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あいみょん、初のフリーライヴで「愛を伝えたいだとか」

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あいみょんが5月2日に東京・代官山UNITにて、 5月3日発売の2ndシングル「愛を伝えたいだとか」リリース記念イベントを行なった。
5月2日(火)@代官山UNIT (okmusic UP's)
自身初となるフリーライブ『”愛を伝えたいだとか” SPECIAL LIVE』には、先着の招待枠には応募が殺到。昨年11月のメジャーデビュー以降も、地道なライブ活動を重ねてきた結果、約500人が集まり、場内の熱気でも目に見える形となって現れていた。

会場内では「愛を伝えたいだとか」のMUSIC VIDEOの舞台である奇妙な小部屋のセットが再現され、展示、ジャケットのアートワークを担当した 「とんだ林蘭」 が手掛けた「爆走天使」「レディース」の文字が刻まれた本人着用のスウェットを展示。「愛を伝えたいだとか」のサビの歌詞(「バラの花に願い込めてさ 馬鹿な夢で踊ろう」)にならって、バラの花が来場者全員にプレゼントされた。

開演を待ち受けるライブフロアでは「愛を伝えたいだとか」のMVを上映。この映像は、現在YouTubeで公開中のオフィシャルMVとはアクションの異なる、ここだけでしか見ることの出来ないスペシャルアザーカットだ。ワンカメラ・ワンカットをコンセプトに6バージョン程撮影した中のひとつで、あいみょんが奇妙な小部屋の中でシャンプーをしているシーンを撮影したもの。ファンからは、「わぁ!」というざわめく声もあがっていた。

客電が落ち、ひと際高まる緊張感の中、バンドメンバーと共にステージへ登場したあいみょんの衣装は、気鋭ブランド『sulvam(サルバム)』のビッグシルエットな黒のセットアップに白のスニーカー。シンプルながら、ここ最近のあいみょんは、どこか艶っぽさも出てきたように思う。「今日は楽しんでってください!」の一声をきっかけに演奏された1曲目は、2nd Singleからこの日がライブ初披露となる「ハッピー」。19歳の時にはじめて身近な人の死に触れた時に書かれたというこの楽曲には、明るめなラブソングでありながら、決してそれだけではない、「白い花」という言葉から思い浮かべるイメージが音像として耳に残る。

続けてのポップチューンは、デビューSingle収録曲の「今日の芸術」。あいみょんが敬愛する岡本太郎氏をモチーフにした楽曲だ。歌詞に登場する、高校卒業の春に手にした念願のポラロイドカメラ。ファインダー越しに見えていた景色は、いまのあいみょんにはどんな風に見えているだろうか。

「みなさん、今日はお越しいただいてありがとうございます。5月3日! 明日! ニューシングル「愛を伝えたいだとか」リリースです! 私なりにイメージする、男の人の女々しさや情けなくも愛しいところを表現しています。ここで初めて披露出来て嬉しいです!」とあいみょんがフロアに語り掛けると、駆け付けたファンも入り口でプレゼントされた赤いバラを掲げて応えていた。

場内で展示されている奇妙な小部屋について紹介しながら、MV撮影当日エピソードについてもコメント。「6本位撮ったんですよ。途中で私、何食べてると思いますか? 正解は冷凍ピラフ。おもろいかなと思ったんですけど、映像で観たら何食べてるかわからんやんって思って(笑)」

3曲目は5月3日にリリースされる、2ndシングル「愛を伝えたいだとか」。何度も何度もリプレイしたくなるような、アーバンさの中にも湿度と旨味がある。ソウルフルで滑らかに耳を伝うあいみょんの声音が良く映えた楽曲だ。バラの花、泥臭さ、想うばかりで何も果たせない男の情けなさ。そういうものがただただ清々しく受け止められるから不思議なものだ。

