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強盗に銃を向けられ、身ぐるみ剥がされ…それでも「こぎ続けたい」――“自転車冒険家”西川昌徳の「僕が自転車で世界を旅する理由」 season1

10年間で27ヵ国、80,000kmを自転車だけで走り抜けた男がいる。その名は西川昌徳(33歳)。

世界各地の旅先で自力で水や食べ物を確保し、寝る場所を見つけテントを張る。パンクなど日常茶飯事。時には命の危険を感じるトラブルに遭遇することもある。それでも彼はゴールを目指し、日々ペダルを踏み続ける。そんな経験を日本中の子どもたちに知ってほしいと、小学校での授業や講演活動も続けている。

彼にとって「自転車で世界を旅すること」とは一体何なのか? なぜこうした経験を子供たちに伝えたいと考えたのか? 今年アメリカ大陸縦断の旅から帰国したばかりの彼に、今回の旅、これまで人生、仕事に対する思いを全4回のインタビューでじっくりと伺った。

今回は第2回目。前回記事の最後、メキシコ国境付近で西川さんは強盗に襲われ、絶体絶命の状況に。そこからどう生還することができたのか? その後もなぜ旅を続けることができたのかについて伺います。f:id:k_kushida:20170418140431j:plain

強盗に拳銃を突きつけられても、冷静な自分がいた

────強盗に襲われた!? しかも拳銃を突きつけられたんですか!? その時はどんな気持ちでしたか?

それだけ聞いたらめっちゃ恐怖体験でしょ? けど、銃を突きつけられている僕はなんでかわかんないけどめっちゃ冷静なんですよ。あ、今、自分が強盗に襲われてる、あの時「メキシコ国境付近は危ないから気をつけろ」と言われてたことが、今まさに僕に起こってる、という感覚です。襲われていた時どういうことを思っていたかというと、1人は僕を殴りながらもう1人はバッグを持っていってる。あかん、その中にMacBook入ってる、あかん、オリンパスの一眼レフカメラ入ってる、あかん、現金とパスポートもやと。けっこう俯瞰でみてる感じです。

──何らかの抵抗はしなかったんですか?

その間、拳銃でも殴られたんやけど、強盗に襲われた時、抵抗したらあかんのですよ。抵抗して撃たれたら僕の人生、そこで終わりますから。何とかもう自分の身を守らなあかんと思ううちにどんどん荷物を奪われていくけど、銃口を向けられてるからどうすることもできひん。

そんで2分半くらい経った頃やったかな、強盗の1人がカタコトの英語で「キーはどこだ?」と言ってきたんですよ。自転車は盗難防止用のワイヤーで繋いでたんですが、その鍵が見つからないから、僕を殴りながらキーはどこだと。あいつら僕の自転車までも奪っていく気やったわけです。僕は「どこにあるかわからない!」と叫びました。そいつら僕の物を盗りながらそこら中の物を蹴散らしていたので、本当に僕にもわからなかったんです。結局3分経って、もうこれ以上おったら自分らもヤバイと思ったんでしょうね、いきなり僕の荷物を持って逃げ始めた。

──取りあえず撃たれなくてよかったですね。その後どうしたんですか?

もしあそこで撃たれてたらわけわからんとビックリしたまま逝ってると思う。成仏できんやつですね(笑)。

強盗が逃げていくのを見ながら僕もはよ逃げなあかん、戻ってきたら何されるかわからへんと、自転車をくくりつけていたワイヤーをぶちって引きちぎって、自転車担いで街の方に走って逃げました。人間って、ああいうとき、すごい力出るもんですよ。

でもその時、僕ズボン履いてないんですよ。寝るときの格好やから。タイツ1枚で自転車担いでぶわーっと砂浜を走って、街の中に入って明かりがついているとこへ駆け込んだんです。そこはガソリンスタンドやったんですが、給油してたタクシーの運転手が僕の方を見て、なんやこいつみたいな感じでギョッとしてて。その運転手に「強盗に襲われたから助けてくれ!」と言って警察を呼んでもらいました。f:id:k_kushida:20170418141208j:plain
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