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大阪教育基本条例はアメリカで破たんした落ちこぼれゼロ法とそっくりと指摘した報道番組『VOICE』に逆上する橋下氏

Afternoon Cafe

今回は秋原葉月さんのブログ『Afternoon Cafe』からご寄稿いただきました。

大阪教育基本条例はアメリカで破たんした落ちこぼれゼロ法とそっくりと指摘した報道番組『VOICE』に逆上する橋下氏

橋下氏がいたくご立腹のご様子です。彼のツイートから。

朝からMBSに怒り心頭だよ(笑)昨日のVOICEをチェックした。大阪教育改革を取り上げていたから。メディアは批判することが仕事だから批判は良いんだけど、今回は度を越している。これはメディアとして良いのかね。大阪の基本条例をアメリカの教育専門家に見せてコメント求めた

2012年2月17日 7:47 橋下徹のツイート 『Twitter』
https://twitter.com/#!/t_ishin/status/170278210959982592

またですか。「メディアは批判することが仕事だから批判は良いんだけど」というのはこの人にとっては意味のない枕詞に過ぎないみたい、今回も“怒り心頭”です。この人、批判されて感情をむき出しにしなかったことってありましたっけ?

では、橋下氏が怒り心頭に達したという報道番組が本当に“度を越している”かどうかを見てみましょう。

「米国流教育改革の落とし穴」2012年2月16日 『VOICE』サイト
http://www.mbs.jp/voice/special/201202/16_216-1.shtml
「競争の果て…NY教育改革の実情」2012年2月16日 『VOICE』サイト
http://www.mbs.jp/voice/special/201202/17_217-1.shtml

落ちこぼれ法案と教育基本条例の酷似は以前から指摘されていましたが、こうしてテレビで大きくとりあげられたのははじめてでしょうか?

報道内容は、大阪教育基本条例はアメリカの落ちこぼれゼロ法、さらにはその前のサッチャー教育改革に酷似していること、アメリカの教育が落ちこぼれゼロ法でどうなったか、そしてイギリスではこの教育改革は失敗だったと認められ、既に多くの地域で国の学力テストをやめていること、アメリカでも失敗だったと認識され始め、徐々に軌道修正が始まっていること、などです。

番組では、アメリカの落ちこぼれゼロ法制定に携わり、現在ではあの法律は間違いだったという教育学者に去年10月の教育基本条例案をみせました(ちなみにみせる時点で教師の相対評価は絶対評価に変わるかもしれないことを告げています)。
彼女は条例の半分近くが教員の懲戒や免職に規定で占められていることに驚いていました。
(1)学力テストを実施、結果を公表し学校どうしを競争させる
(2)教員の評価を厳しくし、校長の命令に背いた場合免職もあり得る(日本なら君が代がネック)
と言う教育基本条例の特徴は、落ちこぼれゼロ法と共通している。

落ちこぼれゼロ法下でのやり方、情報を集め教師を処罰するという懲罰的態度、成績があがらずダメ学校のらく印を押されたら閉校、こういうやり方では成功しない、と彼女は断言します。「大阪は同じ轍(てつ)を踏むことになるだろう。せっかく教育改革する機会があるのなら私たちが歩いてきた10年間を繰り返してほしくない」

ダメ学校のらく印を押され閉校される学校は低所得者層の地域に多く、そういう地域の子どもたちは行き場を失っていきます。低所得者層の子どもは子どもの頃から切り捨てられます(橋下氏はバイトして通学費稼いで遠くへ通えって言ってましたね)。
そうして行き場のなくなった子どもたちを集め、市や州の方針に背いても教育を施す学校の教師は言います。「アメリカは失敗したんです。それを日本が繰り返すのは悲しい」

アメリカも落ちこぼれゼロ法の失敗を認め徐々に軌道修正が始まりました。維新の怪(=会)はイギリスのサッチャー教育改革を参考にして作ったと述べています。しかし、サッチャー教育改革も失敗だったと国内で評価され、多くの自治体が国の学力テストをやめています。なのに大阪は学力テストで生徒や教員をし烈な競争に追いやる同じ間違いをおかそうと急いでいます。

以上のような報道内容に対し一体橋下氏は何を怒っているのか、彼の『Twitter』での“反論”を見てみましょう。

アメリカの教育学者は大阪の教育基本条例に反対の意見を求めて、アメリカの教育改革の失敗と同じ道を歩むと。でもね、この教育基本条例は昨年10月のもの。僕らは大きく問題提起して、ダブル選挙も踏まえ、さらに教育員会と徹底議論して先日骨子はまとめた。当初のものとだいぶ変わっている。
2012年2月17日 7:49
https://twitter.com/#!/t_ishin/status/170278618193342464

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