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アルコール依存症患者を抱える家族は病気にどう向き合っていくべきか

アルコール依存症患者を抱える家族は病気にどう向き合っていくべきか

アルコール依存症への基本的な理解

まず、アルコール依存症という病気について理解する必要があります。この病気の特長として、患者本人が「自分がアルコール依存症である」ということを自覚しないという点が挙げられます。自分で飲む量をコントロールできると思っているので、人の話を聞きません。

辛いことですが自分で病気だと認めざるをえなくなるまで、思い通りに飲んでもらうしかありません。飲んで問題がおきて苦い経験を繰り返さなければ「自分はお酒をほどほどに控えることが出来ない」「もう断酒しかない」ということが理解できないのです。

また、残念ながら命に係わる状態にならなければ行動に移せない、という人が多いことも事実です。

アルコール依存症が疑われる兆候

お酒を飲むことが優先され続けると、お酒への精神依存がみられるようになります。お酒が切れると軽い離脱症状(微熱、悪寒、寝汗、下痢、不眠)が出始めますが、体調不良や風邪と思い込み、自覚しない人が多くいます。次第に、お酒が原因となるトラブル、不注意、判断ミス、遅刻、欠勤、病気、けが、飲酒運転などが起き始め、本人もお酒を控えようと考えますが、なかなかうまくいきません。

そのまま飲酒を続けるうちに、さらに家庭内でのトラブルも起こり始めます。お酒を飲んでいる後ろめたさで家族に対して攻撃的になり、隠れて飲んだり、飲むための嘘も増えます。お酒の量をコントロールしようとしても出来なくなり、アルコールが切れると不安やうつ状態に襲われるので、飲まずにはいられなくなるのです。

連続飲酒発作、離脱症状による幻覚、肝臓やその他の疾患の悪化で、日常生活や仕事が困難になっていきます。

もちろん、一番辛いのは患者本人ではありますが、それを支える家族にも心身共に相当な負担がかかり、苦しい思いを強いられます。もしも、家族がアルコール依存症になってしまったら、家族はどう対処すればよいのでしょうか。

家族は「見守る」ことが大切

お酒を飲ませないことに力を注いでも、効果のないことにエネルギーを使うことになるばかりか、事態をこじらせたり、自分自身が疲れてしまいます。

アルコール依存症患者は、どんなことをしても飲もうとするため、隠れて飲んだり、飲むために暴れたりします。無理に飲ませないようにすると、神経を逆なでして逆効果になります。また、飲酒したかを逐一チェックして、飲んだことを責めるのもNGです。「嫌な事を言われたから」と人のせいにしてお酒を飲む口実にし、悪循環を引き起こします。

断酒しようとしていても、監視の目で見られることになると、ストレスや孤独感を感じ、アルコールに手を出してしまうので、家族は病気を理解してじっと見守ることが必要です。

本人にアルコール依存症という病気であることを自覚してもらうことは大事です。患者が起こした問題に対して、家族が助けるのではなく、本人に問題を自覚してもらうのです。

病気については、家族が勉強して伝えても良いですし、関連する本を読んでもらったり、病院などで専門家から話してもらうのも良いでしょう。アルコール依存症を隠そうとして家族だけで抱え込まず、保健所、精神保健福祉センターに相談したり、専門医療を受けられるところを探すのも良いでしょう。

患者の言動に振り回されないように

しかし、長年アルコール依存患者を抱えていると、家族は精神的に疲れ切ってしまいます。そのため正しい知識を学ぶと同時に家族自身の心のケアも必要となります。専門医療機関の家族教室や、自助グループの家族会、セミナーなどに参加して、自分の被害者意識や不信感を克服しながら仲間の中で学びましょう。世間の目を気にするのではなく、ありのままの自分で安心できる人間関係を築くことが大切です。

また、アルコール依存症になると、体だけでなく心も病んでしまいます。人に迷惑をかけず、自立した生活を送りたいと断酒の決意を見せた矢先に、お酒を飲んで攻撃的な言動を繰り返し、開き直って飲酒したことを正当化する……。

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