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福島第一原子力発電所の事故と現在の状況

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福島第一原子力発電所の事故と現在の状況について、東京電力の原子力・立地本部長代理(広報担当)の松本純一さんに解説いただきました。

東日本大震災によって福島第一原子力発電所の原子炉は大きな被害を受けました。
原子炉の中がどうなっているのか実際に目で見て確認することはできていませんが、原子炉内の数か所の温度変化や水位・圧力の変化などを可能な限り計ることによって原子炉の中がどういう状態にあるのかが徐々にわかってきました。その状況について、ご説明します。
まずはこの図をご覧ください。ここが圧力容器で、正常な状態の原子炉はこのように、燃料を覆うように水で満たされています。
しかし、震災で最も大きな損傷を受けた1号機は現在、図のような状態にあると考えられています。
津波のために、原子炉に水を注入する設備が使えなくなりました。
そのため、ご覧のとおり、水位が下がり燃料が露出したため溶けて、圧力容器から漏れ出し格納容器の底にたまっていると思われます。
溶けた燃料の一部は格納容器の下のコンクリートを侵食している可能性もあります。
そして、この燃料によるコンクリートの侵食は70cm程度と考えられますがこのコンクリートの厚さは原子炉格納容器内で約2.6m、全体で約7.6mあるため燃料が地層にしみ出す心配はありません。
一方、2号機と3号機でも燃料が損傷し、溶け落ちました。しかし燃料の損傷度合いは1号機より低いと推定されます。
燃料の大半は、圧力容器の下の部分か格納容器の中で水に浸かっていると考えられます。
詳しくはホームページでもお知らせしています。次に、事故後に実施した原子炉の冷却について具体的にご説明します。
水位が下がってしまった圧力容器内に水を注ぎ燃料を冷やすことが必要になりました。
まずは、この図をご覧下さい。ポンプで圧力容器内に注水し、使った水は、除染設備で放射性物質等を取り除き、キレイにしたあと、塩分を取り除き、タンクに戻して再び、原子炉を冷やすため利用しています。
実際はこのように展開しています。
個々が原子炉があるところで注水につかった水を、建屋から赤い線のように配置されたホースを通り、循環させています。
まず、このような除染設備で放射性物質等を低減させ次に、このあたりの設備で塩分を除去し、その後、タンクに戻して、原子炉の冷却に最利用するというのが全体の仕組みです。
このように、水を循環させ放射性物質を含んだ水を回収し処理することで燃料を冷やすだけでなく、余剰水を抑制し環境中に漏洩するリスクを、減らすようにしています。
次に、実際の温度の推移についてご説明します。図をご覧下さい。温度は図のA~Fに示されている格納容器内の6か所で計っています。
事故直後、1号機の格納容器は200°Cを超える高温を示していましたが、8月以降は、ほとんどの地点で100°C以下になっており、十分に冷却されていると評価しています。
同様に、2号機、3号機についても注水を続けたことなどにより温度を下げることができ現在は、1号機、2号機、3号機のいずれも50°C程度の安定した状態で推移しています。
これは、3号機上空をサーモモニターで観測した画像です。3月20日には原子炉直上部は128°Cの高温を示していましたが、10月14日に同じ地点を観測したデータでは温度の上昇が見られる赤い部分が減っていることが分かります。
これらのデータから、現在、福島第一原子力発電所の1号機、2号機、3号機の原子炉は十分に冷却されており、再び臨界に達する危険のない安定した状態にあると、私たちは考えています。
引き続き、確実に安定した状態を維持する取り組みを実施していきます。

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