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どうすれば「ワーク」と「ライフ」を両立できるのか?

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12万部を超えるベストセラーシリーズとなった『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社、小学館文庫)。その著者である俣野成敏さんに、「ビジネスパーソンの仕事への向き合い方」についてお話しいただくこのコーナー。第10回の今回は、「ワーク・ライフ・バランスの両立」についてです。

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こんにちは。俣野成敏です。

あなたは、「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

ワーク・ライフ・バランスとは、人生における「仕事とそれ以外の生活との調和」を目指そうとする考え方のことです。日本では2007年に関係閣僚、経済界、労働界、地方公共団体の代表などが一堂に会してトップ会議が行われ、「ワーク・ライフ・バランス憲章」や「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が策定されました。現在はこれに基づき、各界でさまざまな取り組みが行われています。

「会社が悪い」と言っているだけでは問題は解決できない

ワーク・ライフ・バランス憲章が策定されてから、すでに10年が経過しました。これによって、私たちの労働環境はどう変わってきているのでしょうか?

先日のことですが、日本でのワーク・ライフ・バランスがまだ道半ばであることを感じさせる、以下のような話を知人から聞きました。それはある日曜日、知人が電車に乗っていた時のことです。たまたま隣に座っていた30代くらいの男性がスマホに打ち込んでいたメール文が見えてしまったそうです。そこには「今日は約束通りに公園に連れて行けなくてごめんね。お父さんは仕事があって…」というような内容が書かれていたということです。

お子さんと、約束を守れなかったその方のお気持ちを思うと、確かに世間でワーク・ライフ・バランスの重要性が叫ばれているのももっともなことだと思います。一体、どうしたらこのような悲劇を少しでもなくせるのでしょうか?

――これは私の個人的な見解になってしまうかもしれませんが、この問題を単純に「会社が悪い」と言っているだけでは、いつまで経っても問題は解決しないのではないかと考えています。もともと企業と人とは、お互いがなくてはならない存在です。どちらが消えても生き残ることは叶わず、共存共栄を目指さなくてはいけません。

「有意義な時間をつくる」2つの方法

一般に、サラリーマンとして企業に勤めている人は、拘束時間が決められています。たとえば9時から18時までの勤務時間に、行くための準備や着替え、残業なども加味すると、おおよそ10時間くらいは時間を取られているでしょう。さらに通勤時間が往復2時間くらいかかったとして、睡眠時間や食事、お風呂など、身の回りのことまで考慮すれば、1日に残る自由な時間はわずかなものです。

人は1日24時間を延ばすことはできません。実質、自分の時間の多くを仕事に割り当てている状態で、さらに充分な余暇の時間をつくろうとしても、物理的に難しいのではないでしょうか。

もし、サラリーマンが収入を上げようと思ったなら、方法は2つしかありません。それは「より多くの時間を使うか」「質を高めるか」の2つです。現実問題として、大多数の人が仕事を人生から外すことができない以上、残る手段は「質を高める」ことだけです。「働き方改革」の一環として「残業規制」と「副業解禁」がセットで推進される中、「生産性」という言葉が流行るのは自然の理です。

実は、私はサラリーマン時代から、子供の授業参観などの行事には毎回のごとく出席していました。当時、平日の昼間の行事にくるのはたいてい母親ばかりで、父親の姿を見ることは滅多にありませんでした。

なぜ平日の授業参観に参加できたのかというと、先にスケジュールを入れていたからです。優先順位の高さはスケジュールを入れる順番に連動させるというシンプルなルールを実行したのです。先に予定を入れてしまえば、人は自然とそこを避けて他のスケジュールを入れるものです。

それでも、時には上記の約束を守れなかった父親のように、急に仕事が入ってしまうことがあるかもしれません。そうなることはあるにせよ、急用が入らないように、あらかじめ予測を立てて、事前に予防処置を講じておく癖をつけることが大切です。問題の芽をあらかじめ潰しておくことでプロセス管理やマネジメント思考が少しずつできるようになっていきます。

