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暴力団は「合法」なのか? 暴対法と暴排条例のあいだに横たわる「矛盾」

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ノンフィクション作家・溝口敦氏

 暴力団排除条例、いわゆる暴排条例が2011年10月に東京都と沖縄県で施行されたことで、47都道府県すべてで同条例が出そろった。同年8月には、島田紳助さんが暴力団との密接な交際を理由に芸能界を引退しており、暴力団の影響力を排除する機運が高まっている。

 2012年2月7日のニコニコ生放送では、『暴力団』(新潮新書)の著者で、暴力団問題に詳しいノンフィクション作家の溝口敦氏が登場し、「裏社会に生きる『わるいやつら』を徹底解剖」と題してトークが行われた。

■日本では「暴力団は合法的な存在」

 番組で、「海外の暴力組織」について聞かれた溝口氏は、「程度の差こそあれ、組織犯罪集団は全世界に存在する」と説明。イタリアのカモッラ(ナポリを中心とするマフィア)、ロシアの青少年犯罪グループ、メキシコの麻薬マフィアを挙げつつ、2011年7月にアメリカのオバマ大統領がこれらと日本の「ヤクザ(暴力団)」と合わせて4つを金融制裁の対象に指定したというエピソードを紹介した。

 溝口氏は続けて、「どの国にいっても、悪いことをしてでも金を稼ぎたい人は存在するわけで、そういう人たちはなくならない」とした上で、

「だけど、そういう組織はほとんどが非合法。日本では、暴力団は合法的な存在だ」

と語った。

 この「日本では暴力団は合法」というフレーズに対して、番組を見ていた視聴者からは「えええええ!」など驚きを示すコメントが寄せられた。視聴者の反応を受けて、「合法ですよ、もちろん」と重ねた溝口氏。その理由について「暴力団対策法(暴対法)が、暴力団の存在を否定していないからだ」と解説した。

 一般的に、常習的に暴力を使う人おそれのある人たちを暴力団と言い、その中でも特に、都道府県公安委員会が指定した「暴力団」は「指定暴力団」と呼ばれる。現在22団体ある「指定暴力団」は、溝口氏の言葉を借りると「組織犯罪集団」。暴対法では、指定暴力団に対して「用心棒代」「交通事故の示談交渉」などの経済行為などを禁止しているが、暴力団の存在自体は否定されていない。

 溝口氏は、一方で、暴排条例によって暴力団は新規に銀行口座を開設できないなどといったことがあり、”ヤクザ”の人権が否定されていることを指摘。さらに、

「条例の場合は警察は後ろに退いて、企業や住民の責任で『暴力団と密接交際しない』とか『利益供与をしない』とかをやらなければならない。暴対法で暴力団を認め、暴排条例で暴力団を認めない。それも住民責任でやらせる。このダブルスタンダードのおかしいところがある」

と語り、暴対法と暴排条例の2つの制度の矛盾を突いていた。

・[ニコニコ生放送]溝口敦氏「暴力団は合法的な存在」から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv79877540?po=news&ref=news#1:05:10

(尾前孝之)

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