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「人を動かす」のが苦手な人こそ試すべき“特効薬”とは?

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コミュニケーション総合研究所代表理事の松橋良紀さん。そんな松橋さんに「コミュニケーションの極意」についてお話しいただくこのコーナー。第11回目は「人を動かすコツ」についてです。

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世界中で読まれている『人を動かす』という名著があります。

著者はデール・カーネギー。日本では400万部以上売れている、自己啓発書を代表する1冊です。この本には珠玉のメッセージがぎっしり詰まっていますが、コミュニケーションのコツを一つだけ教えてくれと言われたら、私はこの一言を選びます。

「人に動いて欲しかったら、相手に重要感を与えなさい」

この言葉は、まさに真理を突いています。なぜなら、多くの人が欲しがっているのは、「あなたは重要な人です」というメッセージだからです。話を聴くことの大事さをこれまで何度か紹介してきました。一生懸命に話を聴いてくれる人が好きなのは、「分かってくれた」「認めてくれた」「理解してもらえた」という“重要感”が満たされるからなのです。

人は“重要感”が満たされると頑張れる

私は、営業の仕事を20年ほどやりましたが、本当に大変な会社でした。毎日12時間くらい拘束されて、週に一回も休みは自由に取れません。

たまに休みを申請すると、「今の数字で月に3回も休ませてくれって?よくまあ言えたもんだな?」と言われるようなひどい環境です。売れないと給料も最悪です。それでもやめずに長く働いている人たちがいます。

休みもなく、売れないのに、辞めずに頑張っている人の心理を不思議に思って尋ねると、「いい仲間がいるから」「必要とされているから」「認めてくれるから」という返事が返ってきます。

そう、これこそが“重要感が与えられる”ということ。仲間に助けられたり、感謝されたり、褒めてもらったり。

「誰かが認めてくれた」という気持ちが、仕事のモチベーションと深い結びつきをつくっているのです。

逆に重要感を感じることができない=プロセスや成果を評価してくれない会社だと、いくら休みが多くて、給料がよくても仕事にやりがいが持てません。

ですから、上司や先輩は、部下や後輩の“重要感を上げる”、つまり「あなたが必要ですよ」「あなたの頑張りはちゃんと見ていますよ」と伝えるのが最も大事な仕事なのです。

「人を動かしたい」ときの特効薬3つ

人が一番好きな人は、自分を重要に扱ってくれる人です。

重要感を与える方法はたくさんありますが、今回は即効性のあるテクニックを3つご紹介します。

【ポイント1】 相手の名前を呼ぶ

デール・カーネギーは、最も基本的で大事なものを『相手の名前を呼ぶこと』だといいます。

人によっては、「もちろん、そんなのはあたりまえでしょう」と思うかもしれません。

でも多くの人は、意外にも最小限しか、相手の名前を呼んでいません。

「お客様」「社長」「あなた」「君」「おーい」

上記のように、名前を呼ばずに呼びかける事が多いのではないでしょうか?

「おはようございます」

「これ、お願いできますか?」

「どう思われますか?」

「お疲れ様でした」

このような会話も、次のように名前を差し込むだけで、大きく印象が変わります。

「〇〇さん、おはようございます」

「〇〇さん、これ、お願いできますか?」

「〇〇さん、どう思われますか?」

「〇〇さん、お疲れ様です」

どうでしょう?ずいぶんと気持ちの伝わり方が変わりますね。

メールマガジンを購読している方にはおなじみですが、冒頭に「〇〇様」という宛名が書かれているメルマガを見たことがあるでしょう。

多くの企業が、このようなメルマガを送るのは、名前が差し込まれているかどうかで、本文を読んでもらえる確率が何倍も変わるからです。ですから、わざわざ「名前差し込み機能付き」のメール配信システムを使って、企業はメルマガを送っているのです。

すべては、相手の名前を呼ぶことの威力を知っているからです。

億万長者になった経営者が、教えてくれたことがあります。

お客様へ手紙を出すときには、本文中に3回、相手の名前を入れなさいと。

周りの人を観察してみると、コミュニケーションがうまい人は、そういえば、人の名前をよく連呼しているなあと気づくのではないでしょうか。

相手にとって名前を呼ぶことは、とても特別な力があるのです。

今日から、会話の中に相手の名前を何度も差し込むように意識すれば、関係がより深くなるでしょう。

【ポイント2】「すみません」ではなく「ありがとう」と言う

人に何かしてもらったとき、どんな言葉をかけていますか?

