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大阪市・野村調査チームの中間報告書が発表される「大阪市役所で発見された違法ないし不適正行為について」

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野村調査チームの中間報告書

大阪市職員の勤務中の問題を調査している第三者調査チーム(代表:野村修也弁護士)による中間報告書が大阪プレスクラブのサイトにて公開されました。

大阪プレスクラブ
http://osaka.japanpressclub.com/


野村中間報告:大阪市における最近の主な不祥事処分事案

野村中間報告:別紙写真

大阪市・第三者調査チーム中間報告「大阪市役所で発見された違法ないし不適正行為について」(書き起こし)

大阪プレスクラブによる中間報告書の書き起こしを転載いたします。

大阪市役所で発見された違法ないし不適正行為について

第三者調査チーム代表
野村修也

Ⅰ第三者調査チーム
 大阪市役所の業務については、市会・市民団体・マスコミ等から数々の違法ないし不適正行為(以下、違法行為等という。)が指摘されており、その撲滅を図ることが喫緊の課題となっている。しかしこれまでの市長部局等の調査では表面的な確認しか行われず、その全貌解明は期待できない状況にある。そこで、平成24年1月、橋下市長の命により、市の職員以外の第三者からなる調査チーム(以下「第三者調査チーム」という。)が設けられ、独立した立場から、大阪市役所における違法行為等の実態を徹底的に解明することとなった。第三者調査チームの活動については、市長から、市の職員に対して誠実に対応するよう命じられているが、第三者調査チームによる調査方法や調査内容に関しては、市長はもちろんのこと市会議員からも一切の介入は行われていない。

 第三者調査チームの目的は、大阪市役所内の違法行為等の実態を徹底的に解明し、大阪市政の健全化を図ることにある。違法行為等によって利権を得ている者を正し、その半面で虐げられている職員を救うことができれば、他の職員にとっても、違法行為等を知りながら見て見ぬふりをする必要がなくなり、職場に自信と活気が戻ることが期待できる。

Ⅱ 大阪市役所で発覚した違法行為等(中間報告)
【1】ヤミ便宜供与
平成17年9月29日に見直された「庁舎使用にかかる組合支部に対する便宜供与の考え方(指針)について」によれば、便宜供与できる範囲は、ロッカー2~3台、コピー機・ファックス・パソコン・プリンター・輪転機など各1台、掲示板を設置するスペースに限られていた(ロッカーや事務機器等それ自体は組合の費用で購入すべきものとされていた)。また、組合活動のための会議室使用は、職務免除を受けた時間および勤務時間外に限られることになっていた。しかも、これらの便宜供与を受けるためには、正式に申請書を提出し、許可を得ることが必要であった。
交通局は、違法な組合活動が市会で指摘されたのを受けて、平成24年1月18日をもって、交通局の全事業所における便宜供与の許可を取り消すことにした。しかし、交通局は、その時点において下記のようなルール違反の便宜供与(以下「ヤミ便宜供与」という。)が行われていることを認識していたにもかかわらずそれを隠蔽し、あたかもルール内の便宜供与だけを廃止するかのように装っていた。
また、区役所の中には、敷地内の離れのようなところに、所有者の分からない私物が散らかっていることころがあり、その中に組合の資料が含まれていたことから、ここでもまた、ヤミ便宜供与が行われていた疑いがある。

(1)大阪市交通局による労働組合への「ヤミ便宜供与」
1.交通局庁舎内 <別紙写真 交通局庁舎内 会議室>
ア.正規の手続きを踏んでいないにもかかわらず、交通局が明示的に認めている便宜供与
相談室 運輸職員支部の机(椅子は交通局の備品)
入室の選定(注:職場安全衛生推進委員に任命された組合員に対しては自由な解錠を認めていた。)
倉庫 組合の備品
印刷室 キャビネット2台
相談室 キャビネット1台
入室の選定(注:同上)
第12会議室 キャビネット5台
第13会議室 キャビネット6台

イ.交通局が明示的に認めていないが、黙認している便宜供与
厚生課倉庫 組合備品(冷蔵庫、机、ソファー、パソコン、テレビ、プリンターなど)
第12会議室 キャビネット1台、FAX
第13会議室 キャビネット1台
湯沸室 組合備品(電子レンジ、ポット、食器乾燥器)
ウ.組合による交通局庁舎会議室の優先使用および勤務時間内利用を黙認
1階 大会議室 組合の優先使用(中央委員会等)
14階 第12会議室 勤務時間外の使用
第13会議室 勤務時間外の使用
平成23年11月の入退出記録によれば、第12及び第13会議室を組合が勤務時間内に使用した形跡がある。

