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リノベオブザイヤー受賞の素敵リノベ実例[1] 三角屋根のブロック造の家

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リノベオブザイヤー受賞の素敵リノベ実例[1] 三角屋根のブロック造の家

2016年で4回目となる“その年を代表するリノベーション作品”を決める「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」。その費用で部門別最優秀賞を受賞したのは、株式会社スロウルの「三角屋根のブロック造の家」。この物件は「自分が住むならどんな家がいいのか」という想いでリノベーションされたモデルハウス。解体直前だった築43年の家が、古い味わいと北海道らしい自然を感じる家に生まれ変わった。【連載】リノベオブザイヤー受賞の素敵リノベ実例

中古物件を現代のライフスタイル、好みのデザインや機能に合わせて改修する「リノベーション」。この連載では『リノベーション・オブ・ザ・イヤー2016』の受賞物件のなかから4つの実例を紹介。リノベーションに至るまでの背景、想い、こだわりポイントなどを施主のみなさんに取材してきました。リノベーションデータ

・所在地:北海道札幌市

・築年:1973年10月

・構造:補強コンクリートブロック造

・リノベーション面積:88.30m2

・施工期間:3カ月

・費用:2600万円(税込/外構工事や駐車場整備、物置制作等の費用も含む)

・間取り:2LDK+ロフト+フリースペース

コンクリートブロックでできた家をモデルハウスに

北海道で今もよく見かける三角屋根の古い家。1953年制定「北海道防寒住宅建設等促進法」のもと、道内各地で建てられた補強コンクリートブロック造の家だ。冬の寒さや積雪に耐えられるよう、積み上げたコンクリートブロックと鉄骨の梁(はり)でできた家は、北海道の人たちが冬と共存するためにつくりだした貴重な建物だ。

その「三角屋根のブロック造の家」を2015年に購入し、リノベーションしたのは株式会社スロウル。

「当時、モデルハウスを持っていなかったため、お客様には完成見学会で実物を見てもらうしかありませんでした。当社の年間の施工棟数は8棟前後なので、見学希望の方に数カ月お待ちいただくことも。だから、常設のモデルハウスの必要性を感じていました。この物件は、川が近くに流れている立地が気に入りました。スロウルのリノベーション事業の始まりはブロック造の家だったので原点に戻るという意味でも、モデルハウスに適していたんです。1週間後に解体予定だったところを購入し、リノベーションすることにしました」(スロウル代表・平賀丈士さん。以下同)【画像1】<Before>1973年に建てられた三角屋根のブロック造の家。壁内結露や居住空間の狭さなどから、今では徐々に姿を消している(画像提供/スロウル) 【画像1】<Before>1973年に建てられた三角屋根のブロック造の家。壁内結露や居住空間の狭さなどから、今では徐々に姿を消している(画像提供/スロウル)【画像2】<After>外断熱改修を行い、屋根は米国生まれの軽量な屋根材・アスファルトシングルに張り替えた。窓にはオーダーメードの高断熱木製窓を採用(画像提供/スロウル)

【画像2】<After>外断熱改修を行い、屋根は米国生まれの軽量な屋根材・アスファルトシングルに張り替えた。窓にはオーダーメードの高断熱木製窓を採用(画像提供/スロウル)

迷走したプランニング。たどり着いたのは「自分で住みたい家」

スロウルが手がけるリノベーションは、木のキッチンやむくのフローリング、レンガを使った内装、木のあしらいを見せた天井や壁など、自然の中で暮らすような空間づくりが特徴。これまで手がけてきた施工例には、その特徴がよくあらわれているが、とはいえ、発注を受けてのリノベーションには施主の好みも反映されている。

「100%自分のデザインで、『これがスロウルだ』という一棟に仕上げようとプランニングをスタートしましたが、予想外に苦戦しました。モデルハウスですからやはりカッコ良く見せたいという思いもあります。でも、良く見せたいポイントばかりを集めても、家全体としての魅力が出てこない。あちこち迷走もしましたね。せっかく自由にできるのだからと、2階のロフトをツリーハウスにしてみようとイメージ図を描いたら、キッズパークのようになってしまったり(笑)」

