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[ちょっとブレイク]猫にとって超音波センサーって何?―にゃんてっく☆やせないアイツとESP8266【vol4】

LINE Notifyへ通知する実装

こんにちは、猫を愛するエンジニア夫婦、はとね(@hatone)ときょろ(@kyoro353)です。

前回は超音波距離センサーを使って距離を計測し、猫の食事タイミングを検知することに成功しました。今回は、この検知した情報を、LINE Notifyへ通知していくための実装を行っていきます。

きょろ
「次はインターネットへの接続だ!と進めたいのだけど、その前に、LINE Notifyを使えるように登録しないといけないね」

どーじん先生
「こんにちは、はとねさん、きょろさん。ご飯の横に超音波距離センサーを置く方法、その後もうまくいってますか?」

ジンジャーは相変わらずご飯をばくばく食べてますよ~。猫って、見知らぬガジェットをどう受け入れているのか、不思議です……。

超音波センサーと猫の感じる世界

どーじん先生
「おお、嫌がってないならよかった。あの超音波距離センサー、4万ヘルツのパルスを出しているんですよね。気になって少し調べてみたんですが、猫って、そのくらいのヘルツの音を鳴らしても、聞こえてるらしいんです」

えっ、そんなに高い音も聞き取ってるんですか? 猫の耳ってすごい!

どーじん先生
「猫は人間に比べて可聴域が広いんです。人間が2万ヘルツくらいまでしか聞き取れないのに対して、6万5千ヘルツくらいまで聞き取れる。しかも、もっと高いヘルツの音を聞かせても脳活動には反応が見られる。理由は詳しくはわかっていないみたいですけど、普通の耳の機能だけじゃなくて、頭の骨を通過した超音波を脳自体で吸収して感じているかもしれないという説もあったり。ブッ飛んでますが、それなりに信憑性のある説です」

超音波を聞き取れるって、何のための機能なんですか???

どーじん先生
「猫って、ネズミ取りのプロでしょ。そういう、獲物の齧歯類の鳴き声が超高いからって説があります。音から位置を特定する能力も、いろいろな動物の中でトップランク。人間も、両耳に届く音波の差から、無意識のうちに音の発生源の位置を感じとっているのですが、両耳別に細かく動かせるネコ科は能力も段違いなわけです。

余談だけど、アニメ『けものフレンズ』で、サーバル(ネコ目ネコ科ネコ属!)が話題ですよね。その第3話でサーバルがトキの歌を聞いてくらくらするシーンがある。やっぱりネコ科は耳が良いんですね(笑)。他にも第1話冒頭で、サーバルが主人公の足音を聞いただけで飛びかかっていたように、音は狩りに重要な要素。特にサーバルはネコ科の中でも耳が極端に大きいし、地中のネズミの動きも分かるほどらしいです」

じゃあ、ジンジャーも、超音波距離センサーはネズミっぽい何かくらいに思ってるかもしれないですね!

どーじん先生
「たしかに。4万ヘルツだったら、ネズミの鳴き声の帯域に含まれるくらいの高さだから、ご飯のBGMがネズミ的環境音になって、猫にとって悪くはないかもしれない(笑)」

うーむ、猫と私たちでは、感じている世界が全然違うんですね。

どーじん先生
「どの動物も、それぞれの種ごとに、特有の知覚世界を持っているんです。動物の行動はその中から生まれてくるもの。昔、ユクスキュル(ドイツの生物学者、1864年〜1944年)が、そういう概念を提唱して、環世界って名前で呼びました。僕らは自分の見ている世界が世界そのものだと思ってしまいがちですが、人間の感じていない要素は山ほどある。

なので、例えば今回みたいに、猫の自然環境に存在しないような装置を使ってコミュニケーションするときには、相手の環世界を気にかけてあげると良い関係が築けるんじゃないかな」

なるほど……。猫の気持ちを想像するには「どう感じているのか」から考えなくてはいけないんですね。そう考えてみると、人間って不思議です。こうやって猫の環世界を想像できるってことは、知覚世界を広げられているわけだし、今回の超音波だって、もともと人間の知覚世界に存在しないものですよね。

どーじん先生
「そう、その通りですね。人間のスゴいところは、ガジェットとプログラムと想像力で環世界を拡張できるってこと。人間の開発した超音波距離センサーは、人間には感じられない超音波を使って、人間の代わりに世界を感じてくれる。そしてその機械の知覚世界を人間に伝える媒介として、プログラムがある」

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