2.地下鉄の駅構内及び乗務所並びにバス営業所
ア.地下鉄・天神橋筋六丁目駅 <別紙写真 地下鉄・天神橋筋六丁目駅>
便宜供与の手続きを踏まずに談話室を組合に提供していた。
その中には、家具類、事務設備、冷蔵庫など組合所有の備品が並べられており、管理者はこれを黙認していた。
「撤去予定」との紙を張っているものの、冷蔵庫は使用中であった。
また、管理者は、本年2月以降も、組合が労働金庫の事務代行業務を行うためにこの部屋を利用することを許可していた。
なお、「撤去予定」と紙の張られた書類棚には、労働金庫の申請書類が多数入っていた。
イ.地下鉄・天王寺駅 <別紙写真 地下鉄・天王寺駅>
管理者によると、便宜供与の手続を踏んでいない物品類については、我々が訪れた3日前に組合が引き揚げたとのことであり、
便宜供与の手続を踏んでいた物品類は、「撤去予定」の紙を張り、放置されたままになっていた。
ウ.バス・中津営業所 <別紙写真 バス・中津営業所>
管理者から「全ての便宜供与品を処分した」との説明を受けた後に確認したところ、会議室が卓球場となっていた。
また、トレーニングルームは我々が訪問した時も使用されていた。
管理者に問いただすと、「全ての便宜供与品」とは、「組合の所有であることが明らかなもの」という意味で述べたとの説明であった。

(2)区役所における「ヤミ便宜供与」の疑い
1.都島区役所 <別紙写真 都島区役所>
分館に和室があり、囲碁等の娯楽用具、私物と思われる書籍類が多数置かれており、倉庫内には卓球台・ラケット等一式が置かれていた。
管理者によれば、誰の所有物なのかは不明であり、今は使っていないとのことであった。

2.此花区役所 <別紙写真 此花区役所>
敷地内の別建物に環境衛生関係の職員の詰所・控室のようなものがあるが、中を確認すると、部屋の扉には、組合の共済会(市従共済会)のポスターが貼られており、机の引き出しには、労働金庫の申請書類が置かれていた。また、ゴミ箱には、組合関係の書類が大量に破棄されていた。物品類には、区役所の所有物であることを示す管理シールが貼られておらず、管理者に所有関係を確認したところ、直ちには分からないとのことだった。
その他、個人の所有物と思われる野球用具、サーフボード、洗濯物などが倉庫内に置かれたままとなっていた。

3.福島区役所 <別紙写真 福島区役所>
業務関係の書類倉庫に個人の私物と思われる組合関係の書類をまとめたファイルが置かれていた。

(3)「トレーニングルーム」問題(ヤミ便宜供与の疑い)
交通局鉄道事業本部運輸部管理課の話では、地下鉄の乗務所やバスの営業所では、大半の場所にトレーニングマシーンが置かれているということである。交通局の説明では、乗務所等の管理者が、その管理権限の範囲内において、職員の福利厚生の一環として職員のサークル活動を支援しているという整理になっているが、少なくとも設置スペースの提供については、正規の手続きを踏まない「ヤミ便宜供与」にあたる疑いがある。

1.地下鉄・阿波座乗務所 <別紙写真 地下鉄・阿波座乗務所>
重量の異なる多数のダンベル、ベンチプレスが見られた。

2.地下鉄・天神橋乗務所 <別紙写真 地下鉄天神橋乗務所>
一般的なトレーニングマシーンに加えてサンドバックも設置されていたほか、野球用具も置かれていた。

3.バス・中津営業所 <別紙写真 バス・中津営業所>
スポーツジムに見られるようなランニングマシーン、サイクリングマシーン、様々な筋力トレーニング用マシーンが多数並んでいた。

【2】実質的ヤミ専従
例えば、バスの乗務員でありながら職場安全衛生推進委員(問題の指摘を受けて、昨年12月に廃止)の職務を兼務することで、乗務しない日を多く作り出し、その空いた勤務時間を組合活動や政治活動に使う職員が見つかった。
こうした行為は、専従届を出していない点で正規の専従とは異なっており、他方で完全に職場を離脱しているわけでもないため、かねてより問題視されていたヤミ専従とも異なるが、実質的にはヤミ専従と同視できるものである(以下「実質的ヤミ専従」という)。

(1)市会で問題になったケース
1.市バス・守口営業所
組合支部長が、臨時運行、増便の場合に限って乗務することとし、非乗務の勤務時間内に、組合活動や選挙活動を行っていた。

