話をして下さったそうで認定の更新手続きができて、デイサービスの利用にもつながったそうです。

ヘルパーに“遠慮”していませんか?

Bさんは、「普段お世話になっているんだから、少しは目をつぶろうか」と考えていたようです。同じように考える人にこれまで何人かお会いしました。その考え方は捨ててください。みなさんは、お金を払って、自分や大切な人の身体を、時には命を預けているんです。考えてみて下さい。レストランに食事に行ってお金を払って料理を注文したのに、食べられないものや食べると危険なものが出てきたら…。怒りませんか?それと同じことです。事業所に言いにくければケアマネ、それも難しければ役所、それも抵抗あれば、身近な人にまずは起こったことを話してくださいね。

誰に相談していいかわからない状態なら・・・

Cさんは、まだ勤め始めて間もないこともあり、誰に相談していいかわからない状態でした。そこへ今回のことがあり、不信感や不安、怒りが溢れていました。そこで、お話をしながら少しずつまわりの環境を整理していきました。直属の上司に相談できないのであれば、その上の人は?ほかのリーダーは?同じスタッフの中で同じ悩みを抱えてそうな人はいない?いきなり相談しにくければ、「まだ経験が浅いからいろいろ教えてください~」っていうところから話を持っていくとか…。しばらく話をしていくと、話しかけやすそうな人がいる、ということ。小さな事業所なので経営者とも話ができそう。ということが見えてきました。

まとめ

認知症介護では、本人の記憶があいまいなことが多いために事実が外に出にくいことが多々あります。介護の大変さをわかっているからこそ、「やってもらっているのに申し訳ない」とクレームを我慢してしまうご家族もいます。介護の仕事をしている人は、「忙しい」「誰に相談していいかわからない」などの理由から、悩みを一人で抱えているケースが少なくありません。

悩んでいる本人は頭がパンクしそうになってまわりが見えなくなることもあります。ケアマネさん、介護従業員のみなさん、役所のみなさん。利用者さんやそのご家族に「困ったらここへ相談してね」「相談していいんだよ」って、相談窓口についてしっかり伝わるまで言ってあげてください。

介護職員さんも、自分自身の身を守る為に、相談できる人や逃げ場を見つけておいてくださいね。わたしは3年ほど前に、仕事の悩みをひとりで抱え込み過ぎてうつ状態になりました。大好きなはずの仕事に行けなくなりました。その時に、たったひとり、心許せる人がいただけで本当に救われたんです。わたしは「ひとりで頑張らない介護」「自分のことも大切にする介護」をおススメします。

この記事を書いた人

石川深雪

大学卒業後、15年間介護職として勤務。そのうち10年間はグループホームに勤務し、認知症介護の魅力にひきこまれる。3年前、人間関係のストレスからうつ状態になり、その後回復。それらの経験から、「介護の仕事をする人のサポートをしたい」「認知症介護の魅力を発信したい」と強く思うようになり、2017年1月に独立。現在はLINE@を利用しての仕事の悩み相談や、メルマガブログにより介護に関する情報を発信中。今後はセミナー講師としても活動していく。[保有資格]介護福祉士、社会福祉士、保育士、認知症介護実践者研修修了

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