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背表紙におさまりきらない?「世界一“タイトルが長い”本」を調査!

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背表紙におさまりきらない?「世界一“タイトルが長い”本」を調査!

書籍に関する“世界一”の称号には、さまざまなものがある。

厚さ、大きさ、発刊部数など、たくさんの切り口で“世界一”があるが、ひとつ真偽のほどがはっきりしない“世界一”がある。

それが、「世界一“タイトルが長い”本」である。

一般的に言われているのは、イギリスの小説家ダニエル・デフォーの名作『ロビンソン・クルーソー』の初版時のタイトルだ。

“The Life and strange surprising Adventures of Robinson Crusoe, of York, mariner, who Lived Eight-and-twenty years all alone in an uninhabited Isiand on the Coast of America, near the mouth of the great River Oroonque, having been cast on shore by shipwreck, where-in all the men perished but himself. With an Account how he was at last strangely delivered by Pirates, Written by Himself”

数えてみると、68語、323文字(「,」「‐」含む)もある。

日本語に訳すと、『遭難して他の船員が全滅した中で唯一助かってアメリカ海岸オリノコ河の河口近くの無人島で28年間たったひとりで生き抜いたヨーク生まれの船員ロビンソン・クルーソーの生涯とその驚くべき冒険。海賊に発見されるまでの一部始終を彼自身が書いた手記』といったタイトルになる。

本当に、『ロビンソン・クルーソー』が「世界一長いタイトルの本」なのか。

その真偽を確かめるべく、ギネスブックで記録のアーカイブを調べてみることにした。

ところが、である。ギネスブックで、「世界一長いタイトルの本」という記録を見つけることはできなかったのだ。

じつは、ギネスブックの記録は、英語でしか検索ができない。しかも、できるのはキーワード検索のみ。筆者は思いつく限りのキーワードで検索をしたが、「世界一長いタイトルの本」を見つけることができなかった。

それでも諦めずに、さまざまな情報を調べてみると、2007年にイタリアのDavide Ciliberti氏が出版したとされる書籍が、「世界一長いタイトルの本」である可能性が浮上した。

そのタイトルは次のようなものである。

“Per favore dite a mia madre che faccio il pubblicitario lei pensa che sono un pierre e che quindi regalo manciate di free entry e consumazioni gratis a chi mi pare, rido coi vips, i calciatori le veline e le giornaliste, leggo Novella e mi fotografano i paparazzi, entro neI privé saltando la coda, bevo senza pagare, sono ghiotto di tartine e gin tonic, ho la casa piena di oggetti di design, conosco Paris Hilton, Tom Ford ed Emilio”

イタリア語で77語、356文字(「,」含む)。

少なくとも、語数、文字数ともに『ロビンソン・クルーソー』を超えている。

残念ながらこの本がどのような内容なのかは判然としなかった。また、この著者の名前でギネスブックのアーカイブを検索してみても記録は出てこなかった。

ただし、いくつかの出版物でこの作品が「ギネスブックに認定されている」「世界一長いタイトルの本」であると述べられている。

さらに、2010年にインドで出版された書籍が「世界一長いタイトルの本」だという情報もあったが、こちらに至っては書籍名すらわからず、真偽のほどは定かではない。

■日本の「長いタイトル本」

日本にもタイトルの長い本は数多くある。

横尾忠則氏の『悩みも迷いも若者の特技だと思えば気にすることないですよ。皆そうして大人になっていくわけだから。ぼくなんかも悩みと迷いの天才だったですよ。悩みも迷いもないところには進歩もないと思って好きな仕事なら何でもいい。見つけてやって下さい。』(勉誠出版/刊)は、114文字もあり、長いタイトルの書籍として有名だ。

こうした、書籍タイトルの長文化はいつから始まったのだろうか?

たとえば、2009年の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(岩崎夏海著、ダイヤモンド社刊)や、2013年の『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(坪田信貴著、KADOKAWA刊)などは記憶に新しい。

ちなみに『もしドラ』は、2015年に第二弾として『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』という、より長いタイトルの書籍も発刊されている。

タイトルが長文化した理由は、いろいろと考えられるが、ひとつには書籍の出版点数の増加が要因にあると考えられる。

出版される書籍の数が増えれば、当然、書店を訪れる客は書籍の多さに戸惑い、どれを選ぶか迷う。

そんな中、ひときわ長いタイトルの書籍は存在感があり、客の目にも留まりやすい。少なくとも「どんな本なのだろうか?」と興味をそそられ、その場でページをめくってみたくなるだろう。

数多ある本の中から、まずは手に取ってもらうための戦略として、「長文タイトル」が生まれたわけだ。

しかし、その戦略がインフレ気味であることは否めないだろう。

皆一様に、他の書籍よりも目立たせようと長文のタイトルをつけてしまえば、結果的には他との差別化にはならなくなる。

その反動なのか、昨今は「シンプルで短いタイトル」の書籍が目立つ。

『伝え方が9割』『嫌われる勇気』『生産性』『やり抜く力 GRIT』などのヒット作は、一言や一文で伝わるタイトルを前面に押し出し、副題は小さい文字で添えるようにデザインされている。

一度、こういった「タイトルの長短」に注目して、書店の本棚を見て回ってはいかがだろうか。

時代は繰り返すと言うが、またどこかでタイトルの潮目が変わるときがくるだろう。

そのときに「シンプルなタイトルから、また長文タイトルの波が来たな」と、世の中の流れを楽しめるかもしれない。

(ライター:大村佑介)

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