2.市バス・中津営業所
組合員が、通常の乗務ダイヤではなく、営業所車両出入口の安全対策業務や泊車車両の整理・誘導業務など乗務しない業務に偏って従事することとし、非乗務の勤務時間内に、組合活動や選挙活動を行っていた。

(2)交通局の資料から明らかになった実態
組合役員の勤務状況【資料:組合役員の勤務状況】によれば、例えば、住吉乗務所の組合幹部は、平成23年4月から11月までの間、平均で月2日しか乗務していない計算になる。その他の事業所においても、組合幹部は、平均で月6日から12日程度しか乗務していなかったことがわかる。

(3)実質的ヤミ専従の温床となっている管理体制
・早退等の申請は口頭で申請し、スターフへの押印をするという手続を経る必要があるが、庶務係の話によれば、組合役員は印鑑を庶務係に預け、組合活動等の必要が生じれば、口頭で庶務係に連絡し、スタッフの事後処理を一任していた。
そうすると、タイムカードの打刻漏れ等のデータと突き合わせると、庶務係がスターフ処理を本人に代わってしていなければ(尻拭いをしていなければ)、タイムカードを打刻しないまま組合の集会に出席していたこととなるケースは、年間20件程度は存在するとのことになる。また、休暇をとって組合活動に出かける場合でも、本来の組休開始時間より1時間以上早く退出するケースが年間10数件確認された例もあり、これらが黙認されていた。
・バス乗務員の勤怠記録のうち組合役員のものは、頻繁に手入力が行われているため、不正の温床となっている疑いがある。

【3】違法な政治活動
(1)地方公務員法36条で禁止されている政治活動が疑われる事象
1.大阪市職員組合関係
・地方公務員法36条の適用を受ける大阪市職員組合の支部長が、特定の候補者の選挙活動に利用するための「紹介者カード」を、他の組合員に配布し、それへの記入を依頼した文書が見つかった。
この点に関し、管理職職員はこのような事実があることを知らなかったと証言しているが、選挙前に職員に対し政治活動の禁止について注意喚起した形跡はなく、また、どのような行為が禁止の対象になるのかについて理解が曖昧であった。
・ある区の支部役員等選挙(2011年10月投票)の「選挙公報」では、市職員である候補が「大阪市長選挙については、私たち組合員の未来を揺るがす可能性がある選挙であり・・・橋下徹が大阪市の市長になるようなことがあれば、これまで築いてきた大阪市民の財産を剥ぎ取り一部特権階級に譲ることとなります。・・・大阪市長選挙闘争については、組合員の総力を挙げ勝利しなければなりません。大きな権力に屈することなく、最後まで闘い抜きましょう」との呼びかけを行っている。こうした呼びかけが、市長選告示後にもなされたとすれば、明らかに地方公務員法に違反した可能性がある。

2.管理職職員
・市の管理職職員が、勤務時間中に、選挙対策を打ち合わせるために、市役所の公用メールを発信している事実が見つかった。
・市の管理職職員が、勤務時間中に、市長の選挙運動のために、市役所の公用メールを用いて、市長と国会議員との面談を調整していた事実が見つかった。
・市の管理職職員の証言によれば、選挙期間中、現職市長の街頭演説の日時等に関する連絡が、「総務的な事務連絡」として、政策企画室から各局総務課長を通じ、口頭で市職員に対して広く行われていた。人事当局は、行くかどうかは任意との前提での連絡であれば問題ないと考えていたという。

(2)大阪交通労働組合員の勤務時間内の政治活動
第三者調査チームの発足前に交通局が独自に実施した調査によれば、組合員による勤務時間中の政治活動等が確認されている。

【4】人事介入
(1)現業職の採用における口利き
1.環境局
・採用面接の際に利用する申込書(履歴書)に、市会議員・組合役員・人事部局幹部などの名前が記載されていたことを示す痕跡が多数見つかった。消しゴムで消されているが、大部分は役職と氏名の判読が可能である。
・元市議会議員の証言によれば、採用に関して、「(口利きを)頼まれることはあった」が、採用試験の点数に基づき「この点数では無理と断ることもあった」とのことである。

2.交通局
・採用時の履歴書に、組合役員の連絡先を記載した紙が挟まれていた。

3.建設局
・調査に行ったところ、昼休みだと言われて足止めされたので、フロアの見学を先行させたところ、2名の職員が、書庫において、提出を依頼していた資料(採用面接の際に利用する申込書(履歴書))に添付されていた付箋を剥がしていた。付箋には、「問題」、「試験決裁なし」、「実施なし」、「◯」、「×」などの記載があった。

