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宇宙特集:写真家・永瀬沙世インタビュー

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写真家と光は密接な関係にあるけれど、永瀬沙世は被写体を光として認識するというからユニークだ。形あるものは経年変化し、朽ちる運命にあるけれど、光には時代性もなく場所の特定すらない。光を追って撮られた写真も同様に、時間と空間を超えたものになる。彼女の写真に宇宙を感じるのは、それゆえに至極当然なのだろう。

——永瀬さんの作品には、言葉で解説されているわけではないけれど、常に宇宙的な視点や要素が入っていると感じていたんです。その理由を知りたくてインタビューをお願いしました。

永瀬「お話をいただいた時、改めて宇宙を語るというのは正直ちょっと難しいなと思ったんです。意識するまでもなく近くにあったので、逆に具体的な話ができない心配があって」

——近くにあったというと?

永瀬「父親が宇宙関係の仕事をしていたので、幼少期から宇宙開発の話をする家庭で育ったんです。父親がNASAの管制室に見学に行った話を聞いたり、エンデバーが打ち上がったときはもちろん、はやぶさの打ち上げなんかは擬人化してしまって『よくやった!』と家族で大盛り上がりして(笑)。その延長線上で、『E.T.』や藤子不二雄で想像を膨らませたり。バービーもリカちゃん人形も持っていないかわりに、兄とガンダムロボットを想像の宇宙で飛び回らせていました」

——日常の中で科学という現実と、創作物におけるファンタジーが混じり合っていたんですね。相反するものが混じり合うのは永瀬さんの作品の特徴ですが、例えば『Water Tower』もまさしくそうで、あの給水塔のある風景は古代のようでも近未来のようでもあり、そのさまが宇宙だと思ったんです。

永瀬「ああ、嬉しいです。時間に加え、地球じゃないかもしれないし、場所もわからない感じ。時空が歪んでいて、時間と場所が混在して意味がなくなる。そういうものがすごく好きなんです。どの次元にいるのかわからない、でもどこかにいるーーそれって宇宙ですよね」

——『SPRITE』はさらにその感覚が強い。

永瀬「あれは宇宙にあるどこかのなにかを大気圏を通して見ているというイメージだからぼやけているんです。レンズで歪ませているからちょっと変な写真ですよね。最初はあの場所は火星なのかなと思っていたんですけど、調べていると火星に似ていて水がある星が存在するらしいとわかったので、そこかもしれないです(笑)」

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