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【ITビジネスマンの寺業計画書】お坊さんのオフィス生活

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【ITビジネスマンの寺業計画書】お坊さんのオフィス生活

本堂でのお勤めや境内の掃除、檀家さん参り以外の時間を、お坊さんが一番長く過ごしているのが寺務所です。修行を始めた時はすり減った畳だけの何もなかった部屋でしたが、少しずつ使いやすいように環境整備してきました。今回の記事では、僕の普段のワーキングスペースである寺務所をご紹介します。

お坊さんは意外とデスクワークが多い

お坊さんがデスクワーク?と思われる方も沢山いらっしゃるかもしれませんが、毎日大量の事務ならぬ寺務作業があるのです。どのようなものがあるのか、普段寺務所で行なっている業務をあげてみましょう。

・電話応対
・毎月のお参りや年忌などの日程調整
・墓地管理料や護寺費の受け取り、領収書発行などの窓口業務
・お寺からのお知らせを載せた寺報やお説教の原稿書き
・ホームページやFacebookページの更新
・役所や宗務庁などに提出する各種書類の作成
・毎月の経費精算や備品の発注
・参拝者にお配りする御供物の準備
・法要でお読みさせていただく塔婆書き

平日の午前中や土日は、お参りで外出していることが多いため、主に妻に寺務所で電話や来寺された方の対応をしてもらっています。それでは寺務所の様子のご紹介を始めましょう。

お坊さんのオフィスを大公開!

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寺務所は八畳一間で、部屋の真ん中に幅140センチのデスクを二つ向かい合わせで配置しています。

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片側のデスクは、塔婆書きや読書、お戒名の検討などの作業をおこなうワーキングスペースです。ひとつひとつご紹介しましょう。

1.デスクの右側にあるのは、塔婆書きのための書き物セット。お通夜〜四十九日法要までの塔婆を書いているところです。お寺に訃報が届くと、すぐにご自宅まで枕経にお伺いし、その後お寺に戻ってこの塔婆書きを行います。浄土宗には、五重相伝という生前に授戒し戒名をお授けする仕組みがあります。そのため既にお戒名が決まっている場合が多いのですが、そうでない場合、この段階でお戒名を考えることもあります。

2.二ヶ月先まで一目で予定がわかるように、月間予定表のホワイトボードを二枚壁にぶら下げています。24時間365日、いつ檀家さんからのご連絡があるかわかりません。直近の予定をすぐに確認できる状態にしておくことが、スムーズな応対のポイントです。ホワイトボードは一見アナログなイメージですが、PC操作が苦手な母親でも取り扱うことができ、家族全員で予定を共有しやすいことから導入することにしました。

3.録画機能付きのテレビを一台置いています。テレビを導入した第一の目的は檀家さんと同じ情報源に接しておきたいという理由からです。特にNHKで放送される連続ドラマ『カーネーション』や大河ドラマ『平清盛』は何気ない会話の中で話題に上げると、そこから思わぬ話が聞けることがありますので視聴必須です。

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4.原稿が完成した寺報は200部ほどコピーして、この作業スペースで折りたたんで製本していきます。本堂や墓地境内に掲載する掲示物をラミネート加工したり、大量に送られてくる郵送物を仕分けしたりするのもこのスペースです。

進捗管理や電話対応も寺務所で

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寺務所のもう一つのデスク側はこんな感じになっています。

5.寺務所内の掲示板機能も兼ねたホワイトボード。現在進行中の案件はここに掲載して、毎日進捗を参照できるようにしています。直近の役員会議での決定事項や、拝観に来られる団体様の情報なども家族とシェアできるように記載しています。

6.大きなモニターのiMacでお寺の寺務処理の殆どを行なっています。月末の経理処理や、寺報やお説教の原稿書きなど。ちなみにこのブログもこのスペースで書いています。このスペースは主に妻のデスクとなっており、作業をしながら、電話や来寺された方の対応をしてもらっています。お檀家さんからのお電話の内容は多岐に渡りますが、会社員時代に叩きこまれた電話対応が役に立ち、スムーズに対応できています。お昼時も関係なく電話がかかってきます。

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おっと、またまたお檀家さんからお電話がかかって来ました。

お檀家さん「今日お参りに来ていただくことになってるんですけど、まだいらっしゃらないんですが……。」
妻「おまたせして大変申し訳ございません。さきほどお寺を出ましたのでまもなくお伺いできると思います!」

お坊さんの本棚をクローズアップ

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7.読書が趣味ということもありお寺には2000冊ほどの本があります。法要に必要な資料や宗から送られてくる書類や、過去のお参りや法要の情報をファイリングしたバインダー、各種辞典や座右の書(経営書)を寺務所の本棚に配置しています。

お寺には、檀家さんとの日々のやり取りから生まれるフロー情報に加え、長い歴史の中で蓄積されたストック情報が沢山あります。そんな大切な情報をハンドリングするスペースがお寺の寺務所なのです。

住職という名称が表しているように、職場と住んでいる場所が同じ生活。残業をして終電を逃してタクシー帰り、または始発まで会社で寝るなんてことはなくなりました。それでも原稿の締め切りが近い日や、お彼岸やお盆といったいわゆるお寺の繁忙期には夜遅くまでデスクワークが終わらずに寺務所が不夜城になっていることもあります。これからの仏教を盛り上げていくべく寺務所から世界へ情報発信していきます!
 
○『彼岸寺』連載:ITビジネスマンの寺業計画書

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記者:

松島靖朗:彼岸寺

ウェブサイト: http://www.higan.net/bizplan/

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