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「君は自分の人生をどう生きればいいかわかっていないように見える」

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トルコ最大の都市で、アジアとヨーロッパの2つの大陸にまたがるイスタンブール。ローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国の都として栄華を極めたこの街は、今も帝都の風格を色濃く残しています。

悠久の歴史を抱くエキゾチックなイスタンブールに焦がれた筆者は、会社員だった2011年に念願の初訪問を果たしました。

憧れのイスタンブールが大好きな場所に

「君は自分の人生をどう生きればいいかわかっていないように見える」

初めてのトルコは一人旅。すでにベトナムやオランダ、ベルギー、ドイツへの一人旅を経験しており、一人で海外へ行くことにあまり躊躇がなくなっていました。一人で旅する不安よりも、「旅したい!」という欲求や、旅に対するワクワクが圧倒的に上回っていたのです。

ため息が出るほど優美なシルエットを描くブルーモスク、神秘的なアヤ・ソフィア、迷路のようなグランドバザール・・・イスタンブールで目にするあらゆる風景が、美しく、新鮮でした。

万華鏡のようにきらめくランプや、「オヤ」と呼ばれる伝統的な刺繍編みなど、トルコの雑貨にも心を奪われました。憧れのイスタンブールは、あっという間に「大好きな場所」になったのです。

人懐っこいイスタンブールの人々

「君は自分の人生をどう生きればいいかわかっていないように見える」

風景や建物など、目にするもの以上に印象に残ったのが、イスタンブールの人々でした。

旧市街を歩けば、「誰にも話しかけられずに10メートル以上歩けない」と言っても過言ではないほど、さまざまな声かけの嵐。ちょっと警戒しつつも、お店の人とささいな会話を交わしながらのショッピングは、この上ない楽しみでした。

観光地なので単なる客引きやナンパも多いのですが、人々の人懐っこい表情からは、「旅行者との会話を楽しみたい」という気持ちがうかがえることもしばしば。

実際、トルコでは、「旅人をもてなす心をもちなさい」というイスラム教の教えが生きていて、見返りを求めない親切を受けることも少なくありません。イスタンブールでも、「何も買わなくていいからチャイを飲んでいきなさい」と言われて、土産物屋でチャイをごちそうになりながら店主と世間話をしたことも一度や二度ではありませんでした。

イスタンブールで出会った経営者のアラスさん

「君は自分の人生をどう生きればいいかわかっていないように見える」

そんなイスタンブールで出会ったのが、アラスさんでした。トルコ人とイタリア人のハーフである彼は、トルコとイタリアで複数の土産物屋を経営していました。たまたま筆者が宿泊していたホテルが、彼のお店の近くだったために、知り合いになったのです。

彼は、ホテルの階段を踏み外し、足をねんざした筆者を病院に連れていってくれるなど、見返りを求めない親切を与えてくれました。筆者が記念として自ら買い物をした以外、何かモノを売ろうとしたことも一度もありませんでした。

「君は自分の人生をどう生きればいいかわかっていないように見える」

「君は自分の人生をどう生きればいいかわかっていないように見える」

イスタンブール滞在の最終日、夕食を共にしながら二人で人生について語り合っていました。そんなときに彼に言われたのがあのセリフでした。「君は賢いけれど、自分の人生をどう生きればいいかわかっていないように見える」。

図星でした。大学を卒業し、就職したものの、仕事に対して心からのやりがいが見い出せず、当時の一番の楽しみは連休を使って海外旅行をすること。自分にとっての幸せが何なのか、人生でどんなことを成し遂げたいのか、わかっていませんでした。

どう生きたいかわからないまま結婚し、大失敗

「君は自分の人生をどう生きればいいかわかっていないように見える」

「君は人生をどう生きればいいかわかっていない」と指摘されたところで、すぐに何かが変わったわけではありません。しかし、この言葉は何年ものあいだ、小さなトゲのように心に刺さり、忘れたころにその存在を主張し始めるのです。

一度は結婚して、「これでワクワクするような未来が待っている」と思いましたが、結果は大失敗。当時の筆者には、自ら人生を切り拓く意識と覚悟が決定的に欠けていました。「この人と一緒にいたら楽しいことがありそう」という、相手の人生に乗っかるような感覚で結婚を決めてしまい、「人生のパートナー」の意味も分かっていなかったのです。