(2)昇進等の人事異動に対する組合の関与
1.交通局
交通局の担当職員が、運転士から交通局の内勤に異動した職員の昇進試験について、その実施要領を組合に説明する際に、対象者の人事考課等の記載された内部資料を組合に提示していた。

2.現場職員
交通局、建設局、環境局、水道局のいずれにおいても、現場職員の昇進に関して、現場管理者(組合員の地位を有し組合役員であることが多い)に事実上の推薦権を持たせる仕組みになっており、その推薦が通るケースが大半で、組合が人事権を握っているとの声が多く挙がっている。(ただし、水道局においては、募集ポストの人数の2倍程度の推薦を求めていることが多く、一定の選考が行われている。)

【5】規則に違反する疑いのある随意契約
大阪市契約規則第17条の3は、「随意契約によろうとするときは、見積もりに必要な事項を示して2名以上の者から見積書を徴するものとする。ただし、急施を要するときその他やむを得ない理由があるときは、この限りでない。」と定めている。しかし、各部局が締結している随意契約の中には、「急施を要するときその他やむを得ない理由があるとき」とは言えないにもかかわらず、競争性のない形で随意契約が締結されている場合があると見受けられる。
例えば、交通局では、58年間にわたり、職員OBが天下っている市交通広告協同組合(加盟42社)に対し、地下鉄・バスの車内広告の枠配分を委ねてきた実態があった。交通局の説明によれば、契約そのものは、枠配分の後、個々の広告業者と交通局との間で個別になされており、市交通広告協同組合に対しては広告業者から手数料が支払われる。
このため、形式上は随意契約にはあたらないとのことだが、事実上、広告枠配分業務を特定者「協同組合」に継続的にゆだね、これに伴う対価が協同組合に流れてきたことは間違いない。こうした金銭の流れについてはさらに調査を進めることとする。

【6】区役所と地域団体の不透明な関係
区役所での資料収集及びヒアリングを行う中で、区役所が管理費を徴収せずに地域団体の名簿管理を行っていることが明らかになった。
区役所の実務上、行政の仕事と地域団体の仕事が混然となって処理されており、この結果、個人情報保護その他法令上の問題が生ずる可能性もある。
また、区役所において、地域団体幹部らの個人情報を記載した詳細な名簿を作成している例も発見した。こうした名簿と区役所業務との関連性(業務上必要なのか)なども含め、引き続きさらに調査を行う。

【7】頻発する不祥事
大阪市における最近の不祥事処分事案をみると、顕著なことは、覚せい剤、傷害・暴行、窃盗などの重大な犯罪行為が、継続的に頻発していることである。
過去5年間で(平成19年度から平成23年度途中まで)、
・違法薬物(覚せい剤、大麻)に係る処分は11件
・傷害、暴行などに係る処分は29件
・窃盗に係る処分は32件
にのぼる(詳細は別紙のとおり)。上記のような犯罪行為は、一般社会において、日常的に起こるものではない。
これが当たり前のように頻発する職場環境そのものが、重大な問題と言わざるを得ない。
また、処分事案の中には、適正な処分がなされているのか、疑義のあるものも含まれる。例えば、暴行や器物損壊で逮捕されているにもかかわらず、正式な懲戒処分ではなく、文書訓告や口頭注意にとどまっているケースがあった。こうしたケースでは、市の懲戒処分指針でも減給又は戒告が標準処分例とされており、一般の企業での対応と比しても、甘すぎる処分だった可能性がある。
さらに、懲戒処分や口頭注意などの対象にさえならず、水面下に埋もれている事案が存在する可能性もある。
市の公正職務審査委員会には、職員の違法行為に係る公益通報が数多く寄せられているが、通報事案の調査を、所属部局に任せきりにしている場合がある。
これでは、所属部局において問題が隠ぺいされてしまうおそれがある。
したがって、上記に掲げた処分件数の数字は、実態のごく一部に過ぎない可能性も否めない。

Ⅲ「紹介カード・リスト」問題
維新の会の議員が市会で取り上げた「紹介カード・リスト」については、文書の様式、文面上の用語の使い方などを論拠として、当該文書は、政治活動に使用する目的で組合が作成したとは考えがたいとの証言が複数あった。
ただし、この文書を、誰が何の目的で作成したかは、さらに調査を進める必要があるため、最終報告にて調査結果を報告することにしたい。

[情報提供:大阪プレスクラブ]

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