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「仕事とは、人生の一部である」

ところで「ワーク・ライフ・バランス」とは、日本語で言うと「仕事」と「人生」という意味です。「バランス」とは、2つ以上のものを均衡させることを言いますが、本来、仕事と人生では大きさがまったく違います。ライフの中にワークがあるのであって、ましてや「仕事VSプライベート」といった図式でもありません。仕事も人生の一部なのです。

多くの人は、仕事が「楽しいか楽しくないかは、やっている仕事の内容による」と思っています。ですが本当は、仕事の楽しさと「何をやっているのか?」は関係ありません。たとえば、旅行が好きな人が旅行会社に就職したからといって、楽しいかといえば、必ずしもそうはならないのではないでしょうか。世界に名だたる観光地も、何度も行っていれば何とも思わなくなってしまいます。また、「お客さんが喜んでいるのを見て楽しい」のは、「旅行だから」とは限りません。

仕事において真に楽しいことが何かと言うと、それは「自分が決める」ことです。通常、サラリーマンの仕事は誰が決めているのかと言えば、ほとんどは上司や周りの人でしょう。「これ、やっておいて」「あれをお願い」「いつまでに交渉しなさい」「あなたの担当は○○です」といった調子です。

それは確かに会社にいる以上、仕方のない部分はあります。とはいえ結局のところ、「自分の時間割を他人によって決められている」ことに変わりはありません。これが、仕事がつまらない本当の理由です。要は、他人に決められているのは「楽で安全だけど、つまらない」ということなのです。

仕事を楽しくするポイントは「自分で決める領域を増やしていくこと」

私は自分の経験から、仕事の面白さとは「自分で決める範囲を増やしていくこと」だと考えています。自分で決めればその分、責任も付いて回りますが、自ら決めている割合がどんどん高まっていくと、それにつれて仕事も楽しくなっていきます。

とはいえ、最初から全部を自分で決めようとしても難しいのが現実です。誤解しないでいただきたいのですが、「決める」ことと「好き勝手にする」ことは違います。もし、あなたが現在、「仕事がつまらない」と悩んでいるのであれば、まずは「今、自分がしていることは誰が決めたことなのか?」を意識するようにしてみてください。意識してみると、たいていは「他人が自分の仕事を決めている」事実に気づくでしょう。そこからが始まりです。

たとえ他人から与えられた仕事であっても、自分で手を付ける優先順位を決めたり、「この仕事をいつまでに提出するか?」ということに関しては、自分で決めることができます。オススメしたいのは、メモや日誌などを活用し、「今日、自分が決めたこと」を書き出してみることです。「自分が決めたリスト」をつくってみれば、日々、自分がどれくらいのことを自ら決めているのか、それをどれくらい実行しているのかがわかり、自信にも励みにもつながっていくでしょう。先に記したプライベートのスケジュールを先に入れるのも自分で決める行為の第一歩です。

ぜひ、以後は「自分が決めた実感値を高めていく」ことを念頭に行動するようにしてみてください。まずはそこをしっかり確認し、徐々に自分が決める領域を増やしていこうと努力すること。これが本当の意味で、自分の時間を増やしていくためのコツであり、かつそれがプロフェッショナルサラリーマンに近づいていくための方法です。

俣野成敏(またの・なるとし)

大学卒業後、シチズン時計(株)入社。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。31歳でアウトレット流通を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)と『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に12万部を超えるベストセラーに。近著では『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』が11刷となっている。著作累計は34万部超。2012年に独立後は、ビジネスオーナーや投資家としての活動の傍ら、私塾『プロ研』を創設。マネースクール等を主宰する。メディア掲載実績多数。『ZUU online』『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも寄稿している。『まぐまぐ大賞2016』で1位(MONEY VOICE賞)を受賞。一般社団法人日本IFP協会金融教育顧問。

俣野成敏 公式サイト

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