結婚に失敗したとき、「やっぱり私はどう生きたいかわかっていないんだ」。自分の立ち位置が以前と変わっていないことを思い知らされました。

「自分探し」の始まり

「君は自分の人生をどう生きればいいかわかっていないように見える」

結婚に失敗した後、自分にとっての幸せや、人生において本当にやりたいことを模索する「自分探し」が始まりました。といっても、何から始めていいかわからなかったので、心に響きそうな本を読み漁ったり、少しでも興味のある分野の資格を取ってみたり・・・自分でも前に進んでいるのかどうかわかりませんでしたが、もがいてみることが大切だと思ったのです。

そんな時期に経験したスリランカへの旅が、筆者の心境に大きな変化をもたらしました。豊かな自然が残る島に、奥ゆかしくもフレンドリーな人々が暮らすスリランカで心が洗われるような気持ちになり、東京での会社員生活に強烈な違和感を覚えるようになっていったのです。「一度こうなってしまったら、もう元には戻れない」。そんな感覚でした。

旅好きの筆者にとって、時間の制約なしに、思いっきり旅することは当時一番の夢でした。ならば、それを叶えようと思ったのです。そこで、仕事を辞めて世界一周旅行に出ることを計画し始めました。

このとき、「自分はどう生きたいのか」、この問いに対し、一筋の光が見えてきたような気がしました。

ふらっと訪れた長野で生涯のパートナーに出会う

「君は自分の人生をどう生きればいいかわかっていないように見える」

結果的に、かなり具体的に計画したものの、世界一周旅行は実現はしませんでした。というのも、ふらっと訪れた長野でドイツ人の現在の夫に出会い、ドイツに移住することになったからです。たまたま宿泊したゲストハウスで意気投合し、あっという間に恋に落ちるという劇的な出会いでした。

世界一周を取りやめたのは、世界一周は、海外旅行が不便な日本を拠点にすることを前提にした発想であって、拠点がドイツになるなら、一度で世界を一周する必要はないと考えたからです。そのかわり、2015年の6月からおよそ5か月間、旅しながらアジアを横断し、11月にドイツにたどり着きました。

よく、「仕事を辞めてドイツに行くなんて、不安はないの?」と、聞かれましたが、筆者は「これは自分の人生に訪れた波。その波に乗れば間違いはない」と思っていました。向かうべき方向に進んでいるという確信があったのです。

ドイツ移住後、トラベルライターに

「君は自分の人生をどう生きればいいかわかっていないように見える」

仕事を辞めて日本を飛び出したはいいけれど、ドイツで具体的に何をするかは決まっていませんでした。「まずはドイツ語を習得して、日本食レストランのアルバイトでもなんでも、できることから始めよう」と思っていたのですが、文章を書くのが好きだったことから、ライターになろうと思い立ちました。

過去にライターの経験などありません。でも、ドイツ移住に伴い仕事を辞めて「ゼロ」に戻ったからこそ、本当にやってみたいことにチャレンジしようと決意したのです。

結果は、今ご覧いただいている通り。まだまだ未熟ですが、旅をしながら旅行記事を書くトラベルライターとして生活をしています。

「自ら人生を切り拓いている」と言えるように

「君は自分の人生をどう生きればいいかわかっていないように見える」

今もふと、あのときの言葉を思い出します。「君は自分の人生をどう生きればいいかわかっていないように見える」。この言葉は、人生に迷っていた4年間のあいだ、その時々の自分の立ち位置を確認する指標となってくれました。

「自分はどう生きたいのか」。この問いに対し、今も完璧な答えがあるわけではありません。
でも、自分が好きなことを仕事にして、かけがえのないパートナーと手を取り合って人生を歩んでいる今は、「自ら人生を切り拓いている」と自信を持って言えます。

私たちは常に進化する存在なのだから、現時点で完璧な答えなんてなくていいし、時が経つにつれて答えが変わってもいいと思います。大事なのは、今この瞬間に自分の心の声を聞いて、好きなこと、心を動かされること、心地良いことを大切にすることではないでしょうか。

これからも、自分の足で、一歩一歩人生という名の旅路を歩んでいくのみです。

[All photos by Shutterstock.com]

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