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鳥となって空を飛ぶ癒やしゲーム『Copoka』で人間社会を観察しよう!

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暖かい日差しが気持ちいい。春がやってきた。みなさんも、道ばたに咲き始めた小さな花に春の息吹を感じていることだろう。なんとも気分の良い季節だ。だが、春は新生活が始まるたいへんなシーズンでもある。もしかすると新生活で毎日に疲れを感じている人も多いかもしれない。今日はそんな人におススメな癒し系ゲーム『Copoka』を紹介しよう。

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『Copoka』はインディディベロッパー「Inaccurate Interactive」が開発したオープンワールドゲームだ。といっても「Inaccurate Interactive」は会社ではない。スウェーデンのシェブデ大学の学生が主体のチームだ。このゲームは大学のコースプロジェクトとして作られた。平たく言えば、学生作品なのである。学生が授業で作った作品でこのクオリティとは恐れ入る。

学生チーム制作という経緯からか、本作は販売ルートに乗せる予定ではなかったようである。本作は当初、チャリティゲーム販売サイト「The Humble Bundle」の月額定期購入プラン「Humble Monthly」で配信された。この購読プランには「Humble Original」というプラン加入者にしか遊べないゲームが一本毎月送られるのだが、これもそのうちのひとつであった。プラン加入者が事前にお金を払っておかなければ二度と手に入らない。この作品は本来そういうものだったのだ。

だが、「このゲームはそんなところで終わる作品じゃない!」と誰かが思ったのであろう。インディディベロッパー「Guru Games」のメンバーDaniel Strömさんが同大学で講師をしている関係からか、本作は「Guru Games」パブリッシングでGreenright登録される。結果、本作はGreerightを見事通過。2016年2月16日に発売へと至った。現在、ゲーム配信プラットフォーム「Steam」にて498円で販売されている。

学生チームの作品がそのまま世界に向けて発売される。これもまたインディゲームらしい例であろう。余談ではあるが、北欧にはこうしたゲーム制作を志す学生や小規模団体への支援を行う団体、優秀者に資金を提供するコンペディションがいくつかあり、これらの支援を得て会社を立ち上げたディベロッパーも多い。

あと、当然のことであるが『Copoka』は英語しかサポートされていない。スウェーデンの学生に多言語サポートを求めるのは間違っている。スウェーデンの公用語ではない英語でゲームを作ってくれただけでもありがたく思おう。

鳥となって空を飛び、人間社会を鳥瞰しよう

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さて、肝心のゲーム内容の紹介に移ろう。『Copoka』は一つの街を舞台にしたオープンワールドゲームだ。プレイヤーは鳥となり、空を飛びまわり、巣の材料を集めることになる。

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舞台となる街はコポカ。自然豊かで美しい街だ。だが、この街には独裁政権が敷かれている。市街地には四六時中プロパガンダ放送が垂れ流され、軍人たちが市民に厳しい目を光らせる。市民は圧政と、貧困からくる病に苦しみながら、政府への不満を募らせている。

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人間にとって住みよい街とはとても言えないところだが、プレイヤーは鳥である。圧政だろうがなんだろうが知ったことではない。大事なのは巣をより立派なものにして、タマゴを守ることだ。

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プレイヤーは街に散らばる巣の材料を探して、この狭いようで広いコポカを飛び回らなくてはいけない。オープンワールドゲームによくあるマップに隠されたアイテムを探す部分だけを切り出し、独立させてゲームに仕立てあげたようなシステムだ。

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この手のアイテム探しは割とストレスが溜まって嫌になってしまうことも少なくない。が、このゲームはそういうストレスを感じにさせぬよう、ある程度飛び回ったり、ある程度イベントをこなすと巣の材料の場所が光って表示されるようになっている。他にもストレスになりそうなものとして時間制限や敵の存在が挙げられるが、こういったものも一切ない。プレイヤーはストレスを感じることなく、箱庭の中を飛び回り、気の向くままにアイテムを集めることができる。

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ゆったりとしたBGMが雰囲気と非常にマッチしていて、美しい風景を眺めながら空を飛ぶと、清々しい気持ちが湧いてくる。ストレスのない美しい箱庭で自由に飛び回るのは心が癒されるようだ。

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だが、時間制限も外敵もなければ、ゲームとして成り立っていないのでは?と感じる方も多いであろう。そう、このゲームは敵と戦って目的を達成したり、テクニックで記録を競うようなものではない。

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このゲームはインタラクティブな読み物というのが近い表現になるだろう。先ほども書いた通り、この街に住む市民は不満を抱え、貧困と病に苦しんでいる。この抑えようのない悲しみや怒りは、街のどこかであふれ出している。プレイヤーはこうした人間の内緒話や、愚痴、噂話に聞き耳を立てることができる。

だって鳥だもの。人間様は鳥がその話を聞いていようがいまいが知ったことではない。

もちろんプレイヤーも人間のいざこざなんて知ったことではない。プレイヤーが巣を完成させていくにつれ街の様子も次第に変化していくが、鳥のプレイヤーには関係のないことである。街がどう変わろうとやることは変わらない。せっせと巣の材料を集めるだけだ。

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本作は街に住む鳥という傍観者になり、人々の思いを、街の変化を、ただただ眺めるゲームだ。市民の思いに心揺さぶられてもいいし、市民のしみったれた話なんて聞かずそのまま飛び去ってしまってもいい。そこに込められたストーリーを読むか読まないかも、プレイヤーの自由である。

箱庭の中で起きる事件を当事者ではなく、ただの傍観者として文字通り鳥瞰する。ゲームのストーリーを傍観者としての見せる構造に加え、見ない自由も用意しているという非常に珍しい構造のゲームである。アクションゲームとしてみるならばあまり楽しいものではないかもしれないが、インディゲームらしい芸術的な作品として魅力のある作品だ。

ストレスのない気持ちのいい箱庭で癒されよう

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最初に癒し系と書いたわりには、独裁政権とそれに苦しむ市民という重苦しいストーリーが描かれた作品を紹介してしまった。

だが、プレイヤーは鳥だ。辛い人間社会から隔絶された、このゲームにおいて唯一自由な存在なのだ。プレイヤーだけはどこへでも飛んでいけるし、なんの不自由を感じることもない。そんな鳥からすれば、彼らの悩みも自分本位で、大局が見えていないものに映る。傍観者の視点に立つことで、彼らの抱える問題の見え方もまるで違ってくるのだ。

新生活で辛い思いをしている諸君。ぜひこのゲームをプレイしてほしい。人間社会から離れ、自由に飛び回るだけでも癒されるだろうし、自分の悩みが広い視点で見えるようになるかもしれないぞ!

[作品情報]
タイトル 『Copoka』
制作者 Inaccurate Interactive(制作者様サイトはこちら)
対応OS Windows 7 x64, Windows 8 x64, Windows 10 x64 (64-bit OS Required)
プレイ時間 1時間半程度
価格 498円

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