「どうも」

「すみません」

「悪いね」

こういった言葉を、反射的に言ってしまう人は多いです。

相手に重要感を与えるなら、感謝の言葉を届けましょう。

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この言葉に、感謝の気持ちを最大限に乗せて届けるのです。

「あ、どうも」「すみません」を多用するのは、人間関係が苦手な人という印象を与えます。

相手の目をしっかり見て、笑顔で「ありがとう!」と伝えましょう。

【ポイント3】相手のいいところを見つけてほめる

重要感を与える方法で、最も効果的なことは、やはり相手をほめることです。

でも、ほめるのが苦手という方はかなり多いです。

苦手な理由をリストアップしてみます。

(1)裏があるに違いないと思うから

ほめられても 「どうせお世辞でしょ」と、相手のほめ言葉には裏があるに違いないと思っていませんか?「他人をほめるということは、思ってもいないおべんちゃらを言うことだ」と、勘違いしている人は多いです。

(2)ほめるところがないから

自己肯定感が低い人は、自分だけでなく人の長所を見つけるのが苦手で、短所ばかりに目がいってしまいます。ですからほめるところが見つからないということになります。

(3)ほめるとつけあがるから

体育会系の人に多いですが「厳しくしないと人は育たない。甘やかすとつけあがる」と思い込んでいて、一切ほめない人がいます。

(4)ほめると自分が負けた気がするから

人をほめるのは、自分を落とすことになるから悔しいと感じてしまう人は、悪口は得意ですが、ほめることができません。悪い意味での負けず嫌いです。

人をほめるのが苦手な人に共通しているのは、根底で「自分も認められていない」「もっとほめて欲しい」と感じてしまっていること。

自己肯定感を上げるには、ほめてもらうのが一番です。

ほめてほしいなら、まずは自分からほめることです。

いつも一緒に仕事をしている周りの人を、ほめましょう。

自分とは違うタイプや考え方の人に対しても、一旦は受け止め、認めてみる。

ほめることを、コーチングでは「承認スキル」と呼びます。

ほめるという言葉に、なにかお世辞を言うような意味合いを感じてしまう人は、「承認」と言い換えてください。

悪いところばかりが目につきがちですが、そこをぐっと押さえて、一日一言でいいのでほめ始めたら、あなたの人生は大きく変わります。

今すぐ使える!「ほめ言葉3S」とは?

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それでも、「ほめるのが大事なのはわかるけど、ほめ言葉なんて見つからない」とおっしゃる人に、とっておきのほめ言葉を紹介しましょう。

「すごい」

「すばらしい」

「さすが」

頭文字をとって「ほめ言葉3S」と命名しました。

この言葉だけで、相手の重要感をしっかりと満たす事ができます。

「いつも1時間かかる仕事なのに、30分で仕上げたんだね」

「いつも1時間かかる仕事なのに、30分で仕上げるなんてすごいね」

「みんなのためにという気持ちなんだね」

「みんなのためにというその気持ちがすばらしいです」

「○○さんといると、みんなが楽しそうですよ」

「○○さんといると、みんなが楽しそうですよ。さすがね」

「ほめ言葉3S」は人生の必需品だと私は考えています。

感謝や愛情の気持ちを持っていてもなかなか口にしない人が多いです。

ですから、日頃から口にする人は、誰にでも好かれるようになります。

相手の重要感を満たすことで、あなた自身の人生も満たされていくでしょう。

「これくらいやってもらって当然」と思っていませんか?

リーダーでも新入社員でも、どんな立場にあっても、お互いの重要感を満たすためには、認め合うことが最も需要です。

人に何かをお願いしても、うまくいかない人は、「これくらいやってくれて当然でしょ」という気持ちが相手に伝わってしまっているからです。

素晴らしい人間関係を築くには、「相手に何を与えるか」に尽きます。

与えるものは、お金や物ではありません。人に動いてもらいたかったら、重要感を与えることが、幸せへの最短の道です。「ほめる」のはそのうちの重要なひとつです。

「ひとたらし」といわれる、魅力的な人がいます。

彼らは常に「この人の重要感を満たすにはどうしたらいいだろう?」と考える習慣が身についています。ですから、相手がどうすれば喜ぶのかを感覚的につかめます。

相手の喜びは何なのかを常に観察していれば、相手が自ら動きたくなるポイントも、自然にわかるようになります。

「相手がいかに自分にとって重要な存在なのか」を常に伝えることで、お互い気持ちよく仕事ができるようになるはずです。

松橋良紀(まつはし・よしのり)

コミュニケーション総合研究所代表理事/一般社団法人日本聴き方協会代表理事/対人関係が激変するコミュニケーション改善の専門家/コミュニケーション本を約20冊の執筆家

1964年生青森市出身、青森東高校卒。ギタリストを目指して高校卒業後に上京して営業職に就くが、3年以上も売れずに借金まみれになりクビ寸前になる。30才で心理学を学ぶと、たった1ヶ月で全国430人中1位の成績に。営業16年間で、約1万件を超える対面営業と多くの社員研修を経験する。2007年にコミュニケーション総合研究所を設立。参加者が、すぐに成果が出るという口コミが広がり出版の機会を得る。NHKで特集されたり、雑誌の取材なども多く、マスコミでも多数紹介される。

約20冊で累計30万部を超えるベストセラー作家としても活躍。「コミュニケーションで悩む人をゼロにする!」を合言葉に奮闘中。

著書

「あたりまえだけどなかなかできない聞き方のルール」(明日香出版社)

「相手がべらべらしゃべりだす!『聞き方会話術』」(ダイヤモンド社)

「人見知りのための沈黙営業術」(KADOKAWA)

「何を話したらいいのかわからない人のための雑談のルール」(KAODOKAWA)

「話し方で成功する人と失敗する人の習慣」(明日香出版社)

公式サイト http://nlp-oneness.com

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