まさかセカンドでこのテイストが来るとは、とつくづく思わされたのは、続いて披露されたメジャーデビュー曲「生きていたんだよな」のアレンジの些細な変化からだろうか。とあいみょんは言う。それもそのはずだ。受け手によって解釈など様々だけれど、そこだけを切り取って知った気になる怖さ。それも正直で純粋な、人の愛すべき愚かさであることを、あいみょんは知っている。今回披露されたフォーキーに漂う“生”の暖かみを加えたアレンジは、ずっと聞き続けているファンにとっても新鮮味があっただろうし、誤解を恐れずに言えば本人もまだ少し探りながら表現していたように思う。こんな時代だ、出会い頭に触れ合うだけの人も居るだろうし、何度も巡り合う人も居るだろう。様々な角度から触れないと解らないことがいくつもある、あいみょんのステージは見るたびに発見がある。

「ふだんライブは緊張もしないし、汗もかかないんですけど、今日はなんか熱い。じわっと来てる。そわそわしてお弁当2個食べた。こんな事珍しいです。」と話す、あいみょん。

5曲目は「MIO」。15歳の頃に友達のために書いた楽曲。

今作2ndシングルは3曲ともラブソング集となっているが、あいみょんの年代別の恋愛観をタイムスリップしながら味わえるのもおもしろい。ギターを置いてスタンドマイク一本で歌うスタイルはあまりお目に掛かれないものだけれど、普段からセンターでストロングスタイルを貫く歌い姿が、よりハッキリとした輪郭を持って響く。

再びギターを手にし、静かにチューニングを終えたあいみょんが「東京ではインディーズの頃から見てくださってる方も、新しく見に来てくださった方も増えてるのも感じていて、本当にありがたいことだなと思っています。上京して一年経って、家族はライブになかなか来てくれないんですけれど、音楽をして親孝行をしたいと思っている。きっと歌い続けていると思うので、もっと大きいところで出来るように。今日はありがとうございました」と、リリース前日の想いを語り本編ラストに披露したのは『漂白』。2017年2月に公開された、ヤオ・アイニン主演の映画『恋愛奇譚集』のために書き下ろした自身初の映画主題歌だ。〈また会いに来てね〉という言葉通り、この楽曲はラジオへのリクエストやSNSでのファンからの反響も高い。アンコールの手拍子にのせ、ひとりステージに現れた「もう緊張したわ、誰か褒めてって感じです」と照れながらもこの日の最後に「君がいない夜を越えられやしない」を引き語りで披露。一つ一つ言葉の意味を噛みしめるような、歌を愛する歌うたいの姿がそこにあった。

あいみょんは時折、〈私にはこんなスタイルは無理だ〉って、面倒な雑念を追い払うようなことも口にするけれど、見る限りではどこまでも自分の可能性を信じているし、色んなものに出会い囲まれ、その中で確固たる自分自身を見つけていく、肝の据わったところがある。そして、デビューを経てこの半年の間に、“あいみょん”に関わる周りの人達をもっと信じようとしている。デビュー前の頃は、〈今日、頭痛いからライブ休みたい〉なんて普通に言って、オトナを困らせた時期もあったという。そんな、自分だけの世界や奇妙な小部屋を出て、現実社会に揉まれ始めた、そんな等身大の22歳の女性のありのままの姿が印象的なステージだった。

発売前日の高まる期待と共に会場に訪れた来場者約500名、そしてLINE LIVEミュージックを通じて配信されたその模様を目撃した約2万5000人には、全7曲へ濃縮にパッケージされた“今のあいみょん”が伝わったはずだ。きっとまた、あいみょんは大きな変化を遂げていく。ゆらゆらと大いに流されながら、予想もしない乱反射をみせてくれることだろう。にどこまでも興味を持ち、そこに“生々しいほどの愛”を見出すのがあいみょんの魅力だ。どこまでも飄々と、愛を伝えたいだとか、言いながら。

text by Miho Iizuka

photo by 笹森健一

5月2日(火)@代官山UNIT (okmusic UP's)
5月2日(火)@代官山UNIT (okmusic UP's)

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