そんな試行錯誤を1年間も続けながら、最終的に行き着いたのが「自分が住むならどんな家がいいのか」ということ。

「自分の好みや暮らし方を軸にしてプランをつくり直し、できたのが今の形。勾配天井を活かし、木の質感を見せる。LDKは大きな空間に。それが結局、いちばんスロウルらしい家でした」【画像3】1階リビング。内壁は躯体のコンクリートブロックに左官仕上げをしたもの。ブロックは家があたたまると蓄熱し保温効果がある(画像提供/スロウル) 【画像3】1階リビング。内壁は躯体のコンクリートブロックに左官仕上げをしたもの。ブロックは家があたたまると蓄熱し保温効果がある(画像提供/スロウル)【画像4】吹抜けになったリビング。ダイニング、キッチン、2階がひとつの開放的な空間になっている(画像提供/スロウル) 【画像4】吹抜けになったリビング。ダイニング、キッチン、2階がひとつの開放的な空間になっている(画像提供/スロウル)【画像5】キッチンはフルオーダー製作。トップライト(天窓)を設けてより明るい場所に。壁には、札幌市の隣にある江別市特産のレンガを張っている(画像提供/スロウル) 【画像5】キッチンはフルオーダー製作。トップライト(天窓)を設けてより明るい場所に。壁には、札幌市の隣にある江別市特産のレンガを張っている(画像提供/スロウル)【画像6】2階はフリースペースと、ウォークインクロゼット、2つの居室。ハシゴはロフトに通じている(画像提供/スロウル) 【画像6】2階はフリースペースと、ウォークインクロゼット、2つの居室。ハシゴはロフトに通じている(画像提供/スロウル)【画像7】2階の居室は斜めになった屋根にドーマーを設けた。室内の天井板を外し、屋根断熱にすることで、住空間を立体的に広げることができた(画像提供/スロウル) 【画像7】2階の居室は斜めになった屋根にドーマーを設けた。室内の天井板を外し、屋根断熱にすることで、住空間を立体的に広げることができた(画像提供/スロウル)【画像8】「ドーマーは三角形や半円形などいろいろ考えましたが、かわいらしくなりすぎない台形に」(画像提供/スロウル)

【画像8】「ドーマーは三角形や半円形などいろいろ考えましたが、かわいらしくなりすぎない台形に」(画像提供/スロウル)

ヴィンテージの良さを活かした、スロウルらしい家

床には北海道産のむくのシラカバやトドマツを使用し、壁は石膏や珪藻土、ホタテ漆喰(しっくい)などの左官仕上げ。躯体のブロックや鉄骨の梁、小屋裏などを見せることでヴィンテージな味わいが生まれた。【画像9】むくのシラカバを使った床。硬すぎず、踏み心地の良いむく材(画像提供/スロウル) 【画像9】むくのシラカバを使った床。硬すぎず、踏み心地の良いむく材(画像提供/スロウル)【画像10】ホタテの貝殻を使用したホタテ漆喰。調湿性や耐火性に優れている(画像提供/スロウル)

【画像10】ホタテの貝殻を使用したホタテ漆喰。調湿性や耐火性に優れている(画像提供/スロウル)

「例えば、ブロックの躯体の内側はずっと隠されていた部分。見せることを前提に施工されていないので、ちょっと雑なところが残っていたりします。リノベーションはそれも味わいです」と平賀さん。新築では決して出せない質感に、リノベーションの価値があると話す。

外断熱と内装材の選択で、結露対策と断熱性を両立

間仕切りの少ない大空間や、躯体のブロックや小屋裏を見せるデザインは、寒さや結露に配慮しなければ、快適な住まいにならない。特に、冬には最高気温が氷点下、という日もある北海道では、断熱性能をいかに確保するかがリノベーションの重要ポイントだ。

「既存の住宅には、躯体の内側に断熱材のグラスウールが施工されていました。リノベーションで室内でブロックが見えるようにするため、断熱は外断熱に。ブロックは透湿性のある素材なので、湿度をまったく通さない仕上げ材でふさいでしまうと、壁内結露を起こす可能性があります。そこで、180mmの発泡プラスチック系の断熱材を使い、外部の左官や内部塗装の仕上材もすべて透湿性のある素材を使いました。気密性は少し下がるのですが、こうすることで断熱性の確保と結露対策を両立することができました」

「リノベーションは、既存住宅を建てた職人さんたちの仕事への想いと、今の感性や技術がひとつになる面白さを感じます」と平賀さん。新築では得られない質感や味わいを、モデルハウスを見学に来た人たちに感じてもらえればうれしいと話してくれた。【画像11】受賞した「三角屋根のブロック造の家」の施主でもあるスロウル代表・平賀丈士さん(画像提供/スロウル)

【画像11】受賞した「三角屋根のブロック造の家」の施主でもあるスロウル代表・平賀丈士さん(画像提供/スロウル)●取材協力

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