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大ヒット小説がアニメ映画化『夜は短し歩けよ乙女』 原作と映画を比べてみると…?

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大ヒット小説がアニメ映画化『夜は短し歩けよ乙女』 原作と映画を比べてみると…?

今年のゴールデンウイーク映画は、コミックや小説を原作に持つ作品で賑わっている。

沙村広明の人気コミックが原作で木村拓哉主演の『無限の住人』。士郎正宗原作・押井守監督のアニメ映画作品をリメイクした実写映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』。山本幸久が執筆した小説すばる新人賞受賞作品を映画化した『笑う招き猫』などなど。

そんな「原作映画」ラッシュにあって、ひときわ異彩を放つアニメーション映画がある。森見登美彦原作の『夜は短し歩けよ乙女』だ

原作の『夜は短し歩けよ乙女』(角川書店刊)は、累計130万部を超えるベストセラー小説で、山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞でも2位に輝いた人気作だ。

映画には、同氏の小説『四畳半神話大系』のTVアニメシリーズを手がけた製作陣が集結。キャストも星野源、花澤香菜、神谷浩史、秋山竜次(ロバート)など、豪華な顔ぶれが揃う。

森見登美彦の小説といえば、独特の文体とクセの世界観が際立つことで知られる作家だ。湯浅政明監督はその世界観を独特の色彩や動きで見事に表現している。

さて。本作は、京都を舞台に、恋に奥手な“こじらせ大学生”の「先輩」と、自由奔放天真爛漫な「黒髪の乙女」の風変わりな青春恋愛物語である。原作では一年の出来事が、春夏秋冬で4章に渡って展開されていくが、映画ではこれを一夜の出来事として描いている。

「一年」の出来事を「一夜」に凝縮するのは乱暴なように思えるかもしれないが、原作者と監督の織りなす独特の世界観によって、「それもアリ」と違和感なく受け入れられる。まるで、不思議な世界のジェットコースターに乗ったような感覚で観られるのは、原作を読んだ時の感覚に近いものがある。

また、映画のキャッチコピーは「こうして出逢ったのも、何かのご縁」であるが、「先輩」と「黒髪の乙女」は夜の飲み屋、古本市、学園祭へと赴く先で、個性豊かな人々と縁を持ち、何かとおかしな出来事に行き合う。

この「縁」は、本作の重要なキーワードだが、それを印象的に見せているワンシーンがある。

「先輩」は「黒髪の乙女」を追って、夜の古本市へたどり着くが、そこで「古本市の神」を名乗る少年と出会う。そして、少年は「本はみんなつながっている」という話を「先輩」に語り始めるのだ。その部分を原作から少しだけ抜粋してみよう。

“最初にあんたはシャーロック・ホームズ全集を見つけた。著者のコナン・ドイルはSFと言うべき『失われた世界』を書いたが、それはフランスの作家ジュール・ヴェルヌの影響を受けたからだ。そのヴェルヌが『アドリア海の復讐』を書いたのは、アレクサンドル・デュマを尊敬していたからだ。そしてデュマの『モンテ・クリスト伯』を日本で翻訳したのが「萬朝報」の黒岩涙香。彼は……(以下略)”

映画でも、この部分はほぼ原作に忠実な形で再現されている。

二人が出会う人々も、無関係なように見えてそれぞれが少しずつ縁を持っていたり、人の縁が別の縁を取り持ったりもする。

では、肝心の「先輩」と「黒髪の乙女」の縁はどうなるかといえば、それは本作を見てのお楽しみだ。

ちなみに筆者は映画を観てから原作を読んだが、映画と原作どちらから入っても楽しめるだろう。映画を観てから小説を手に取るのもひとつの「縁」なら、小説を読んでから映像作品に触れるのも、ひとつの「縁」だ。

そして、鑑賞後もしくは読了後には、きっと「電気ブラン」というお酒と「ラ・タ・タ・タム」という絵本と「縁」を持ちたくなるだろう。ゴールデンウイークの締めくくりに「縁」を広げてみてはいかがだろうか。

(ライター:大村佑介)

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