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「母親の顔」のまま、バリバリ働く――島根のワーママが活用する「子ども同伴出勤制度」とは?

親が仕事をしている間、子どもも職場で過ごせる「子ども同伴出勤制度」を導入している老人ホーム「サンガーデン 輝らら☆」(島根県浜田市)のリポート。制度創設の経緯や狙いなどをうかがった前編に引き続いて、今回は実際の様子と、制度を利用している親子の本音をご紹介します。f:id:k_kushida:20170427123119j:plain

取材に訪れた日は、ちょうど小学校の春休み期間中。新3年生と5年生の森映人君・心人君兄弟、新4年生の尾崎暁徳君に話を聞きました。母親の職場に、それぞれ就学前から来ていて、この日は午前中、外でオタマジャクシをつかまえていたそうです

――土日や長い休みのときに来てるって聞いたけど、楽しい?

心人君 いっぱい人がいるから、最初のころは恥ずかしかった。今もまだ、ちょっと恥ずかしい。家にいても近所の友達と遊べるけど、ここは広いからボールが使える。

尾崎君 初めは来るのが面倒だったけど、今は楽しい。でも家のほうが気楽かな。

――お手伝いは何をしている? いろいろしてほしいって言われない?

映人君 机やいすを運んだり、机を拭いたりとか。

尾崎君 いろいろ言われたら、無視しちゃう(笑)。

――働いてるお母さんと家にいるときのお母さんって、何か違うところがある?

心人君 ここでも家でも、あんまり変わらないと思う。

尾崎君 (お年寄りに話しかけるので)ここだと声が大きい。だから家のほうがいいかな。

子どもたちへのインタビューを終えたところで、彼らのお母さんを含むスタッフの方々が、入所のお年寄りも連れてイチゴ狩りへ行くのにご一緒させていただきました。

母から子への接し方は「職場も家も同じ」

施設近くの観光農園へ向かう車中、ハンドルを握る森友恵さんにも話を聞きます。映人君・心人君のお母さんです。

――お子さんを職場に連れてこられるメリットは何ですか?

森さん まず仕事がしやすい。子どもが原因で仕事を大変と感じることがないのが、すごく助かります。周りのスタッフもみんなで接してくれて、わが子でなくても悪いことはきちんと叱ってくれるし、それでもダメなときには私を呼び出してくれます。

――お年寄りのケアに支障はないですか。

森さん 特に支障はないですし、ファミリーさん(入所者の呼び名)にはむしろ歓迎されています。近くに子どもがいるだけで、いつもより笑顔なのが分かる。もちろん、近くで騒がれるのが嫌いな方もいて「うるさい」と怒られることもありますが、にぎやかな子どもがおじいさんに注意されるのは昔からよくあること。そういうものだということで、みんなに受け入れてもらえるから、安心して連れてこられるのだと思います。

――仕事中と家庭とで、お子さんへの接し方は変えていますか?

森さん 仕事の顔と家の顔を使い分けるようなことは考えたことがないですね。いつでも同じように接しています。

出発から10分ほどでビニールハウスが並ぶ観光農園に到着。練乳の容器を手渡された子どもたちは足早にハウス内を回り、熟したイチゴを見つけては口に運びます。カメラを構えるのが追いつかない目まぐるしさの背後から、ファミリーさんが車椅子を押されてゆっくり近づいてきます。

果汁と練乳でだんだん手がべたつくようになり、森君兄弟も尾崎君も、それぞれ母親に拭くものをせがみます。ファミリーさんのイチゴを摘む手を少しだけ休め、わが子にティッシュを手渡すお母さん。なんだか、親戚同士で遠出したときの雰囲気に近いものを感じます。

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